「ロレックスの買い時っていつ?」
「これからロレックス価格は安くなるの?高くなるの?」
2019年10月からの消費増税、ロレックス相場のアップダウン、香港情勢といった地政学リスク・・・
ロレックス相場は社会情勢にしばしば影響を受けますが、現在その相場を変動させる要因が多すぎて、おいそれと予測を行うことが難しい状況ですね。
ロレックスはここ数年間で、激動とも言える相場を描いてきました。
そんなロレックスの買い時が知りたいという人は多いのではないでしょうか。
弊社では「今」ロレックスを買うことをお勧めしています。
これには、価格面や人気モデルの品揃えの面からなどいくつかの理由があります。
この記事ではなぜ今こそロレックスを買うべきかその理由3つを、GINZA RASINスタッフ監修のもとご紹介いたします。
主要モデルの価格変動についても紹介しますので、ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
※掲載している価格・相場は2019年11月現在のものとなります。
※ロレックスの相場高騰あるいは下落をお約束するものではありません。
目次
今ロレックスを買うべき理由①ロレックス相場の下落
冒頭でも述べたように、ここ数年のロレックス相場の変動は目を見張るものがあります。
2016年あたりからじょじょに相場を上げ続け、2018年後半からはぐっと上昇。しかしながら高止まりはなく、バーゼルワールド2019が開催された3月~5月頃あたりまでで、ピークを迎えました。
そんな状況でしたが、6月末~7月にかけて、ついに相場が下落します。 すわ、ロレックス高騰の終焉か、と話題にもなりましたね。デイトナやGMTマスターIIなど品薄モデルの在庫も増えつつあり、投機目的ではなく、本当に欲しい方にとっては大きな朗報となりました。
しかしながら増税から一か月が経過した10月末~11月初旬にかけて、再び上昇ラインを描いてきたのでは、とも言われます。
人気モデルの価格推移を見てみましょう。
デイトナ 116500N 白文字盤/黒文字盤
定価:1,309,000円
ピーク価格:約305万円
現在価格:約270万円
定価:1,309,000円
ピーク価格:約290万円
現在価格:約250万円
GMTマスターII 116710BLNR/116710LN/126710BLRO
定価:918,000円
ピーク価格:約200万円
現在価格:約183万円
定価:864,000円
ピーク価格:約177万円
現在価格:約136万円
定価:976,800円
現在価格:約178万円
サブマリーナ 116610LV/116610LN
定価:954,800円
ピーク価格:約200万円
現在価格:約160万円
定価:898,700円
ピーク価格:約140万円
現在価格:約120万円
価格の上がり・下がりは様々な要因があるのですが、ロレックス一番人気のデイトナは、最ピークであった時は新品の並行相場が300万円を超えるプライスレンジに到達していましたね。しかしながらガクっとさがり、一時期270万円台。
ところが10月末あたりを境に再び伸びを記録し、新品相場が290万円にゆりもどってきました。
また、GMTマスターIIは、生産終了(126710BLROにリファレンスを変え、新型ムーブメントに載せ替えられた)したことなども関係しているでしょうが、ロレックス相場全体が下がった時でも大きな影響は受けておらず、高値キープをしてきました。黒ベゼルの116710LNの方が、もともとそこまでの相場ではなかったのにBLNRにつられて上がったせいか、バーゼルワールド2019前(生産終了が決まる前)と比べると10~20万円も値上がりしています。
しかしながら、デイトナの白文字盤モデルやGMTマスターIIを除けば、やはりまだひと頃に比べれば価格は下がっていると言っていいでしょう。例えばデイトナの黒文字盤の方であれば、ピークに比べれば30万円程度安い価格です。
サブマリーナも、夏に人気の出るダイバーズウォッチであるためか過去最高値を記録していましたが、夏の終わりとともに下落し、今ではバーゼルワールド2019前の水準よりちょっと高いくらいで落ち着いてきました。
ここまで相場が下降ラインを描いていたのは、数年ぶりです。上昇傾向にあるとは言え、2019年に入ってからのロレックス相場を考えればまだ落ち着いています。つまり、今、ほんの半年前まで「高すぎ!」と感じていたモデルが、かなりお手頃価格で販売されているのです。
