「ロレックス チェリーニって何がすごいの?」
「ロレックス チェリーニの魅力について知りたい」
ロレックスの名は知っているけど、チェリーニってモデルは知らない。
割とそういう人は多いです。
イタリア・ルネッサンス期の有名な金細工士「ベンベヌート・チェリーニ」の華麗な作風にインスピレーションを得て作られた「チェリーニ・コレクション」はタフな機械式時計のイメージが強いロレックスの中で、完全なるドレスウォッチとして製作された珍しいモデルです。
ロレックスの特徴であるオイスターケースとパーペチュアルを備えていない為、ロレックスらしくないロレックスともいえるでしょう。
そんなロレックス チェリーニの魅力について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
チェリーニはエレガンスなスタイルを守り続けてきた究極のドレスウォッチです。
この記事ではロレックス チェリーニの魅力について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
人気モデルの紹介もしますので、ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
ロレックス チェリーニとは
チェリーニはルネッサンス期に活躍したイタリアの彫金師「ベンベヌト・チェリーニ」に敬意を表し製作されたコレクションです。『クラシシズムと不変のエレガンス』をテーマとして製作されたチェリーニは、時代を超えて愛されるドレスウォッチとして1928年に誕生しました。
記念すべきチェリーニの一本目となったのは「チェリーニプリンス」。当時のロレックスとしては余りにも斬新なレクタンギュラー型モデルとしての発表となりました。
ロレックス チェリーニ プリンス Ref.5442/5 初期プリンス復刻モデル
プリンスではロレックスの象徴ともいえる存在である”オイスターケース”を採用せず、18kゴールド素材を採用。あくまでもドレスウォッチとして美しさに趣をおきました。また、ブランド初のシースルーバック仕様の採用など、実用性を重視した当時のロレックスでは考えられない試みが多数施されたこともチェリーニならではのポイントです。
異色のコレクションとして発売されたチェリーニは、プリンスシリーズを中心に数々のモデルを世に放ちます。1928年から今まで、チェリーニではプラチナや金無垢素材が使われた「チェリニウム」や可動式ラグが特徴的な「チェステロ」、更に「チェリッシマ」「オーキッド」といった派生モデルが販売され、チェリーニのテーマでもある『時代を超えて愛されるドレスウォッチ』としての役目を果たしてきました。
チェリーニはデイトナ・サブマリーナといった現代ロレックスがもつ「高い実用性」や「カッコよさ」は持ち合わせていませんが、逆に洗練された美しさや高貴さではチェリーニに勝るロレックス時計は存在しないでしょう。
・オイスターケースではなく、ゴールドやプラチナがケース素材に採用された
・様々なケース形状のモデルが発売された
・手巻き式ムーブメントが採用されているモデルが多い
・レザーストラップが採用されている
・エレガントなドレスウォッチであることが基本
製造終了モデルにこそ魅力がある
数多くのモデルを輩出してきたチェリーニですが、現在は「タイム」「デイト」「デュアルタイム」の3つのモデルのみが現行で残っており、残りのモデルは残念ながら製造終了してしまいました。
現行モデルは全てホワイトゴールドもしくはエバーローズゴールドが使用されたラウンドケースとなっており、過去のチェリーニより更にラグジュアリーな時計となっていますが、個性の幅は製造終了モデルよりも狭くなった印象を受けます。
もちろん現行モデルはとても美しくエレガントな仕上がりで、どれも素晴らしい仕上がりです。しかし、チェリーニには1928年から現在まで培ってきた歴史と伝統があるため、製造終了してしまったモデルにも不変のエレガンスが存在します。
チェリーニ Ref.4082/8 / チェリーニ Ref.3800
チェリニウム Ref.5241/6 / チェリーニ Ref.3904
製造終了モデルは全て発売された時代によってケース形状やデザインが異なり、それぞれに独自の魅力があります。そのため、アンティークウォッチとして高い人気を持っていることもチェリーニの魅力です。
そもそもチェリーニを付けている時点で他の人と時計が被ることは殆どありませんが、製造終了モデルを付けることで更に個性を表現することもチェリーニの楽しみ方の一つではないでしょうか。
現行のチェリーニについて
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/cellini/m50515-0008/magazine.html
エバーローズゴールド
現行のチェリーニレックスに採用されているケース素材はホワイトゴールドとエバーローズゴールド素材ですが、特に人気が高いのはロレックスが独自に開発したエバーローズゴールド素材です。
この素材はゴールドの美しさを長く維持するために開発された「18 ct ピンクゴールド合金」であり、2005年の発表以降すべてのピンクゴールド製モデルで使用されています。
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/cellini/m50515-0008/magazine.html
