「ロレックスの箱ってどんな種類があるの?」
「歴代のロレックスの箱について知りたい」
ロレックスは時計本体のみならず、付属品にも価値があることをご存じでしょうか。
国際保証書はもちろんのこと、内箱・外箱も時計の一部だと考えた方が良いでしょう。
そんなロレックスの箱について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
ロレックスの箱は年代によって様々な種類が存在します。
現在は王冠マークが印字されたベージュ色の外箱にグリーンの内箱が採用されていますが、製造終了モデルの中にはユニークなデザインを持つ箱が多数存在しており、箱そのものがプレミア化しているモノもあります。
この記事では歴代のロレックスの箱を、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
ロレックスの付属品の紹介もしますので、ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
ロレックスの付属品
※ロレックスの現行付属品
ロレックスの付属品は大きく分けて「外箱」「内箱」「保証書」「カードケース」「取扱説明書、冊子類」「タグ」です。
※個体によってはベゼルカバーが付属します。
外箱
現行品はベージュ色の外箱でデザインは非常にシンプルです。旧式の外箱は緑色となり、それ以前は様々な柄がデザインされていました。多種多様な外箱が存在し、中にはコレクターズアイテムとなっているものも存在します。
内箱
内箱は時計本体を収納する箱です。ロレックスのコーポレートカラーである「緑色」がベースとなっています。
箱の内部は中央に時計本体をセットするためのクッションが設置されており、フタ上部に冊子やギャランティーカードを収納するスペースがあります。
箱の素材や設計は年代によって異なりますが、新しくなるにつれ機能性が向上しています。
国際保証書 (ギャランティー)
ロレックスの付属品の中で最も重要な「保証書」です。
現行の箱や説明書は流通量が多く比較的容易に手に入れることができますが、保証書は替えが効きません。
また、ロレックスの保証書は再発行を行っていないので注意が必要です。
現行の保証書はカードタイプですが、過去には紙タイプの保証書もありました。
カードケース
保証書を収納するケースです。グリーンのレザー素材で作られており、見た目も質感も高級感があります。こちらも年代によってデザインが大きく異なります。
取扱説明書、冊子類
日本の正規店で購入した場合は日本語の取扱説明書が備えられていますが、並行輸入品の場合は現地の言語に沿った取扱説明書となります。
また、取扱説明書とは別に小冊子がついてくるものもあります。デイトナであればクロノグラフの操作方法、GMTマスターであればGMT機能の操作方法、その他保証に関する規約等が書かれています。
タグ
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/rolex-watchmaking/movements.html
ロレックスの付属品の特徴として、グリーンのタグが挙げられます。
これはムーブメントがスイス公認クロノメーターによる公式認定を受けており、さらにロレックスが自社内で行う一連の最終検査を通過したことを証明しています。
このグリーンタグも製造年代により形状が異なり、年式の古いモデルでは緑ではなく赤いタグが付属しています。
【年代別】歴代ロレックスの箱
ロレックスの箱は2000年頃を区切りに、デザインが統一されました。
2000年以前はモデルによって箱が異なったり、特殊なデザインの箱が採用されています。
2016年~現在
先ほどご説明した通り、現在のロレックスの外箱、内箱はシンプル×高級感を重視したデザインとなっています。
箱だけでなく、保証書や冊子類も洗練されたデザインとなり、全体的に統一感のある仕上がりです。
内箱上部の冊子類を収納するポケットが開閉式になっているため、冊子類の保管が容易になりました。
現行の箱は S、M、L、XLの3サイズが展開されており、モデルによって付属する箱が異なります。(Sサイズは既に製造終了)
Sサイズ (横16.2 × 奥行12.4 × 高さ8.5):ステンレスモデル専用として2018年10月頃まで流通
Mサイズ (横18.7 × 奥行13.6 × 高さ8.5):ステンレスモデル、コンビモデルに用いられる
Lサイズ (横21.3 × 奥行16.0 × 高さ9.4):ホワイトゴールド、イエローゴールドなど、ゴールド系に用いられる
XLサイズ (横29.0 × 奥行21 .0× 高さ9.5):プラチナ素材のモデルやデイデイトに用いられる
XLサイズの箱
特に最上級モデルの箱として用いられるXLサイズは横29cmと非常に大きな内箱・外箱となっており、抜群の存在感を誇ります。
他のサイズよりも価値が高いため、買取に出す際に欠品していると数万円査定額が下がることもあります。
2005年頃~2015年頃
2005年頃~2015年頃に付属していた旧式の外箱・内箱です。
外箱は薄いグリーンで、中心に大きく王冠マークが描かれています。
内箱は外側が深みのあるグリーンカラー、内側が明るい黄緑色のデザインとなっており、箱の上部に冊子類を収納するポケットが付いています。
ただ、現行品とは異なり、ポケット部分が開閉しないので、冊子が入れづらいというのが難点です。
こちらもサイズ違いで4つの箱が存在しており、モデルによって付属する箱が異なります。
2000年頃~2005年頃
2世代前の外箱・内箱は近年のデザインとは大きく異なります。
外箱は緑色のコケと岩肌がモチーフとなっております。
内側はウッド調の作りとなっており、全体的にナチュラルな雰囲気を与えます。
左:Cリング型 右:まくら型
なお、この年代の内箱は「Cリング型」と「まくら型」の2タイプが存在し、それぞれ時計をセットするクッションが異なります。
※年式の新しいモデルには「まくら型」が付属しております。
2000年以前の箱
ロレックスの箱は年式が古いほどバリエーションが増えます。
特定のモデルにしか付属しない箱もあり、中には箱自体にプレミアがつけられているモノもあります。
クレーター柄
クレーター柄の箱は1980年頃から出回ったロレックスの箱で、2000年以前の箱としては最も定番と言えます。
サブマリーナ、GMTマスター、デイトナなどメンズロレックスを中心にこちらが付属しました。モデルによって色味に差があるのがポイントです。
パール柄
メンズモデル用のクレーター柄に対して、レディースモデルの箱として付属したパール柄。
こちらも5桁リファレンスのオイスターパーペチュアルやデイトジャストを中心に、幅広く用いられました。
かなりメジャーな箱なので、お持ちの方も多いのではないでしょうか?