数か月前に投機目的でご購入された方にとっては若干焦る事象ですが、本当にロレックスが欲しい方。ロレックス愛好家にとっては朗報と言えるでしょう。
「100万円を用意しなくてはロレックスを買えない」が定説だった牙城がついに崩されることとなったのです。
事実、エクスプローラーIやエクスプローラーII、エアキングやミルガウスなどは、かなり常識的な価格に落ち着いてきたと業界内でも言われています(ただしエクスプローラー系はまた最近値上がりしていますが・・・詳細は後述)。
ちなみにこの相場下落は、需要が行き渡ったとか、多くの時計店で価格競争が起きているとか、そういった事情もありますが、国内に関しては「消費増税前の駆け込み需要」も影響していたと考えられます。
「需要が増えたなら、相場は上がるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、今回の増税前、多くの国内時計店が「駆け込み需要を見込んで在庫確保に走っている」という実情がありました。
この在庫確保は二次流通市場としてお客様から買取を行ったり、海外で買い付けをしたりといったケースとなりますが、なんにせよ流通量が増える=供給が増えることによって、相対的に価格が下がっている、という現象を迎えたことを意味します。
ちなみにこの現象は、かつての超品薄モデルが手に入りやすくなったことも意味します。
なお、増税前後で多くの時計店で販促キャンペーンを行っていることも、価格競争を生む大きな要因となっています。
従来ロレックスは利回りが少なく(相場が高いため仕入れ値がどうしても高くなり、かと言ってギリギリの値段で出さないと他店に負けてしまうため)、キャンペーンを打ち出しづらいという側面がありました。
しかしながら増税を終え、駆け込み需要からうって変わって買い控えが進みました。そのため多くの時計店がロレックスの売り出しに躍起になっている状況です。
ここまでの内容をまとめると、
■数年ぶりにロレックスが価格下落。半年前よりお手頃な価格になってきた。
■時計店でのロレックス在庫が豊富で、これまでの品薄モデルも手に入りやすい。
■このお値打ち価格のロレックスを、さらにお得なキャンペーンを併用して手に入れられることも
ということになります。
こういった背景を鑑みて、「今ロレックスの買い時」である、ということを提言させていただきました。
なお、冒頭でも述べたように、増税から時を経た今、再びロレックス相場が上昇傾向にあります。ボーナスやクリスマスを控えて再び需要が増えている、というのもあるでしょう。
この傾向は日本国内だけではありません。海外でのロレックス相場も、再び上昇しています。
かつて2018年の夏あたり、ロレックス本社が製造本数を増やしたのかどうかわかりませんが、一時期同じように相場が下がった期間がありました。このことを鑑みるに、2020年のバーゼルワールド後に、今年を超える値上がりが記録される可能性も・・・!
今後のロレックスの相場動向の予測は後述しますが、また需要が爆発すると考えると、今が数年に一度の買い時であり、かつ今年最後の買い時となるかもしれません!!
今ロレックスを買うべき理由②香港情勢など地政学リスクに伴う需要減少
前項で「ロレックスの相場の上がり・下がりは様々な要因がある」とお伝えしましたが、その一つに「地政学リスク」が挙げられます。
地政学リスクとは、「地理」と「政治」を組み合わせた経済学用語で、特定の国や地域における政治・軍事的緊張によって発生する経済リスクを総称したものです。災害などではなく、主に内戦や難民問題などがこれに挙げられます。
現在、世界的に地政学リスクは高まっている、と言われています。
日韓対立や北朝鮮のミサイル発射なども気になるところですが、最も高級時計市場に色濃く影響を及ぼしているのは、香港情勢でしょう。
香港はあらゆるモノ・コトの巨大マーケットが林立する土地ですが、とりわけ高級ブランド品については顕著です。
事実、多くの高級ブランド・メーカーのブティックが香港に集結しており、香港は世界最大の高級ブランド市場の一つとして君臨してきました。
しかしながら2019年6月より、香港特別行政府が発した「逃亡犯条例」の改正案への抗議活動が、一連の大規模デモへと繋がっていきます。
デモは月日が経つごとに激化しており、ほんの半年前までは香港の不動産価格は世界一であったにもかかわらず、地価が急落。これに伴い経済は深刻な打撃を受け、未曾有の危機を迎えています。
企業は従業員の安全確保のために営業を制限したり、出張客や観光客の激減で売上が低迷したりといった影響下にありました。