美しいギョ―シェダイヤル
チェリーニデイトは美しいギョーシェが施された文字盤が最大の特徴となっています。放射線状に描かれたギョ―シェ彫りはまさに時代を超えて愛されるエレガントな伝統的な装飾です。
また、アワーマーカーとクラウンマークは18ctゴールドで作られており、高貴な存在感を放ちます。
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/cellini/m50515-0008.html
レザーストラップの採用
ロレックスのベルトは基本的にジュビリーブレスやオイスターブレスといった金属ブレスレットが採用されています。しかし、エレガントなドレスウォッチとして開発されたチェリーニに取り付けられているのはレザーストラップです。
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/cellini/m50515-0008.html
チェリーニに採用されているレザーストラップは全て高級アリゲーターが採用されており、ホワイトゴールドやエバーローズゴールドで仕上げられたケースの美しさを更に引き立てます。
また、現行モデルにはケースと同じ素材のフォールディングクラウンクラスプが採用されており、高貴さは勿論のこと装着感の良さも素晴らしい仕上がりです。
エレガントなケース仕上げ
現行チェリーニのケースサイズは全て39mm。これはラウンドモデルの伝統となっています。ケース全体にはポリッシュ仕上げが施され、ラグジュアリーな印象を放ちます。
そして、ケースの一番の特徴はダブルベゼル仕様です。
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/cellini/m50535-0002.html
上の写真の様にベゼルが2重になっているのがポイント。内側はドームベゼル、外側はフルーテッドベゼル(ギザギザ)となっており、煌びやかな美しさを表現しています。
チェリーニのモデルを一部紹介
チェリーニには数多くのコレクションが存在し、それぞれ異なる特徴をもっています。どのモデルを選んでもチェリーニならではの美しさは間違いなく味わえるでしょう。
ロレックス チェリーニ デイト Ref.50515
ケースやインデックスにはロレックスが開発特許を持つエバーローズゴールドが使用されている非常にエレガントなモデルです。ダイヤルにはギョーシェ彫り、ベゼルにはコインエッジ装飾が施されており、これまでにないロレックスの魅力を感じることができます。
ロレックス チェリーニ タイム Ref.50509
漆黒に煌めくブラックダイヤルがスタイリッシュな印象を与える逸品。12・3・6・9時のインデックスが細長いローマ数字になっており、モダンで知的な雰囲気も持ち合わせます。ケースはホワイトゴールドが採用されており、ベゼルにはコインエッジ装飾が施されていることも特徴。サイズも直径 39.0mmと非常に使いやすいサイズです。
ロレックス チェリーニ Ref.5115/9
完全なるドレスウォッチとして製作された珍しいモデルです。派手さが無いシンプルな外観のため、どこに着けていってもいやらしさを感じさせない上品な雰囲気があります。ムーブメントはロレックスの時計では大変珍しい「手巻き式」です。
アンティークのレディース チェリーニも2本ご紹介いたします。
ロレックス チェリーニ Ref.4170
八角形のケースがゴージャスな印象を与えるヴィンテージチェリーニ。販売数が少なく希少モデルとなっています。ホワイトのダイアルがケースのゴールドと相まって秀逸なデザインです。
ロレックス チェリーニ Ref.4081/8 ブラウングラデーション
ロレックス チェリーニ Ref.4081/8 ブラウングラデーション
ブラウングラデーションと呼ばれる独特な文字盤を持つ”4081/8″はレディースロレックスとして人気のあるモデルです。18kイエローゴールドで作られたオーバルケースは存在感タップリ。男性用から女性用まで、幅広くラインナップが展開されていることもチェリーニの魅力だと思います。
まとめ
1928年に誕生し、どの時代においても「不変のエレガンス」を守り続けてきたチェリーニ。
現行のチェリーニでは素材や仕上げの美しさによって究極の美が表現され、生産終了モデルでは幅広い個性をもつチェリーニの魅力を楽しむことができます。
人と被らないロレックスとしても密かに人気を集めるチェリーニ。是非、あなたの相棒として選ばれてはいかがでしょうか。
当記事の監修者
田所 孝允(たどころ たかまさ)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 営業物流部長/p>
1979年生まれ 神奈川県出身
ヒコみづのジュエリーカレッジ ウォッチメーカーコース卒業後、かねてより興味のあったアンティークウォッチの世界へ進む。 接客販売や広報などを経験した後に店長を務める。GINZA RASIN入社後は仕入れ・買取・商品管理などの業務に従事する。 未だにアンティークウォッチの査定が来るとついついときめいてしまうのは、アンティーク好きの性分か。
時計業界歴18年。
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