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ロレックスが安い今。愛好家も投資家も買っておきたいモデルTOP10
最終更新日:
「ロレックスって買い時なの?」
「資産価値の高いロレックスが知りたい」
ここ数年、上がる一方であったロレックス相場が、2022年5月末ごろから一転下落傾向にあります。
その要因は、いくつか言われています。
新作発表(3月末~)がひと段落し、相場の熱狂がじょじょに落ち着いてきた、という季節的要因。
コロナ禍で減産していた時計メーカーの、供給正常化。
これまで高級時計市場を牽引してきた、中国経済の停滞や消費者の買い控え・・・等々が、背景として挙げられるでしょう。
とは言え、ロレックスの人気モデルは、まだまだ定価を大きく上回るプレミア価格。
また、業界のバイヤーの中には「下げ止まった」といった声も少なくなく。
今後ボーナス時期を迎えたり、翌年の新作発表が近づいたりすれば、また相場がジワジワと上昇していく・・・こんなシナリオ、容易に想像つくことでしょう。
過去、何度かロレックス相場が下落した折も、「ようやく安くなってきた」といった安堵感は長く続かず。
すぐに相場回復―それどころか、下落前の価格を上回るレコードを樹立―してきたことを鑑みれば、現在のロレックス相場の落ち着きも一過性のものである可能性は否めません。
そんな中、資産価値の高いロレックスが知りたいという人は多いのではないでしょうか。
一時の「超」高騰で、なかなか欲しいモデルに手を出しづらかったという方にとって、大きな買い時を迎えていると言えますよね。
この記事では今後価格高騰するかもしれない、今買っておくべきロレックスについてGINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
既に生産終了したロレックスの紹介もしますので、ロレックスの投資をお考えの方はぜひ参考にしてください。
※掲載する情報は2022年8月現在のものとなります。
※ロレックスの今後の価格動向や新作動向をお約束するものではありません。参考程度にお読みください。
目次
今買っておきたいロレックス10位 エアキング 116900
エアキング 116900
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3131
パワーリザーブ:約48時間
防水性:100m
定価:793,100円(生産終了)
第10位としてまずご紹介するのは、エアキング 116900です!
「いきなり地味な選出」と思うなかれ。
確かにエアキングは、現在デイトナやGMTマスターIIほどの花形ではなく、品薄続きで「正規店での購入はほぼ不可能」と呼ばれるスポーツロレックスの中でも、稀に出会える・・・大きく価格高騰はしない・・・そんな立ち位置のモデルであったかもしれません。
しかしながらエアキングそのものにフォーカスしてみると、決して不人気モデルとか地味だとか、そんなことはありません。
エアキングの歴史は1940年代から始まりました。
初代エアキングとして生まれたRef.4925は文字盤に「Air-King」とプリントされており、これがそのままエアキングのペットネーム(愛称)となります。そしてこのエアキングこそが、現行ロレックスの中で最も古いペットネームを持つモデルとなりました。
もっともエアキングは、エクスプローラーIやサブマリーナなどと異なりデザインコードを必ずしも初代から踏襲しません。
例えばRef.4925の次世代に当たる5500、三代目の14000と四代目の14000M、2007年に登場した114200、そして現行の116900いずれもかなり雰囲気が変わります。
114200までは「オイスターパーペチュアルの中の一モデル」といった位置づけであったためでしょう。
左:14000M / 右:114200
「価格面」「投機的側面」だけを語るならば、オイスターパーペチュアルはデイトナやGMTマスターなどと比べると地味になってしまいます。
もともとがオイスターパーペチュアルの廉価版としてリリースされた経緯があるため、あまりプレミア感がないこと、加えて比較的量産されていることが要因でしょう。
しかしながらエアキングは2016年、大きなリニューアルを果たしたことで、ロレックスのプロフェッショナルモデル(スポーツモデル)としてラインナップされることとなります。
それが、本項でご紹介している116900です。
文字盤がかなりユニークですよね。