世界地図とコンパス柄
世界地図とコンパス柄。こちらは内箱の外側が革素材です。主にデイデイトやデイトジャストといったドレスウォッチに付属しました。
コンピューター柄
近未来を感じさせるレトロフューチャーな外箱が魅力的なコンピューター柄。
メンズロレックスの一部モデルに付属しており、有名どころとしては「GMTマスター 16758 」などに採用されました。
ゴールド素材を使ったハイエンドモデルに使われていますが、あまり製造数は多くありません。
クリスタル鉱石柄
年式の古いドレスウォッチでしばしば見られる箱です。クリスタルをモチーフとした鉱石柄で、レディースモデルに付属しました。
タツノオトシゴ柄
オイスターパーペチュアルデイトやデイトジャストの一部モデルなど、レディース用モデルを中心に付属したタツノオトシゴ柄。
「サブマリーナ デイト 1680 赤サブ」や「デイトナ 6263 ポールニューマン」といったレアモデルにも用いられ、マニアの中で高い評価を得ている箱でもあります。
花柄刺繍化粧箱
ロレックスの箱の中でも特に希少価値が高い花柄刺繍化粧箱。
表面には花柄刺繍が施されており、レトロな雰囲気を感じさせます。
その上品で格式高いデザイン通り、レディースデイトジャストなどに付属しました。
金無垢モデルやダイヤモデル用に製造されていたため、流通量が少なく非常にレアです。
海藻柄
デイトジャストの4桁リファレンスなどに採用された非常に珍しい箱。イエローゴールド素材にピッタリな赤一色の内箱が高級感を演出します。
外箱は海藻をモチーフとした独特なデザインとなっており、こちらもアンティークモデルでなければ出会えません。
砂浜&貝殻柄
砂浜と貝殻がオイスターを連想させる、アンティークロレックスに見受けられるレアな箱です。
4桁リファレンスのデイトジャストなどに付属し、今となっては非常に貴重なデザインとなりました。
ステンレススティール素材のモデルにも使われていたことから、高級モデル専用の箱というわけではないようです。
ベンヴェヌート チェッリーニ柄(チェリーニ用)
パッケージに書かれている通り、チェリーニ用に作られた箱です。
外箱はイタリア、ルネッサンス期の有名な金細工士「ベンヴェヌート チェッリーニ」の顔。内箱には革張りの高級箱が採用されており、格調高い印象を与えます。
1970年代に製造されたチェリーニに付属していることが多いです。
グリーンの帯柄
1960年台後半〜1970年台にかけて流通したモデルの中には、グリーンの帯が描かれたシンプルな外箱があります。デイトジャストを中心に幅広いモデルに用いられました。
カメレオン専用箱
今なお人気を博しているアンティークロレックス「カメレオン」専用に作られた箱です。
ベルトが複数収納できるようになっており、ケースのカラーも複数存在します。
カメレオン自体が古いモデルなので、状態の良いケースが少なく、箱自体の価値も高まっています。
長方形箱(オイスターデイト プレシジョンなど)
年式の古いロレックス オイスターデイト プレシジョンなどに付属した長方形の箱。ごく一部のレディースモデルに採用されました。
アンティークモデルが殆どであることから、状態の良い箱を見つけることは困難です。
カメレオン専用BOXに似ていますが、クッションの形が異なります。
まとめ
この記事ではロレックスの歴代の箱を紹介致しました。
皆さまがお持ちの箱はありましたか?
今回紹介した箱は無数に存在する箱の一部であり、このほかにもたくさんの種類が存在します。
年式の古いモデルほど箱のデザインが豊富なので、ヴィンテージロレックスをお探しの方は、ぜひ箱のデザインもチェックしてみてください。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年