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オーデマピゲ、リシャールミルが国際見本市SIHHから撤退を表明

最終更新日:

2018年7月にスウォッチグループがバーゼルワールドから撤退することを表明し、時計界に大きな衝撃を与えたことは記憶に新しいです。

そして先日、更なる衝撃なニュースが舞い込んできました。

それは「オーデマ ピゲ」「リシャール・ミル」が国際見本市SIHHから撤退を表明したことです。

SIHHは主にリシュモングル―プに所属する時計ブランドが新作発表会を行う場として、時計業界の一大イベントとして行われてきました。

しかし、「オーデマ ピゲ」「リシャール・ミル」の2社は出展費の兼ね合いから2019年1月のSIHH2019への出展を最後にSIHHへの参加を見送ることを決定したのです。

オーデマピゲ SIHH

 

SIHHへの出展取り止めを決めた理由

これまでの時計業界はバーゼルワールドやSIHHといった世界規模の見本市に出展し、バイヤー及びクライアントに煌びやかなディスプレイにて新作をアピールするのが一般的でした。

そのため、如何に出展料が高額であろうとも見本市に出展しないという選択肢はあり得なかったのです。

例えそれが1億円を超える金額だったとしてもです。

 

しかし、近年はSNSやネットメディアの普及により、見本市の出展によるPR効果が年々薄くなってきています。

公式ページを見れば世界中どこにいても新作モデルを知ることが出来ますし、その情報はSNSで常に拡散されているのです。

時代は変化しており、もはや見本市への出展はブランド運営の絶対条件ではありません。

 

リシャールミルは「展示会に出展してもブランドの存在感を出すことはできない」とコメントしており、費用対効果が薄いことをSIHHからの撤退理由にあげています。

時計ブランドと顧客の接点が多岐にわたるようになった現代において、見本市の出展料はあまりにも見合わないと判断したのでしょう。

また、オーデマピゲも「世界中の顧客や腕時計愛好家との関係強化のため」とはコメントしていますが、本音は高額な出展料を別の戦略に役立てたいというという気持ちが強いのだと思います。

結局のところ、出展料が高すぎてコストに見合っていないことが2社の撤退理由でしょう。

 

バーゼルワールドからの撤退を決めたスウォッチグループCEO ハイエック氏も「見本市出展にかつてのようなPR効果がない」という理由から撤退表明を行っており、撤退理由は今回SIHHからの撤退を決めた2社とほぼ同じ理由です。

 

時計見本市は今後どうなる?

sihh

バーゼルワールドもSIHHも主力ブランドの撤退により、規模縮小を余儀なくされています。

特にオメガ・ブレゲ・ブランパン・グラスヒュッテオリジナル・ロンジン・ハミルトンといった人気ブランドが姿を消したバーゼルワールドは今後窮地を迎えるでしょう。

また、世界3大時計ブランドであるオーデマピゲが撤退したSIHHも決して安泰とはいえません。

確かに近年はバーゼルワールドからSIHHに出展先を変えるブランドが増えていますが、出展料が高いという事実は変わらないからです。

 

ここで少しモバード グループについてのお話をしましょう。

コーチ等と腕時計のライセンス契約を結んでいるモバード グループはバーゼルワールドへの出展を辞退した資金を元手にスイス・ダボスにて独自の見本市を開催しましたが、その費用はバーゼルワールドやSIHHの1/3以下であったといわれています。

また、浮いた費用はSNSや自社ネットワークでの広告に力を入れているようです。

モバードグループは既に大手見本市に頼らないブランド運営を意識しているわけです。

 

最後に

今、時計業界は物凄いスピードで変化しています。

時計界において当たり前であった見本市の参加も、もはや既に当たり前ではなくなっています。

スウォッチグループのバーゼル徹底から僅か2カ月弱で発表されたオーデマピゲとリシャールミルのSIHH撤退表明はまさにそれを象徴とするニュースといえるでしょう。

 

今まさに「時計見本市の意義」が問われているといっても過言ではありません。

 

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