黒文字盤をベースに12・3・6・9時以外の二桁のアラビアインデックスがスタイリッシュに並び、さらに秒針にはロレックスのコーポレートカラーである緑がカラーリング、王冠マークも黄色に彩られています。
出典:https://www.rolex.com/ja
これは、ロレックスが「ブラッドハウンドSSC」という航空ジェットエンジン搭載の超音速スポーツカーのスポンサードを記念してエアキングを生み出した、という経緯があり、同機体に搭載されているクロノグラフ計器をエアキングの文字盤に落とし込んでいるのです。
こういった「オリジナルとデザインコードを同一にしない」「定番外しなデザイン」といった要素は投資目的では買われづらく、前述の通り地味な印象を持ってしまいがち。
一方でエアキングの持つ「最古のペットネーム」「他のロレックスとは一風変わったデザイン」「それでいて手に入れやすいお値段」は確実な支持を集めており、根強い人気と価値を誇ります。
さらに、ここからが本題なのですが、エアキングそのものの人気に加えて、「生産終了」が当モデルの相場動向を大きく変化させることとなりました。
ロレックスは「生産終了したモデルの価格が上がる」と言われ続けています。
廃盤によって稀少性が高まったり人気が再燃したりすることが要因なのですが、最近では「生産終了=価格高騰」の図式だけが一人歩きしてしまっている状態。その年の新作発表前後は生産終了するかもしれないモデルに買いが集中し、実際に生産終了するにせよしないにせよ、実勢相場が上昇します。
そして近年、ロレックスは新型ムーブメント搭載を契機としたモデルチェンジを積極的に行っています。そのためまだ新型ムーブメントを搭載していないモデルの、「どれが次に生産終了品になるか?」などといった噂が新作発表前夜にはけんけんがくがくされるものでした。しかしながら最近では、この噂によって「モデルチェンジされるであろう個体」の青田買いが発生し、新作発表前後で大きく値動きする、といった情勢が描かれてきたのです。
エアキングもまた、そんな生産終了が噂されるコレクションの一つでした。
そして2022年、実際に新型エアキング 126900がローンチされました。
案の定、エアキング 116900は新作発表前後で高騰。
長年70万円台~を実勢相場としてきた116900ですが、2021年頃から90万円をチラホラと記録し始め、2022年3月には一時期150万円台の実勢相場へと上り詰めました。
現在は中古価格110万円台~120万円程度に落ち着きつつあるものの、長年100万円の大台にはおいそれとは乗らなかったエアキング。なかなかの高騰っぷりが伺えることでしょう。
とは言え、今後は生産終了によって供給ストップすることから、流通量がジワジワと減っていくことは必至。
本当に欲しい方。価格高騰に期待している方。エアキングの買い時は、早ければ早いほど良し、ということをお伝えしたいと思います。
なお、エアキング自体が歴史的にも実用的にも魅力的ですので(実際、シンプルゆえにエクスプローラーIのような使い勝手の良さがある)、手放せなくなってしまう、といった可能性もご留意くださいね。
今買っておきたいロレックス9位 ミルガウス 116400GV
ミルガウス 116400GV
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3131
パワーリザーブ:約48時間
防水性:100m
定価:1,014,200円
ミルガウスもまたエアキングのように「価格面」「投機的な側面」で見れば、地味と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら価格高騰が期待できる。その理由もまた、エアキングと重なる面があります。
と言うのも、ミルガウスは2019年頃から、生産終了が囁かれていたモデルの一つでした。
そもそもミルガウスはどのような時計かと言うと、超耐磁性能時計とも言いましょうか。
ミルは仏語で1,000を意味し、1,000ガウスの磁気環境下に耐えうる、というコンセプトのもと1956年に生まれました。
今でこそスマートフォンやパソコンなど、磁気を放つ家電が密着している時代。「時計の不具合はまず磁気帯びを疑え」と言う識者もいるほど、腕時計にとって磁気は大敵で、耐磁性能を高めた製品が出回るようになりました。
しかしながら1950年代はまだ磁気という概念が一般に広まっておらず、医師やエンジニアなど職業人をターゲットに製造されており、一般市場で人気を博すことはありませんでした。
