「グランドセイコーSBGR053・SBGV025・SBGX067って何がすごいの?」
「中古市場でのグランドセイコー人気モデルについて詳しく知りたい」
ビジネスの相棒として、フォーマルな場面で使う時計として。
グランドセイコーはいかなる場面でも使える万能な時計として幅広い世代の男性から高い評価を得ています。
ただ、近年ラグジュアリー路線に舵を切っており、それに伴い定価も上昇傾向に。
さらに文字盤仕様も変わってしまい、昔ながらのグランドセイコーファンとしては、なんだか寂しい気持ちもあるでしょう。
そこでオススメしたいのが、中古グランドセイコーという選択肢ですが、中古市場での人気モデルが知りたいという人は多いのではないでしょうか。
グランドセイコーは中古品の流通量が比較的豊富で、安定した価格で売買されています。
また、そもそもの性能が良いため、中古であってもメンテナンスをきっちり行えば、きわめて上質なコンディションを持つ個体が多いです。
つまり、現行品とスペックでは大差ないのに、リーズナブルにグランドセイコーを味わえる、ということ。
この記事ではグランドセイコー中古市場の中でも名機と名高い、SBGR053・SBGV025・SBGX067を、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
製造終了モデルをお得に買うコツについても解説しますので、グランドセイコーの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
①グランドセイコー メカニカル「SBGR053」
SBGR053は、グランドセイコーメカニカルシリーズの定番として人気を博したモデルです。
2010年~2017年に販売されていたモデルですが、今なお高い需要を誇ります。
グランドセイコーメカニカル「SBGR053」
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 36.0mm
全重量:136g
文字盤:ブラック
インデックス:バー
ムーブメント:自動巻き cal.9S65
パワーリザーブ:約72時間
防水性能:100m
これぞグランドセイコー。
これぞ国産本格高級時計。
SBGR053を見るたびに、そう思わされます。
控えめで上品な直径36mmケースや、信頼感を与えるブラック文字盤は、まさに「最高の普通」。
過度に飾らないドルフィン針は美しくも視認性が高く、さらに鏡面仕上げのケースはどの角度から見てもキラキラと反射して高級感を醸し出します。
近年、様々なデザインの時計が各ブランドからリリースされています。
スポーティーだったり、華やかだったり、斬新だったり・・・グランドセイコーも2017年の独立以来、多彩なモデルをリリースしてきました。
でも、中古市場で今なおSBGR053が絶大な人気を誇るところに、グランドセイコーの従来からの「誠実なシンプルデザイン」の実力を改めて感じずにはいられません。
そんなグランドセイコーの根幹とも言える基本デザインを持つSBGR053は、2010年に誕生しました。
この年は、グランドセイコー50周年。様々なスペシャルエディションが世に放たれることとなりましたが、特筆すべきは9S65の存在でしょう。
これは、現在グランドセイコーの自動巻きムーブメントの基幹機として活躍しているキャリバーです。
3針+日付機能のシンプル機構となりますが、グランドセイコーならではの36,000振動/時(1秒間に10振動)という驚異のハイビート機に、3日間のロングパワーリザーブを付与するることに成功しました。
これは半導体メーカーなども用いているMEMS技術と呼ばれる精密製造技術によるもので、グランドセイコーの高精度に、さらなる実用性が加わった記念すべき名機となります。
出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/about/movement/mechanical/9s65
この9S65のデビュー作として登場したモデルが、SBGR053。
グランドセイコーファンは機械好きも少なくないため、こういったエピソードと言うのは所有欲をくすぐられますね。
なお、グランドセイコーは2017年の独立時に、文字盤デザインを一新しました。SEIKOのロゴを取り払い、GSを高々と掲げるようになったのです。
それに伴いリファレンスも変わり、SBGR053の後継機としてSBGR253が登場しました。
※新生メカニカル SBGR253。シリーズ名もメカニカルから、「ヘリテージコレクション」となった
文字盤デザインの変更の他、シースルーバックが採用されたことも新型の特徴です。
ただ、SBGR053は計7年間製造されていたこととなります。
そのため流通量が豊富で、冒頭でもご紹介したように中古市場で活発に売買されています。
搭載されるムーブメント9S65はハイビートですが、保油性に優れており、メンテナンスを行えば末永く使い続けていけます。
SBGR053の持つグランドセイコー・スタンダードなデザイン。そして誕生のエピソードは、今後も間違いなく愛され続けていくことでしょう。
SBGR053の実売価格
デザインよし。品質よし。ステータス性も抜群。
グランドセイコーの傑作のひとつに数えられる「SBGR053」の中古相場は20万円~25万円です。
非常にリーズナブルな価格となっており、まさにコスパ最高の一本と言えるでしょう。
②グランドセイコー クォーツ「SBGV025」
SAGV025はクォーツ搭載モデルとなります。
グランドセイコーの真髄はメカニカルだけにあらず。「クォーツを超えたクォーツ」を名高い9F系キャリバーを搭載したことで、一見グランドセイコーらしいシンプルデザインながら、伝説的なモデルへと昇華されました。
グランドセイコー クォーツ「SBGV025」
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:140g
文字盤:ブルー
インデックス:バー
ムーブメント:クォーツ 9F62
パワーリザーブ:-
防水性能:100m
SBGV025は2016年に発売されたモデル。文字盤にグランドセイコーブルーをあしらい、さらにサンレイ仕上げを施すことで、上品な一本となりましたね。