また、イタリアの屈指の有名ブランド・プラダが来年を以て閉店することが発表され、ファッション業界に大きな衝撃を与えます。
高級時計もご多分に漏れません。
このプラダの香港旗艦店があったコーズウェイベイ(銅鑼湾:トンローワン)というのは高級ブティック街で、ロレックスやオメガ、オーデマピゲと言った超有名時計メーカーのブティックが立ち並びます。
これに加えて香港はフリーポートです。つまり輸出入に関税がかからないため、他国で正規品を購入するよりも安く仕入れることができ、多くの時計バイヤーが訪れます。こういった経緯があり、香港では大規模な時計の業者取引所や時計見本市が定期的に開催されています。
この取引では世界各国の時計バイヤーが売り手と価格交渉をしており、かなり活発なものとなります。 こういった背景から、スイス時計協会が発表する「スイス時計輸出国ランキング」では、香港が不動のナンバーワンを誇ってきました。
しかしながら香港情勢の悪化で高級時計需要が低迷している現状、香港への時計輸出額は下がりつつあります。そもそも業者が香港に出向かないので、時計がさばけないのです。
加えて、香港は中国への高級時計品販売の一つの玄関口だったのですが、中国の景気悪化も需要減を助長してしまうこととなりました。
事実、スイス時計業界によると、香港への時計輸出は大幅に減少していると言います。オメガやブレゲ、ロンジンなどを率いるスウォッチグループも、どこの地域と言うわけではありませんが、売上高減を発表しています。
この情勢が意味するもの、それは、ロレックス需要の減少。すなわち前項でも述べたように、それに伴い相場が下がること。そしてこれまでの超品薄が解消され、デイトナなどの人気モデルの流通量が正常化することです。
もちろん地政学リスクはあらゆる産業に影響を与えてしまうため、喜ばしいものではありません。ただ、ロレックスが手に入りやすくなった事実は疑いようがなく、本当に欲しい方がロレックスを楽しむことができるようになりました。
今ロレックスを買うべき理由③今後価格がまた上がる要素が多い
これまで「相場下落」「流通量の正常化」によって、ロレックスが以前に比べて手に入りやすくなっており、数年ぶりに買い時を迎えている、ということをお伝えしてきました。
しかしながら、ロレックスの価格高騰や人気モデルの品薄問題が、またぶり返しつつあり、さらに上昇する可能性が高いです。
その理由は三つ。
まず、消費増税が一因として考えられます。もちろん価格そのものが純粋に上がる、ということはあります。例えば100万円のロレックスがあるとしたら、税率2%アップは2万円の値上がりですね。それのみならず、増税に伴ってロレックスが定価を価格改定しました。全体で0.75%~1%程度の微増です。かつ、基本的に並行輸入店での時計価格は正規価格に縛られませんが、やはり定価が上がるとその分相場も上がりやすい傾向にあります。
つまり、2019年10月以降のロレックス相場の再上昇傾向は、ロレックスが価格改定を行って、それと比例して相場自体が上昇したのではないか、と考えられます。
加えて、年末のボーナス時期には、高級品市場が非常に活発になります。クリスマス需要などと併せて、一年で最も高級時計が売れる時と言っても過言ではありません。そんな時、再び人気モデルに需要が集中し、品薄傾向を呼び起こすことは想像に難くないでしょう。
そして三つ目のロレックス相場上昇の理由は、バーゼルワールドが開催され、また新作の数々が発表されることにあります。
新作が発表されるということは、既存モデルが生産終了するということ。
ロレックスファンにはお馴染みかもしれませんが、ロレックスの人気モデルは代々、生産終了すると現役時代より相場を上昇させる、という習わしがありました。そのためバーゼルワールドの前から「青田買い」―すなわち、生産終了すると予想されるモデルを買って、今後の相場上昇に備える―が行われ、結果としてロレックス相場全体を押し上げる、という現象が近年起こっているのです。
今顕著なのは、エクスプローラー系のモデルです。特にエクスプローラーIIは昨年あたりから「新型が出るのでは?」という噂が飛び交っており、それを受けてか現行モデルの需要がかなり上がっています。
その他にも、今あるアジア圏の地政学リスクが、ある程度落ち着くかもしれません。
そうなればまたロレックス相場が高騰する可能性は否めません。
そのため、「今」こそが大きな買い時である旨を、提言させていただきます。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年