そのため1987年に一時生産中止となり、ロレックスのカタログから姿を消します。
ちなみに耐磁時計でこういった運命をたどったのは何もロレックスだけでなく、IWCやグランドセイコーなども時代は違えど同様の憂き目に合っています(もっとも、そもそも一般市場に向けずに作られた耐磁時計も少なくありませんでしたが)。
その後、2007年に復活。
この頃は既に様々なブランドから高耐磁時計がリリースされていた背景もあったのでしょう。ここで誕生したRef.116400GVは、長年レギュラー陣としてロレックスカタログに掲載されていくこととなりました(Zブルー文字盤は2014年~)。
出典:https://www.rolex.com/ja
一方でエアキング同様に、デイトナ・GMTマスターIIなどの花形と比べると「価格面」「投機的側面」では地味。
ここ数年はロレックスの全体的な相場上昇の波に乗って定価を超えの実勢相場を記録していたものの、それは若干であり、投機目的でご購入される方は少なかったでしょう。
しかしながらこのミルガウス 116900GVもまた、生産終了の噂が囁かれており、今ジワジワと相場を上昇させています。
もともとミルガウスの生産終了が言われていたのは、2019年のバーゼルワールド前夜でした。
ロレックスがホームページやSNSでミルガウスの初代モデルを頻繁に露出するようになり、リバイバルモデルが出るのでは、期待に胸が高まりました。
初代ミルガウス(画像出典:https://www.rolex.com/ja/watches/milgauss/m116400gv-0001/magazine.html)
実際、この初代ミルガウス、なかなかどうしてカッコいい代物。現在は1950年代~1960年代当時のモデルの復刻が流行しているので、その一環なのでは、とも思われていました。
実際にバーゼルワールド2019でミルガウスの新作が出ることはなかったのですが、2022年の今、次こそいよいよ「新作」として出るのではないか・・・そう思える理由は、ムーブメントの存在にもあります。
現行ミルガウス 116400GVに搭載されているムーブメントはミルガウス専用の耐磁キャリバー3131となります。
一方でロレックスは新型ムーブメントの開発に近年非常に力を入れており、これまでの3100番台キャリバーから3200番台へと移行しています。
3針モデルではまだ3100番台が使用され続けているのですが、ここにそろそろメスが入るのではないか、と・・・
ちなみに、前項でご紹介したエアキング。116900はミルガウスと同じく専用耐磁キャリバー3131が用いられていたのですが、2022年のモデルチェンジでエクスプローラーIやサブマリーナー ノンデイトなどと同一のCal.3230へと載せ替えられ、専用機ではなくなりました。
新型キャリバー3200系はブルーパラクロムヒゲゼンマイといった耐磁素材を用いているため、住み分けがなされなくなったのかもしれません。
そうなってくると、ミルガウスの行く末やいかに・・・!?
こんな背景もあってかミルガウスもジワジワ相場を上げてはいますが、ド派手な上昇率というわけではありません。既に13年に渡って製造されているため、流通量が比較的豊富なこともその一因でしょう。
一時期ブラック文字盤は160万円台、Zブルー文字盤は200万円超などといった値付けがなされたこともありますが、現在ではじょじょに落ち着きを取り戻しつつあります。
しかしながら、もし初代ミルガウスがリバイバルされることとなると、現行116400GVの最大の特徴であったグリーンサファイアクリスタルガラスやZブルー文字盤などは、完全に市場から姿を消すこととなるでしょう。また「耐磁専用」といったアイデンティティが、どのように実現されるのかも気になるところ(エアキングでは耐磁専用ムーブメントではなくなったため)。
かなり大幅なデザインチェンジが見込まれるとすれば、現行116400GVへの注目度がいっそう高まることは想像に難くありません。
今買っておきたいロレックス8位 シードゥエラー ディープシー 116660 D-BLUE文字盤または黒文字盤のマーク1
ディープシー 116660
ケースサイズ:直径44mm
素材:ステンレススティール
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3135
パワーリザーブ:約48時間
防水性:3900m
定価:1,274,400円(~2017年)
次にご紹介するのは、ロレックスきってのハイスぺモデル「ディープシー」です!
