「ブレゲ クイーンオブネイプルズって何がすごいの?」
「クイーンオブネイプルズの魅力について知りたい」
「ブレゲ」という名前をご存知の女性は、そう多くはないかもしれません。
派手なプロモーションは行わず、年間製造本数もそう多くはないことが大きな要因でしょう。
しかしながら、時計業界ではトップクラスに位置するフランス発の名門ブランド。
手間暇かけて作られた一本いっぽんの時計は、至高の輝きを放ちます。
そんなブレゲのレディースラインで最も有名なシリーズは「クイーンオブネイプルズ」ですが、その魅力について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
クイーンオブネイプルズは名門らしい品格・風格と、200年以上も前のモデルにオリジナルを持つにもかかわらず、どのブランドとも異なる個性を有するのです。
30~50代の女性で、持ち物のグレードをワンランク上げたい、そんな方々に強くお勧めしたい逸品となります。
この記事ではブレゲ クイーンオブネイプルズの魅力について解説します。
人気モデルの紹介もしますので、ブレゲのレディースラインに興味がある方はぜひ参考にしてください。
出典:https://www.facebook.com/MontresBreguet/?ref=page_internal
目次
ブレゲ クイーンオブネイプルズとは
ブレゲのクイーンオブネイプルズとはどのような時計なのでしょうか。いったい、他社のレディースモデルとはどのように異なるのでしょうか。解説いたします。
ブレゲのレディースってどうなの?
ブレゲは、「時計の歴史を200年早めた」と称される、天才時計師に端を発するブランドです。彼の名はアブラアン・ルイ・ブレゲ。1775年、フランスはパリのシテ島(セーヌ川に浮かぶ中州)に時計工房を設立しました。ブレゲは現代にも息づく時計の機構や装飾技法などを次々発明し、時計産業を大きく飛躍させます。
そんなブレゲの名と意志を受け継いだ当ブランドは、今なお健在。マリーン、クラシック、アエロナバルなど、数々の銘品を世に輩出してきました。
時計愛好家の男性から支持される、といったイメージが強いですが、実はレディースラインも高い評価を得ています。
レディースと言うとカルティエやブルガリ、ショパールなどが思い浮かぶかもしれません。ロレックスのデイトジャストやオメガのコンステレーションなども有名ですね。確かにブレゲのレディースラインは、こういった有名ブランドに比べると製造本数も少なく、知名度は高くありません。
しかしながら冒頭でもご紹介したように、ブレゲ製品はレディースの中で金字塔と呼ぶべき逸品です。2世紀半の歴史の中で培ってきた時計製造技術が内外に使用されており、見る人が見れば、超高級品であることがすぐにわかるような高貴さ・美しさを有します。
具体的には、ブレゲ発明のコインエッジ装飾。薄型で洗練されたケース設計。丁寧で美しいギョーシェ彫。高い審美眼を武器に選び抜いた極上のシェルやダイヤモンド遣い・・・
これらのディテールは、時計の最高の美しさを引き出すのに一役買ってくれます。ブレゲというとメカニカルな部分にどうしても目が向いてしまいますが、デザイン性の高さというのも他の追随を許しません。
※ケースに施されたコインエッジ装飾
※ギョーシェ彫。ブレゲが発明した装飾技法で、専用機械で連続した装飾を施す細工のこと。ちなみに針の造形もブレゲが手掛けたもので、ブレゲ針と呼ばれる。
レディース時計の金字塔と称したいもう一つの理由として、歴史上のブレゲファンたちが挙げられます。ブレゲの顧客にはマリーアントワネット妃,イギリスのヴィクトリア女王,ナポレオン・ボナパルトの妻ジョセフィーヌ妃など、歴史に大きな影響を与えた偉人女性が多く名を連ねます。
現代でも、アナウンサーの滝川クリステルさんや女優の檀れいさん、ファッション業界で実業家として高名なミロスラヴァ・デュマさんなど、ブレゲファンは大人の魅力と貫禄のある方々ばかりですね。
そのため、ブレゲのレディースは若い方向け、というよりも、30~50代以上の女性が、大切なビジネスシーンやパーティーシーンで着けることによっていっそうの貫禄を放つ類の時計と言えます。
ブレゲのクイーンオブネイプルズとは
出典:https://www.facebook.com/MontresBreguet/?ref=page_internal
ブレゲのレディースが至高の存在であることがおわかりいただけたでしょうか?