加えて、40mm径の大型ケースであることが特徴です。ひと昔前のグランドセイコーは36mmや37mmのモデルが多かったため、かなり大ぶりに感じますね。
一方でクォーツ搭載機であるため薄型で、決して武骨さはありません。
12時位置にはSEIKOのブランドロゴ、6時位置にはGS Grand Seikoの文字。
前述の通り、これはグランドセイコーがセイコーから独立する以前のデザインですが、クォーツモデルに関してはコチラのデザインの方が人気絶大だったりします。
全てにおいてバランスが良く、まさに名機と呼べる風格を漂わせています。
出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/about/movement/quartz/9f62
ムーブメントは圧倒的な高精度を誇る9fクオーツ「9F62」。このモデルのミソと言っていいでしょう。
一般的にクォーツは高精度と言われています。超高速振動の水晶振動子を用い、かつICで電子制御を行っているためです。しかしながらグランドセイコーはそんなクォーツの中でも別格。この水晶振動子を3か月間かけてエイジングすることで、性能をブラッシュアップしているのだとか。
そのため、通常のクォーツが月差±15秒ほどであることに対し、なんと年差±10秒という精度を叩き出しました。
一方で機械式時計のように力強いトルクをも有しており、クォーツなのに太くダイナミックな時分針が備わります。
メカニカルシリーズのような頻繁なオーバーホールは必要ないことも踏まえると、とにかく使い勝手がよく、クォーツ時計をお探しの方にうってつけの一本だと思います。
なお、SBGV025も2017年のリファレンスチェンジで、後継機SBGV225へと移行しました。
ただ、SBGV025の製造期間はたった1年程だったこともあり、グランドセイコーには珍しく旧型SBGV025の方がレアリティが高いという逆転現象が起きています。
SBGV025の定価と実売価格
「SBGV025」の現在の相場は約20万円前後。クォーツとしてやや高い分類に入りますが、スペックを加味するとお買い得としか言いようがありません。
ただ、人気が高いこと。加えて前述の通りレアリティが高いことから手放す人が少なく、市場に出回ることが減ってきています。
今後状態の良い個体を手にするのが難しくなる可能性がありますので、見かけたらお早めに購入することをオススメいたします。
③グランドセイコー クォーツ SBGX067
グランドセイコーらしい堅実な外装デザインながら、丁寧なギョーシェ装飾の文字盤によって、上品さを備えたクォーツモデルを最後にご紹介いたします。
グランドセイコークォーツ「SBGX067」
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 37.0mm
全重量:78g
文字盤:シルバー
インデックス:バー
ムーブメント:クォーツ 9F62
パワーリザーブ:-
防水性能:100m
37mmの引き締まったフェイスがセイコーらしさを引き立てるクォーツシリーズの名機「SBGX067」。
誰が見てもグランドセイコーとわかる普遍的なデザインにシルバー文字盤、そしてギョーシェ装飾が組み合わさった、どこかドレッシーな一本となります。
何よりの特徴は、ブライトチタン製であることではないでしょうか。
ブライトチタンは、セイコーが独自合金によって生み出している軽量素材です。ステンレススティールに比べて約30%も軽量なうえに強靭。加えて紫外線や変色に強いため、グランドセイコーの美しいスタイルを長年に渡って楽しめることでしょう。
実際、SBGX067は2010年に発売されましたが、中古市場では上質な個体がよく流通しており、今なお当店では回転率の高いモデルです。
ちなみに、セイコーファンから絶大な支持を集めている印象です。
搭載されるムーブメントは前項と同じくクォーツ9F62。
ドレッシーな外観、そして緻密なスケジュール管理を可能とする高精度ムーブメントは、まさにビジネスユースのために生まれてきたモデルと言えるでしょう。
文字盤のギョーシェはやや大きめの格子柄なのですが、9Fクォーツならではの力強い時分針が備わっているため、デザインのバランスが絶妙であることでも評価が高いです。
なお、こちらの後継機はSBGX267です。
SBGX067とスペックは大きく変わりませんが、やはりSEIKOロゴがなくなると、印象が変わってきますね。
昔ながらのグランドセイコーファンとしては、好みの分かれるところです。
SBGX067の定価と実売価格
「SBGX067」の現在の相場は約30万円前後。製造期間は短くないのですが市場に出回る本数が年々少なくなっており、なかなか手に入りにくい状態が続いているため、高騰傾向にあります。
絶妙なサイズ感。ブライトチタンが採用されていること。旧ロゴのデザインであること。
様々な要因が重なり、今熱いモデルとして注目を集めています。
SAGV025と同じく、気になる方は早めに購入してしまった方がよいでしょう。
製造終了モデルをお得に買うには
今回紹介した「SBGR053」「SAGV025」「SBGX067」はどれも製造終了モデルです。そのため、基本的には中古で購入することになります。
ただ、中古で時計を買う際に気を付けたいのは安さだけで選んではいけないということです。
状態にあまり差がない新品と比べ、中古の時計は店舗によって品質にバラツキがあります。これらの時計を購入する際には本当に信頼のできる店舗であるかどうかを確かめてから購入するのがオススメです。
質屋やリサイクルショップなど、中古時計が買える店舗は数多く存在しますが、「SBGR053」「SAGV025」「SBGX067」を買うのであれば時計専門店での購入がベストです。
時計を専門で取り扱っている店舗では外装研磨や機械点検を徹底している店舗が多く、新品と見間違えるほど状態の良い品を手に入れることも可能です。
また、時計専門店の中でも口コミに優れる店舗を利用することも後悔しない時計選びに繋がるでしょう。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年