1967年にサブマリーナの上級モデルとして誕生したシードゥエラー。そのシードゥエラーのさらにハイエンドとして生み出されたのがこちらのディープシー Ref.116660です。2008年のことでした。
3900mもの防水性を実現する直径44mm×厚み18.1mm×重量200g弱のダイナミックなケースが何よりの特徴で、オイスターブレスレットもその分肉厚。
そんな圧倒されるようなスペックとボリュームは「着ける人を選ぶ」と言われていた時期もありましたが、デカ厚ブームやダイバーズウォッチブームも手伝ってか、実際にはロレックスの人気モデルとして君臨するようになりました。
そしてディープシーは、2018年にRef.126660へとモデルチェンジを果たします。
これは前述した3100番台キャリバーから3200番台への移行の一環で、2018年新作ディープシーでは新世代ムーブメントCal.3235が搭載されることとなりました。
この新世代ムーブメントがどういうものか簡単に説明すると、特許を新規取得した「クロナジーエスケープメント」なる脱進機を搭載することでパーツ軽量化を行う等の改良が加えられ、約70時間ものロングパワーリザーブを実現した機械となります。
3100番台が約48時間のパワーリザーブであったことを鑑みれば、かなりの延長となることがわかりますね。
ちなみに前年にシードゥエラーでも同様のCal.3235搭載機にモデルチェンジが果たされております(さらに2022年には、大きな変化のないモデルチェンジで話題に)。
※新型ディープシー 126660
こういった背景から、生産終了することとなった116660がにわかに相場上昇したかと言うと、そうではありません。
と言うのも、機械的な性能面では大幅にチューンアップされることとなったものの、デザイン面は大きく変わらず(むしろほぼ同一)、スペックの高い新作ディープシー 126660の方に需要が流れる傾向にありました。
現在、中古の116660は黒文字盤が110万円台~、D-BLUE文字盤が140万円台~となり、相場的には本当に落ち着いている状況です。
でも、今後価格高騰が期待できる個体がいくつかあります。
それはD-BLUE文字盤と黒文字盤の「マークI」と呼ばれる仕様です。
D-BLUE文字盤は、2014年に追加され、今では黒文字盤を凌ぐ人気カラーとなっています。
こういったもともとの人気に加えて、2018年に新作ディープシーが出たことで116660のD-BLUE文字盤は実質わずか4年の製造ということになり、今後稀少性が高まるのではないか、と言うバイヤーがおります。
一方の黒文字盤 マークIがどういうものかと言うと、発売開始した2008年から約1年のみ製造された仕様です。
※『マーク1 ダイヤル』
文字盤の12時インデックスのすぐ下にプリントされた王冠マークの突起部分が、現行の王冠マークより長さに差があるのです。
D-BLUE文字盤もこの黒文字盤のマークIも、現在目立って相場上昇させているかと言うとそうではありません。
ただ、ロレックスは細かな違いによって体系化され、希少種にはきわめて高い評価が与えられてきた歴史を持ちます。
そのため、今後の価格高騰に期待する「大穴」として、ディープシー 116660を第8位にご紹介させて頂きました。
今買っておきたいロレックス7位 既に生産終了したロレックス(特に116520,16520,16750など)
第7位は、ややざっくりした分類になりますが、既に生産終了したロレックスをチョイスさせて頂きます。
もちろんロレックスは長い歴史を持つゆえに、全ての生産終了したロレックスが相場上昇しているとか、今後価格高騰するとか、そういったことはありません。
ただ、ここ数年、スポーツロレックスを中心に相場が上昇し続けてきた中で、生産終了品もまた過去類を見ないような高騰を果たしました。
とりわけデイトナの前世代の116520、そのさらに先代に当たる16520、そしてGMTマスター 16750、GMTマスターII 16710などが挙げられます。
こういった高騰モデルは、相場が落ち着いてきた今こそ狙い目!
なぜなら、今後再びロレックス相場が盛り返した時、連動して価格高騰する可能性が高いためです。
その理由は二つです。
一つは、もともと生産終了品として注目を浴びており、それが一過性のものではない、ということ。ぽっと出の人気モデルではなく、特にここ5年ほどで非常に需要が集中しており、今後もその需要を堅持していくことが予想されます。
二つ目の理由は、生産終了品は、年々状態の良い個体が少なくなっている、ということです。当然と言えば当然なのですが、時計および付属品のコンディションは売却時に重要視されがちです。
ただ、今ならかつてより手に入りやすい価格帯の中に、良好なコンディションが並んでいます。GMTマスターIIの先代116710系やデイトナ116520の最終品番など、まだ生産終了から日が経っていないモデルは良質な個体がまだ多く出回っている、というのもあるでしょう。
一例を挙げるとすれば、デイトナ 116520。
デイトナ 116520
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.4130
パワーリザーブ:約72時間
防水性:100m
定価:1,242,000円(~2016年)
2000年~2016年までに製造されていた息の長いモデルで、まだロレックス相場が今ほど高騰するより以前から定価超えを果たす、最強人気機種としても語られています。
とりわけ最終品番にあたるランダムシリアル(2010年頃~)が需要集中しており、クロマライト夜光(2013年頃~)、新しいギャランティ(2014年頃~)、新しいクラスプ(2015年頃~)仕様が三拍子そろった個体はガツンと値上がり。
中古であるにもかかわらず、2021年~2022年上半期頃までは400万円前後が当たり前といった相場感でした。
でも、特に最終品番などのこだわりがなければ、今なら300万円台で購入できる個体もあります(高年式の個体や未使用品は、どうしても高相場ですが)。
もちろん定価を鑑みればまだ高価ではありますが、前述の通り、新型コロナウイルスが収束し再びロレックス相場全体が上昇すれば、さらに値上がりすることが考えられます。
また、状態の良い個体も年々減っていきますので、投機は抜きにしても、本当に欲しい方はぜひ今チェックしてみてくださいね。
今買っておきたいロレックス6位 サブマリーナー 116613LB/116613LN
サブマリーナー 116613LB/116613LN
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール×イエローゴールド
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3135
パワーリザーブ:約48時間
防水性:300m
定価:1,487,200円(生産終了)
第6位は、ロレックスの定番中の定番、サブマリーナです!
