「タグホイヤーの型番にはどんな意味があるの?」
「タグホイヤーの型番の読み方が知りたい」
高級時計ブラントとして圧倒的なネームバリューを誇るタグホイヤー。
スポーティーなデザインと機能性の高さ、そして脅威のコストパフォーマンスを誇ることから愛好家から絶大な支持を集めています。
そんなタグホイヤーですが、ロレックスやオメガと同じく、リファレンスナンバー(型番)に法則性があります。
そんなタグホイヤーの型番の読み方が知りたいという人は多いのではないでしょうか。
タグホイヤーの型番からは「モデル名」「時計のタイプ」「ムーブメントの種類」「ケース素材」といった情報を知ることが可能です。
この記事ではタグホイヤーの型番の読み方と意味を、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
型番の法則についても解説しますので、タグホイヤーの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
タグホイヤーの型番法則
タグホイヤーの型番は基本的に「CBM2110.BA0651」のように数字とアルファベットで構成されており、前半と後半が「.」で区切られています。
項目は全部で8項目に別れており、「.」までに6つ、後半部分で2つの要素が存在します。
他ブランドの型番よりも細かく設定されているため、少しわかりにくいですが、覚えておくことでモデルの特徴を知ることができます。
タグホイヤーの型番法則 最初のアルファベット:時計のタイプ
タグホイヤーの型番の最初のアルファベットは「時計のタイプ」を表します。
使われるアルファベットは3つだけなので、すぐに覚えることができます。
アルファベット | 時計のタイプ |
---|---|
C | クロノグラフ |
W | ノンクロノグラフ |
S | スマートウォッチ |
見分け方は単純で、クロノグラフであれば「C」、3針デイトを中心にクロノグラフを搭載しないモデルであれば「W」が先頭文字に当てはめられます。
近年はスマートウォッチの開発に伴い「S」の表記も追加。これだけでも覚えておくと、時計の特徴が掴みやすいです。
タグホイヤーの型番法則 2、3桁目のアルファベット:モデル名
タグホイヤーの型番において、2、3桁目のアルファベットはモデル名を表します。
先頭のアルファベットと組み合わせて3桁のアルファベットで「機種」を瞬時に把握することが可能です。
基本的にモデル名は「2桁のアルファベット」で表示されますが、1文字のみの場合もあります。
同一モデルでも複数のパターンがあるので、全部覚えるのは難しいかもしれません。
アルファベット | モデル |
---|---|
AC/AH/AU/AZ | フォーミュラ1 |
AB/AF/AK/AN/AP/AJ | アクアレーサー |
AL/AW | モナコ |
AR/AS/BG/BB | タグ・ホイヤー カレラ |
AT/BC/JF | リンク |
AV | グランドカレラ |
AG | SLR メルセデス・ベンツ |
AY/BD | ニューアクアレーサー |
BF | コネクテッド モジュラー45 |
V | タグ・ホイヤー カレラ |
J/T | リンク |
W | モナコ |
L | キリウム |
R | モンツァ |
Y | オータヴィア |
フォーミュラ1
フォーミューラ1に採用されるアルファベットのパターンは「AC/AH/AU/AZ」の4つ。
現行モデルでは「AZ」が採用されており、次いで「AH」が多く見受けられます。
「AC」「AU」については製造終了モデルに見受けられますが、数は多くはありません。
アクアレーサー
アクアレーサーに用いられるアルファベットは「AB/AF/AK/AN/AP/AJ」とバリエーションが豊富です。
近年の傾向としては型番の新しいモデルに「AY」や「BG」が使用され、型の古いモデルには「AK」「AF」「AP」が使われる傾向にあります。
モナコ
現行モデルには「AW」が採用され、「AL」が使われるモデルも僅かに存在します。
ただ、キャリバー ホイヤー02を搭載したモデルは「BL」が採用されていることが多く、法則性は少しづつ変化しています。
カレラ
豊富なラインナップを持つカレラ。
最も多く採用されているのが「AR」で、次いで「AS」「BG」が見受けられます。
「BN」や「BK」といったアルファベットも増えており、年々イレギュラーな型番が増えています。
リンク
出典:https://www.facebook.com/TAGHeuer/photos/
リンクには「AT/BC/JF」の3つのアルファベットが用意されていますが、主に使われるのは「BC」と「AT」。
「JF」に関してはあまり見かけなくなりました。
モナコのホイヤー02搭載モデルにも「BC」が使われていますが、リンクに関しては「BC」が採用されていてもホイヤー02は搭載されていません。