そんな同社のレディースラインで最も有名なシリーズがクイーンオブネイプルズとなります。2002年にリリースされました。
ネイプルとはフランス語でナポリと言う意味で、シリーズ名を訳すと「ナポリの女王」となります。
これは、1808年~1814年頃にかけて、ブレゲの上顧客であったカロリーヌ妃のために作った世界初のブレスレット型ミニッツリピーターをリバイバルした品であることからこの名が付けられました。
カロリーヌはナポレオン・ボナパルトの妹で、後にナポリ王になるジョアシャン・ミュラのお妃様です。もともと兄夫婦もブレゲのファンでしたが、カロリーヌ妃はそれを上回るお得意様!1808年~1814年の間に、34個もの時計をブレゲに特注したと言います。
その特注品の中に、ブレゲが彼女のために特別にあつらえた時計がありました。現物は今はどこにあるかわかりませんが、「ブレスレットのように身に着けられるリピーターウォッチ」で、美しい金髪とゴールドを編み込んだかのようなブレスレットでデザインした、と言われています。
出典:https://www.facebook.com/MontresBreguet/?ref=page_internal
これは、諸説はありますが、世界で初めての腕時計に当たります。しかも当時はラウンド型の懐中時計が主流でしたが、スクエアシェイプということもあって、いかに画期的であったかがおわかりいただけるでしょう。ブレゲは時計史に残る発明や、華麗なる逸話が絶えずつきまとう世界でも類を見ないブランドですが、その中でも特にゴージャスでエレガントなエピソードのように思います。
そんなカロリーヌ妃―ナポリ王妃―のための腕時計を現代に蘇らせたのが、クイーンオブネイプルズです。
19世紀初頭にかけても斬新すぎるデザインでしたが、21世紀の今なお他社にはない独創性を放ちます。
オリジナルからインスパイアされたオーバルシェイプフォルム,4時位置のリューズ,ラグを取り払い優美なエンドピースでブレスレットとケースを繋ぐ工夫・・・今だかつてこのように美しい腕時計があったでしょうか。
出典:https://www.facebook.com/MontresBreguet/?ref=page_internal
ディテールを見ると、ブレゲらしい作り込みがそこかしこに見られます。
先ほどもご紹介しましたが、コインエッジ装飾や極上のシェルにダイヤモンド。また、文字盤の丁寧なギョーシェ彫やブレゲ針など、ブレゲらしいアイデンティティとエレガンスを称えています。
クイーンオブネイプルズにはいくつかの派生モデルがありますが、上記の基本アイコンは変わりません。
ブレゲが好きだから、ワンランク上の時計が欲しいから、といった方以外にも、このデザインに惚れ込んでご購入される方もいらっしゃいます。
一目で美しく、エレガントで極上の時計をつけていることがわかるような、至高の銘品です。
ブレゲ クイーンオブネイプルズのモデル
現在、ブレゲからラインナップされているクイーンオブネイプルズの代表的なモデルをご紹介いたします。
クイーンオブネイプルズ Ref.8908系
出典:https://www.breguet.com/jp
スペック
素材:各種ゴールド
文字盤:シェル
駆動力:自動巻き
防水性:30m
機能:ムーンフェイズ,パワーリザーブインジケーター,スモールセコンドなど
2002年のリリース以来、様々な派生モデルの中でも、クイーンオブネイプルズの顔を張ってきた定番モデルがRef.8908系です。
クイーンオブネイプルズの独創的なデザインはもちろんのこと、12時位置のムーンフェイズとパワーリザーブインジケーターをセッティングするという、時計製造に一家言持つブレゲならではの一大シリーズであることが何よりの特徴です。
ちなみにパワーリザーブインジケーターとは機械式時計に見られる機構で、ムーブメントの持続時間(パワーリザーブ)の残量を一目で視認できる優れもの。裏蓋がシースルーになっており、ブレゲの精緻で美しいムーブメントを鑑賞することが可能です。
出典:https://www.facebook.com/MontresBreguet/?ref=page_internal
シェルの上品さと、クラシックシリーズなどにも見られるブレゲ特有のギョーシェ彫がなされた文字盤も併せて楽しむことができ、まさに時計としても装飾品としても最高峰と言って過言ではないでしょう。
ちなみに全てのクイーンオブネイプルズに言えることですが、バックルも美しく象られ、モデルによっては極上のダイヤモンドがセッティングされており、そこかしこにブレゲの時計製造への情熱を感じられます。
クイーンオブネイプルズ Ref.8918系
出典:https://www.breguet.com/jp