「価格が高騰するロレックス」のメインはステンレススティール製に偏りがちですが、こちらは華やかなイエローゴールドとのコンビネーションモデル。
サブマリーナのコンビモデル自体は1980年からリリースされますが、116613系が誕生したのは2009年であり、コンビサブマリーナの第三世代に当たります。
誕生以来、ワンランク上のロレックスが欲しい。そんな40代・50代~の男性陣から根強い人気を誇ってきました。
製造期間が10年以上に及ぶにもかかわらず製造本数自体が決して多くはないので、需要はSSモデルほどではないものの、値崩れしづらいメリットもあります。
そのため高値安定を維持してきたのですが、実は2020年明けてすぐくらいから、にわかに相場が急騰したのです。そう、こちらも「生産終了」の噂が、大きく影響したものです。
実は116613系の生産終了の噂は、バーゼルワールド2019前夜が最も盛んでした。
前述の通り、コンビモデルは大きく相場上昇はせず、数年前までは100万円前後かそれ以下。ここ最近のロレックス相場上昇の煽りを受けていても、116613系は長らく「定価よりやや高い」150万円~160万円台を行き来していました。
しかしながら2020年に入ると一気に170万円台に!
これは、ステンレススティール製サブマリーナ116610系よりも激しい上昇率となります。
2020年9月、実際にサブマリーナー系統のモデルが新型へ移行すると、116613系も高騰。
現在、116613LB・116613LNともに、中古であっても実勢相場が200万円を切ることはなかなかないと言える状況です。
かつて100万円以下で販売されていたこともあったサブマリーナのコンビモデル116613系が、若干下がり傾向にあるとは言え、かなり高値をキープしていることは事実です。
なお、サブマリーナはSSにせよコンビモデルにせよ、多くの時計店が絶対に在庫を切らせない製品でもあります。そのため再販しやすいというメリットもありますので、まだ手に入りやすく、今買っておきたいモデルの一つと言えるでしょう。
今買っておきたいロレックス5位 サブマリーナー 116610LN
サブマリーナー 116610LN
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3135
パワーリザーブ:約48時間
防水性:300m
定価:943,800円(生産終了)
第6位と同様にサブマリーナですが、こちらは定番のステンレススティールモデルです!
サブマリーナは投資・投機を抜きにしても、一度は手にしておきたいモデルの一つ。実際、今ロレックス相場がかつてよりも落ち着いているので、この機会にご購入しようと思う方は少なくないでしょう。
そのため常に人気の的で、常時品薄。
デイトナやGMTマスターIIほど相場上昇していない、とも言われていますが、実際はここ数年の新品並行相場は、いつも定価超えといった状態です。並行輸入店では在庫を必ず確保してはいますが、非常に回転の早いモデルですので入荷してもすぐに売り切れてしまいます。
むしろ、現行サブマリーナは2010年誕生と製造期間10年間。それだけロングセラーで流通量も少なくないのに、ずっと定価超えの高値を記録し続けるというのは、並大抵の人気では成しえないことです。
前項の116613系と被りますが、ステンレススティール製サブマリーナもまた生産終了が噂されてきました。
116610系は2020年に10周年で、かつサブマリーナ自体が10年ごとにモデルチェンジしているので、2020年あたりが怪しい、と思うのは安パイと言うものでしょう。
実際に2020年、サブマリーナー系統がモデルチェンジしたことは、前述の通りです。
もともと価格高騰が顕著であったグリーンサブ 116610LVなどは、一時期300万円を切ることがないほど、急騰を果たしました。現在でも、低年式の個体でようやく300万円前後の相場感になった、といった状況です。
一方でねらい目なのが、黒サブなどと親しまれる、定番の116610LN。116610LNはグリーンサブ 116610LVよりも、比較的お手頃価格となっております。
