「パテックフィリップのネプチューンとスカルプチャーって何がすごいの?」
「パテックフィリップ ネプチューンとスカルプチャーの魅力について知りたい」
パテックフィリップといえばカラトラバ・ノーチラス・アクアノートが人気ですが、それ以外にも魅力的なモデルが存在します。
それは「ネプチューン」と「スカルプチャー」です。
どちらも付ける人を選ぶ個性的なデザインであったため高い人気を博したわけではありませんが、最近この両モデル、特にスカルプチャーの評価が急上昇しています。
そんなパテックフィリップ ネプチューンとスカルプチャーの魅力について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
スポーツモデルの人気上昇に伴いステンレス製であるネプチューンとスカルプチャーも人気が上がっています。
この記事ではパテックフィリップ ネプチューンとスカルプチャーの魅力について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
近年の価格や評価についても紹介しますので、パテックフィリップに興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
パテックフィリップ ネプチューンとは
ネプチューンは1990年代に発売されたパテックフィリップのスポーツモデルです。現在は生産終了していますが、従来のパテックフィリップにはない独特のフォルムで作られた異色のモデルとして話題を生みました。
パテックフィリップのスポーツモデルといえば1967年に発売されたノーチラスが有名ですが、このネプチューンはスポーツウォッチでありながらもラグジュアリーでカジュアルな印象に放つモデルに仕上がっていることが特徴です。
つまり、スポーツ・ラグジュアリー・カジュアルといった様々なコンセプトを混ぜて作られた「不思議な時計」がネプチューンだったのです。
ただ、このネプチューンは付ける人を選ぶ個性的なデザインだったため、あまり人気が伸びませんでした。
ネプチューンは「ステンレス+金属ブレスレット」で作られています。この「ステンレス+金属ブレスレット」といえば、近年大人気のノーチラスを筆頭にパテックフィリップの中でも絶大な人気を誇る時計タイプです。そして、その人気からパテックフィリップのステンレスモデルは相場が非常に高値となっています。
しかし、ネプチューンは「ステンレス+金属ブレスレット」で作られているにも関わらず、かなり安めの相場で取引されていました。その価格はパテックフィリップでありながらも中古で100万円を割るほど。
ネプチューンの特徴
放射線状にラインの入ったベゼルが特徴的なネプチューン。このラインはブレスの中央3列にも施されており、繊細でありながらも華やかなイメージを与えます。
また、リューズガードが少し”ぷっくり”していることも特徴で、カッコよくもあり可愛らしくもあるのがユニークです。
ケースサイズは36mmと少し小さめで、厚みも8mmと薄型。このフォルムは日本人の腕にも良く馴染むため、男性にも女性にもオススメできます。
近年は価格が上昇傾向
発売してから長く低相場となっていたネプチューンですが、近年ステンレスを採用したスポーツパテックが急上昇したため、人気があったとは決していえないネプチューンの価値も上昇傾向にあります。以前は中古なら60万ほどで買えてしまうモデルがありましたが、現在はその多くが100万を超える相場となっております。
また、発売してから20年以上経過したことによる”コレクターズアイテム”として価値が上がってきていることも要因の一つです。
■モデル例
独特な雰囲気を醸し出すダイアル、インパクトあるベゼル、ブレスレットのデザインが魅力的なモデルです。ムーブメントには同社の高い技術力が生み出した手巻きCal.315SCを搭載しています。
ステンレススティール×イエローゴールドのコンビモデルです。ブラックダイヤルの上に輝くゴールドの針が強い存在感を放ちます。
パテックフィリップ スカルプチャーとは
スカルプチャーは2000年初頭に限定発売され、通称「ロシアンウォッチ」と呼ばれるコレクションです。従来のパテックフィリップにはない独特のフォルムで作られた異色のモデルは当時大きな話題を生みました。
また、スカルプチャーはパテックフィリップでは珍しく限定生産を謳ったコレクションとしても知られています。ステンレス・イエローゴールド・コンビ、メンズ・レディースを含め「2700本」という少数生産なため、プレミア感が高いモデルです。
そのため、一部の時計ファンの間で強い支持を受けました。
このスカルプチャーはネプチューンと同じく独特の雰囲気を持つ時計ですが、ネプチューンよりも柔らかい印象が放つため、どちらかというとスカルプチャーの方が身に着けやすいモデルとして親しまれました。また、ケース・ブレスレットが緩やかな曲線を描いており、非常に着け心地が良いことも特徴です。
尚、ムーブメントには数多くの人気モデルに搭載された自動巻きCal.315SCが採用されており、精度も申し分ありません。
デザインの特徴
スカルプチャーの特徴は12時・6時の位置にラグのような突起を形成している変わったベゼルデザインと、ノーチラスと同じようにケースサイドに着けられた「耳」です。
さらに一番の特徴ともいえるのはこのロマノフ王朝の王冠をイメージしたリューズデザインではないでしょうか。
このリューズはブルーエナメルを使用して作られたロシアの伝統を表現した個性的なリューズです。このリューズデザインはスカルプチャーがロシアンウォッチと呼ばれる所以にもなりました。
■モデル例
ブルーエナメル仕上げのリューズと一体化したリューズガードが特徴的で、個性的でありながら繊細さを併せ持った非常に優雅な一本です。ムーブメントには同社の高い技術力が生み出した自動巻きCal.315SCを搭載。
近年の評価
発売当初はなかなか人気が出ず、存在が目立たないスカルプチャーでしたが、近年、スポーツパテックの人気に伴う”ステンレスモデル”の価値見直しのため、それまで日の目を見なかったスカルプチャーにも徐々に注目が集まるようになってきました。
実際に2015年、2016年とだんだん相場は上がり、今年2017年には中古で100万を割る事すらあった相場が150万前後まで上昇してきています。また、限定生産というプレミア感も生きてきたのかもしれません。
いずれにせよ、目立たないながらもスカルプチャーは今旬のモデルといえるでしょう。
まとめ
決して人気があるとはいえない不遇コレクションとして現在まで存在したネプチューンとスカルプチャー。
しかし、スポーツパテックの人気上昇に伴いステンレスモデルであるネプチューンとスカルプチャーもひっそりと人気が上がっています。
人を選ぶデザインですが、個性を追求する”通な時計ファン”を満足させることが出来る時計だと思います。是非、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年