スペック
素材:各種ゴールド
文字盤:シェル
駆動力:自動巻き
防水性:30m
機能:2針
Ref.8908と同様のケースに、ダイナミックなアラビア数字(ブレゲ数字モデルもあり)、そしてそのインデックスの数字のチャプターリングは6時位置にオフセットされ、約0.08カラットものペアシェイプ・ダイヤモンドがあしらわれました。
例年いくつかのNEW文字盤がリリースされていますが、いずれのモデルにもゴールドやダイヤモンドが美しく施されており、最高級の逸品に仕上がります。
駆動力は自動巻きですが厚みはわずか10mmほど。結婚式などの略礼服にも合わせやすい上品さでしょう。
クイーンオブネイプルズ ミニ Ref.8928
出典:https://www.breguet.com/jp
スペック
素材:各種ゴールド
文字盤:シェル
駆動力:自動巻き
防水性:30m
機能:2針
クイーンオブネイプルズをひとまわり小さくした、愛らしい逸品です。
ラグを持たないことから、同サイズの腕時計に比べてよりフェミニンな印象が強く、女性らしさが強調されます。
なお、ムーブメントもダウンサイジングされているので、パワーリザーブは通常サイズより2時間ほど短くなりますが、そこはブレゲ。性能・信頼性などは申し分ありません。
本格的な時計と可愛らしさを両立したモデルは、他社にはなかなか多くありません。そのため、機能もデザインも大切にしたい女性にぜひ選んでほしい一本となります。
クイーンオブネイプルズ ラージ Ref.8968系
出典:https://www.breguet.com/jp
スペック
素材:ローズゴールド
文字盤:シルバーまたはグレー
駆動力:自動巻き
防水性:30m
機能:3針
大変ボリューミーなクイーンオブネイプルズのラージサイズが特徴的なこちらは、他モデルと異なりダイヤモンドは使っていないラインとなります。
文字盤装飾もきわめてシンプルで、アンスラサイト仕上げが上品。12時・6時位置のアップライトインデックスが、シンプルさの中で立体感と高級感を強調させていることも特徴です。
出典:https://www.breguet.com/jp
クイーンオブネイプルズは同系リファレンスの中でさらに派生モデルを有しますが、2017年にはダイヤモンドがあしらわれたモデルもリリースされました。
近年、ブレゲのレディースラインの強化は目覚ましいものがありますが、クイーンオブネイプルズのバリエーションの豊富さはその象徴のようなもの。レディース専用ブランドにも負けないような品揃えと言えます。
クイーンオブネイプルズ Ref.8967
出典:https://www.breguet.com/jp
スペック
素材:ステンレススティール
文字盤:シェル,ブルーラッカーなど
駆動力:自動巻き
防水性:30m
機能:2針
ハイエンドなクイーンオブネイプルズばかり紹介してしまいましたが、お手頃なステンレススティールモデルもあります!
とは言え同シリーズ特有のエレガンスや優美さは健在。決して安物などではありません(実際、シェル文字盤を使ったモデルが多く、価格は200万円前後)。
12と6の位置にはグラフィックなアラビア数字が描かれており、絵画的なデザイン性を楽しめることもポイントです。
出典:https://www.facebook.com/MontresBreguet/?ref=page_internal
2019年の今年は同シリーズ初となるマーブル模様のブルーラッカー文字盤が登場しました。
しかも、ブレスレットがデニム!クイーンオブネイプルズの新たな境地を開拓するような新作と言えますね。
まとめ
レディース時計の金字塔であり、ブレゲの中でも特に美しくエレガントな一大シリーズ・クイーンオブネイプルズをご紹介いたしました。
文中でもご紹介しましたが、ブレゲはスウォッチグループという巨大コングロマリットに属するとはいえ製造本数は決して多くはなく、価格帯もかなり高め。そのため誰もが気軽に手に入れられるものではないかもしれません。
だからこそ、大人として成熟した女性だけが着けられる品格がある、とも言えます。また、パテックフィリップやオーデマピゲなどと並び、一生ものの家宝として代々受け継いでいけるような代物でもあるため、他社製品とは一線を画します。本当に欲しいと思う方はぜひ一度ご検討してほしいな、と思います!
当記事の監修者
安 寧実(AN NINGSHI)
中国吉林省の出身で中国語と韓国語が母国語。
日本語学校で1年半日本語を勉強し、専門学校では英語を専攻。卒業後、羽田国際空港のロレックス正規店に勤務し、2018年7月からGINZA RASINで勤務。中国語、韓国語、日本語、英語の4か国語に精通。時計業界歴10年。