116610LNの方は新作発表後に190万円台の実勢相場を記録するものの、現在では170万円台~。もちろんまだ高値ですが、一時期「200万円を超えるのでは?」などと叫ばれていた頃と比べると、高値安定といった様相です。
グリーンサブの方は新型126610LVで文字盤が黒に変更され、「ハルク」から「カーミット」と呼ばれた16610LVのようなデザインコードに相成りました。126610LNは、ケース直径が1mm大きくなったものの、116610LNと大きくデザインコードを変えなかったことも、高値安定の要因として考えられます。
なお、黒文字盤の116610LNが116610LVよりも人気がないとか、そういった事実はありません。
実はここ一年で、116610LNへのお問い合わせが非常に増えています。
これまでも人気モデルでしたが、さらにその人気に拍車がかかったような体感です。
これは当店の販売スタッフの一意見なのですが、黒サブマリーナと外観が似ていたGMTマスターII 116710LNがバーゼルワールド2019で完全に廃盤となり、やや値段が上がっていることから、黒サブの方に購入者が流れてきたのではないか、と。
いずれにせよ、サブマリーナが新作発表後、ようやく手に入れやすく・安くなりました。これは急騰を続けてきた116610LVしかり、116610LNしかり、です。
狙っていた方、今が買い時ですよ!!
今買っておきたいロレックス4位 エクスプローラーII 216570
エクスプローラーII 216570
ケースサイズ:直径42mm
素材:ステンレススティール
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3187
パワーリザーブ:約48時間
防水性:100m
定価:875,600円
「洞窟探検家」というニッチなコンセプトを有し、これまで若干定番からは外れていたエクスプローラーII。現行スポーツロレックスの多くがモダンなセラクロムベゼルに移行しているにもかかわらず、一貫して精悍なメタルベゼルを採用し続けてきた存在としても知られていますね。
そんなエクスプローラーIIが今、かなり高い注目度を浴びているってご存知でしたか?個人的にはこのモデルを一位としてご紹介したかったほど、肩入れしたくなります。
そう、前項までの流れからご想像頂けるように、「生産終了」と相成ったロングセラーコレクションです。
エクスプローラーII 216570が誕生したのは2011年です。
そして2021年、モデルチェンジが果たされたことで、新型エクスプローラーII 226570がカタログに掲載されることとなりました。
ちなみにエクスプローラーIIコレクションがスタートしたのは1971年。2021年は50周年ということで、新作発表が大いに期待されたものでした。
蓋を開けてみれば、新作・先代で大きく見た目は変わらず、ムーブメントの刷新とディテールのブラッシュアップに留まっていたことが特徴です。そのため「エクスプローラーIIは、新旧ともにそこまで相場高騰しないのでは?」と言われたことは、今は昔。
特に旧型となった216570は、一時期150万円~160万円台の実勢相場で活発に売買され、現在も130万円を切ることはそう多くありません。
とは言え、人気スポーツロレックスの多くが「200万円台~が相場」などと言われる中、エクスプローラーIIの多機能性や堅牢性、そして歴史などを鑑みれば、「よく130万円台まで下がってくれた」と言いたいところ。
また、エクスプローラーII 216570は製造年が比較的新しく、そのためブレスレットの堅牢性に優れ、取り回しやすいのも嬉しいところ。こういったデイリーユースに最適なモデルは、やはり相場が落ち着いている時に買っておきたいものですね。
エクスプローラーだけがスポーツロレックスの中で、唯一メタルベゼルを貫いているからというアイデンティティも、エクスプローラーIIへの所有欲をそそります。
新型226570の今後の出回り状況にもよりますが、旧型への買いが集中してしまう前に、ぜひ一度お手に取ってみてください!