コネクテッド(スマートウォッチ)
出典:https://www.tagheuer.com/ja-jp
タグホイヤーは近年スマートウォッチの開発に積極的に乗り出しており、従来とは異なる層からシェアを獲得しています。
使用されるアルファベットは「BF」や「BE」となっています。
タグホイヤーの型番法則 4桁目の数字:ムーブメントの種類
型番の4桁目の数字はムーブメントの種類を表します。
項目がシンプルに分類されているので、モデル名とは異なり、非常に分かりやすいです。
数字 | ムーブメントの種類 |
---|---|
1 | クォーツ |
2 | 自動巻き |
5 | 自動巻き クロノメーター |
7 | 電気機械式 |
8 | CPU |
アナログ時計に採用されるのは主に1、2、5。
近年開発された自社製ムーブメントはクロノメーター仕様が多く「5」の表記が増えています。
タグホイヤーの型番法則 5桁目の数字:腕時計のサイズ
5桁目の数字は時計のサイズを表します。
数字が大きくなるにつれ、ケースサイズが小さくなっていくのが特徴です。
明確な基準はありませんが、 概ね「0」がケース直径42mm前後、「1」が40mm前後、 「2」が38mm前後、「3」が約32~35mm、「4」が27mm前後となっています。
近年は大型ケースのモデルが増えているため、「0」が当てはめられるモデルが多いです。
数字 | 腕時計のサイズ |
---|---|
0 | large man |
1 | man |
2 | medium |
3 | woman |
4 | small woman |
A/B | Magnum Carrera |
C | King Size Carrera |
タグホイヤーの型番法則 6桁目の数字:ケースの素材
6桁目の数字は時計のケース素材を表します。
数字 | ムーブメントの種類 |
---|---|
1 | ステンレススティール |
2 | ステンレススティール×金メッキ |
3 | ローズゴールド |
4 | ステンレススティール×ゴールド |
5 | ステンレススティール×ピンクゴールド |
8 | チタニウム |
ケース素材については、他の項目より法則性にばらつきがあります。
ピンクゴールド×スティールやチタニウムなどは、異なる数字が採用されていることもあるので、飽くまでも参考程度にご覧ください。
タグホイヤーの型番法則 7桁目の数字:文字盤の種類
前半部分最後の数字である型番7桁目は「文字盤の種類」を表します。
法則性は不明で、数字以外にもアルファベットが割り当てられることもあります。
タグホイヤーの型番法則 8、9桁目のアルファベット:ブレスレットの素材
「.」を挟んだ後半最初の数字はブレスレットの素材を表します。
定番はステンレス「BA」ですが、ラバーベルト「FT」が使われているのもよく見かけるようになりました。
ただ、同じラバーストラップでもフォーミュラ1には「BT」が使われます。
数列 | モデル |
---|---|
BA | ステンレススティール |
BB | ステンレススティール×金メッキ |
BC | 革ブレスレット |
BD | ステンレススティール×ゴールド |
BT | ラバーストラップ(フォーミュラ1シリーズ) |
FC | 革以外の素材 |
FT | ラバーストラップ |
革ブレスレットに関しては、型の古いモデルには「BC」が使われていますが、近年発売の新しいモデルに関しては「FC」が使われる傾向にあります。
そのため現在は、メタルブレスレットが「B」始まり、それ以外は「F」始まりに統一されつつあります。
タグホイヤーの型番法則 10〜13桁目の数字:ブレスレットのリファレンスナンバー
タグホイヤーの型番末尾4桁の数字はブレスレットのリファレンスナンバーを示します。
個別コードであることから法則性はなく、例外も多いです。
同一モデル内におけるバリエーションを表すこともあるため、文字盤の種類と同じく、こちらも参考程度にご覧ください。
基本的にドット以降の英数字に関してはブレスレットに関するナンバーなので、本体に関する情報は前半部分に集約されています。
まとめ
タグホイヤーの型番は前半7桁、後半6桁の計13桁の数字とアルファベットの組み合わせで作られています。
前半部分ではそれぞれ「時計のタイプ・モデル名・ムーブメントの種類・サイズ、ケース素材、文字盤の種類」を表し、後半部分ではブレスレットに関する情報が示されています。
しかし、これらの英数列は一定の法則がありながらも絶対ではありません。
厳密なモノではありませんので、高級腕時計のちょっとした豆知識ぐらいに思ってください。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年