ちなみに白文字盤と黒文字盤の人気に大差はありませんでしたが、最近では前者が大きく価格高騰(昔は黒文字盤の方が数万円程度高かったものですが)。白文字盤の方が数万円~20万円程、実勢相場が高い傾向にあります。
今買っておきたいロレックス3位 エクスプローラーI 214270
エクスプローラーI 214270
ケースサイズ:直径39mm
素材:ステンレススティール
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3132
パワーリザーブ:約48時間
防水性:100m
定価:687,500円
先ほどご紹介したエクスプローラーIIは、エクスプローラーIの上位モデルとなります。
もともとは「探検家のための時計」として1953年に、同名シリーズが市場にローンチされました。
シンプルなのに一目で「ロレックスのデザインコード」とすぐにわかるこの外装は、まさにロレックスの顔。
3針のみの日付表示しか持たない文字盤、ポリッシュ仕上げによって高級感を醸し出すスムースベゼル、堅牢ながらボリュームを抑えたケース・ブレスレットなどが幅広い年代の男性陣から支持を集めており、「スーツにもカジュアルにも合う」という汎用性と相まって、抜群の人気を誇る逸品となります。
当店でも超人気モデルで、「売上金額」ではデイトナに後塵を拝しますが、「売上本数」ではデイトナに肉薄しています。
と、言うより、デイトナ人気が凄まじくてナンバーツーに甘んじてはいますが、2018年までは売上本数で不動の王者として君臨していたのは、何を隠そうエクスプローラーI 214270です。
こんな定番中の定番であること。かつ価格の優等生で、デイトナやGMTマスターIIなどに比べれば定価は超えていても比較的手に入れやすい相場を維持していたことなどもまた、人気の理由の一つでした。
ここ二年ほどで、ロレックス相場全体が上がってしまったがゆえに、エクスプローラーIもまた値上がりします。
もちろん緩やかな上昇で、最高値でも新品並行相場は87万円台程でしたから、他のプレミア価格に比べれば優しいお値段です。
しかしながら価格の優等生感がなくなってしまったことは事実です。
さらに言うと、現在新型コロナウイルスの影響でロレックス相場全体が下がっているにもかかわらず、エクスプローラーIは下げ幅がきわめて少ない状態が続いています。
しかしながら、エクスプローラーIは生産終了の噂などは、あまり立てられていませんでした。
なぜなら、2016年にマイナーチェンジが行われたばかりであったためです。
現行エクスプローラーI 214270は2010年に誕生しましたが、実は2016年に文字盤仕様が変わっています。
左:旧型214270 / 右:新型214270
具体的には、3・6・9のアラビアンインデックスにクロマライト夜光が塗布されたこと。そして時分針が長くなったことが変更点です。旧型はインデックスが暗っぽいことから、「ブラックアウト」とも呼ばれます。
マイナーチェンジ直後は物珍しさから新型214270の方に需要が集中していましたが、年月が経るにつれて旧型214270の方の稀少性が高まり相場形勢が逆転しました。とは言え、数十万円の差がついている・・・といった状況ではありません(ただし状態の良い・あるいは未使用の旧型214270であれば、きわめて高値で売買されている)。
とは言え、前述の通り「新型ムーブメント」への載せ替えに意欲的であったロレックス。
前年の2020年にサブマリーナー ノンデイトに新型ムーブメントCal.3230が搭載されたことから、次のモデルチェンジ候補としてエクスプローラーIが上がったことは、自然と言えるでしょう。
案の定、2021年、エクスプローラーIIとともにエクスプローラーIも新作発表。しかも、ケースサイズが往年の36mmサイズへとダウンサイジングされたことで大きな話題になりました。
この新作発表を受け、御多分に漏れずエクスプローラー全体が相場高騰。
214270もまた、にわかに190万円近くにまで急騰することとなりました。かつて60~70万円台が相場感であったことを鑑みれば、なかなか信じられない数値ですよね。
現在は新型124270が出回り始めたこともあり、100万円~120万円台が平均的な中古相場になっております。流通量が潤沢なモデルとは言え、エクスプローラーIの中では珍しい39mmサイズとなったことから、今後稀少性は増していくことは必至。ぜひ今のうちに買っておきたい一本です。
なお、214270の中でも、基本的には旧型よりも新型文字盤の方が相場は高くなります。
今買っておきたいロレックス2位 GMTマスターII 126710BLRO/126710BLNR
GMTマスターII 126710BLRO/126710BLNR
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3285
パワーリザーブ:約70時間
防水性:100m
定価:1,189,100円(ジュビリーブレス)/1,166,000円(オイスターブレス)
いよいよトップツーの発表です!
第2位は、近年デイトナと並んで相場上昇が目覚ましいGMTマスターIIです!!
GMTマスターIIはスカイドゥエラーが登場するまでは、ロレックスきっての多機能モデルでした。
もちろん今でもその機能美は建材。
ローカルタイムの他、24時間針で第二時間帯を、さらに回転ベゼルを用いて第三時間帯をも一度に視認できる優れもので、昼夜判別のために搭載されたカラフルなベゼルもまたオシャレでイイ感じですよね。
これまでは116710としてシンプルな黒ベゼル・バットマンの異名を持つ青黒ベゼルの二つがステンレススティール製GMTマスターIIのラインナップでしたが、バーゼルワールド2018でフルモデルチェンジ。
新型ムーブメントCal.3285を搭載させたRef.126710BLROは、かつて「ペプシ」と呼ばれロレックス愛好家を魅了してきた赤青ベゼルを纏っていました。さらに、これまでドレスウォッチにメインに使われてきたジュビリーブレスレットも採用されており、非常にセンセーショナルに登場することとなります。
一年間は116710系と併売されていましたが、2019年に青黒ベゼルの126710BLNRがリリースされると116710系はロレックスのカタログから姿を消していきました。
こういった背景のある新型GMTマスターII 126710ですが、当然生産終了はしばらく無いでしょう。
しかしながら、特に126710BLROに言えることなのですがあまりの人気ぶりで、発売から4年経っても入荷が難しいほど品薄。相場もなかなか落ちず、普通新作は一年くらいで相場が落ち着いてくるものなのですが、126710BLROはずっと200万円超えが当たり前。2022年に入ってからは、常時300万円超というプレミア相場です。
そんなGMTマスターIIが、今270~280万円台になっている・・・これだけでも買い時と言えるのですが、今後価格高騰する可能性が最も高いと言って過言ではないのが、「流通量の少なさ」にあります。
もともとロレックスの製造個数自体が多くないのですが、GMTマスターIIは国内入荷が始まってから4年弱。さらに依然として世界的な需要は高いことを鑑みれば、この品薄状況はしばらくの間続くと考えるのが定石です。
これは人気が凄まじい126710BLROだけではありません。
先代116710系と大きくは外装を変えなかったためか、ペプシと比べるとイマイチ相場の上げ幅が少なかった126710BLROですが、それでも常時250万円台~をキープしており、立派なプレミア相場と言えるでしょう。
今後、新型コロナウイルスが収束し、またロレックス熱が高まったとしたら・・・「あるうちに買っておく」の代表格がGMTマスターIIと言えるでしょう。
今買っておきたいロレックス1位 デイトナ 116500LN
デイトナ 116500LN
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.4130
パワーリザーブ:約72時間
防水性:100m
定価:1,609,300円
第一位は、文句なしの現行デイトナ 116500LNです!
もはや説明不要、パッと見ただけでそのカッコよさは一目瞭然ですね。ひとめぼれして買った、欲しくなったといった方も少なくないでしょう。
ロレックス唯一のクロノグラフモデルで、デイトナ自体はそのオリジナルは1959年に「プレデイトナ」と呼ばれたRef.6238までさかのぼります。
その後1963年、タキメーターベゼルを搭載させた第一世代が登場。
以降、歴代モデルの全てが常に人気、というロレックスの中でもレジェンド的存在として君臨してきました。
さらに2016年に登場した現行116500LNによって、デイトナ人気は一気に白熱します。
先代まではケース・ブレスレットと同様にステンレススティールであったタキメーターベゼルにセラクロムを採用。1950年代~1980年代に製造されたプラスティックベゼルに通じるイケメン顔にセラクロムの高級感が加わり、唯一無二のクールなデザインコードを確立することとなりました。
そんなデイトナ 116500LNが、近年のロレックス相場高騰の主役であったことは疑いようもありません。
むしろ、2016年の発表と同時にロレックス相場高騰のシナリオが始まったように思います。
では、なぜ今買っておくべきか。
それは、今ようやく116500LNの相場が落ち着いてきたためです。
一時期、白文字盤は600万円超。黒文字盤は500万円超が当たり前であったものですが、現在はようやく400~500万円に落ち着いてきた次第です。
もちろん、定価1,609,300円であることを鑑みれば、まだまだ高いでしょう。
しかしながらデイトナはまた高騰する可能性がきわめて高いため、とりあえず安くなってたら買う。そんな選択肢が許されるロレックスが、デイトナであると言えるのではないでしょうか。
まとめ
様々な社会的要因が絡み合い、価格が安くなりつつあるロレックス。
もちろんこの社会情勢は憂うべきものが多すぎますが、一方でかつてよりロレックスが安く・手に入りやすくなっていることは事実です。
ロレックスファンも、高級時計のご購入をお考えの方も、値崩れしづらい時計をお探しの方も。この機会に、ぜひ検討してみてくださいね。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年