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速報!2023年タグ・ホイヤー新作モデルを発表!by Watches & Wonders Geneve
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2023年3月27日より開催されている、時計業界のビッグイベントWatches & Wonders Geneve。既に1月に他社に先駆けて新作発表を行っていたタグホイヤーですが、当見本市でも、さらに驚くべき新作モデルを追加してきました!
とりわけフラグシップのカレラは2023年に、60周年を迎えます。加えて近年タグホイヤーはコレクションの刷新を意欲的に行っているとあって、今年の新作がとにかく楽しみだったという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、2023年のタグホイヤー新作モデルをご紹介いたします!
目次
2023年タグホイヤー新作①カレラ TH20-00 クロノグラフ グラスボックス
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径39mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | ブルーまたはブラック |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | Cal.TH20-00 |
パワーリザーブ: | 約80時間 |
機能
防水: | 100m |
定価: | 808,500円 |
冒頭でもご紹介したように、2023年はタグホイヤーのフラグシップコレクション・カレラの誕生60周年です。
昨年11月にはイエローゴールド製のゴージャスな一本もリリースされており、また1月のLVMH Watch Week 2023でも初期モデルの復刻がリリースされましたが、続く3月にも特別な新作がローンチされました。
カレラについて簡単に解説すると、ロードレース「カレラ パンアメリカーナ・メキシコ」へのオマージュとして1963年に誕生したコレクションです(ちなみに長らく1964年と言われていましたが、それ以前の広告を発見し、今では公式に1963年と改められています)。
タグホイヤーの創業者エドワード・ホイヤー氏は、スポーツ産業をただブランド戦略の足掛かりとしていたわけではなく、無類のスポーツファンであったと言います。これも血筋か、エドワード・ホイヤー氏のひ孫であり、四代目CEOジャック・ホイヤー氏もまたスポーツ競技に情熱を注いでおり、前述した二つのロードレースを知ったことで、カレラの開発に至りました。
当時世界で最も危険なロードレースの一つと言われており、かつカレラがスペイン語で「情熱」「レース」を意味することに、ジャック・ホイヤー氏はいたく感動したと聞きます。
こうして生まれたカレラ。
出典:https://monochrome-watches.com/tag-heuer-carrera-160-years-silver-limited-edition-cbk221b-review-price/
1960年代当時は既に、ブライトリング ナビタイマーやオメガ スピードマスターなどといった、現代に続く名作クロノグラフが誕生していました。モーターレースが黄金時代に突入し、様々なクロノグラフが百花繚乱だった時代です。
そんな中でカレラは、あえてベーシックでシンプルなデザインにこだわりました。この、無駄のないエレガンスこそが、カレラが後世にまで受け継がれていった理由の一つでしょう。
また、ジャック・ホイヤー氏はレースの過酷さを知っていたためでしょう。カレラがシンプルなのは視認性を優先した結果であり、かつ優れた耐久性や信頼性を逸品であったのです。リューズが大きいのも、グローブをはめたままでも操作しやすいようにした設計と言われています。
このように、モーターレースの精神性に共鳴して誕生したカレラ。
60周年を寿ぐ2023年新作は、新しい自動巻きクロノグラフを搭載した、カレラ「ガラスボックス」です!
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このガラスボックスというのは、新作のドーム型サファイアクリスタルガラスに由来します。
1960年代の初期カレラで見られた、ドーム型のプラスティック風防から範を取っているとのこと。確かにこの時代に往々に見られたプラスティック風防のドーム型というのはレトロな印象を強調しますね。近年では復刻モデルで採用するブランドも増えてきましたが、カレラのオーセンティックなクロノグラフスタイルによくマッチしています。
そう、タグホイヤーはレーシーでモダンスポーティーなデザインも得意なのですが、一方で自社の往年のレガシーをモチーフとしたノスタルジックなモデルでも一家言持ちます。
特にリバイバルモデル―2020年にブランド創業160周年を記念して製造された復刻カレラやモナコ等々―でその手腕を見ることができ、こちらの2023年新作カレラでも遺憾なく発揮されています。
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ケース直径は39mmとモダン仕様となりましたが(初代カレラRef.2447は36mm)、アウターベゼルを持たずスッキリとしたケースフォルムは、いかにも正統派クロノグラフです。初期カレラはタキメータースケールはありませんでしたが、新作では文字盤外周に印字されました。さらにミニッツサークルはその内側のフ湾曲したランジに印字されているため、ゴチャゴチャとした印象はありませんね。
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ちなみにブルーとブラック文字盤の二種がリリースされているのですが、ブラックは12時位置にデイト窓が搭載された、珍しいレイアウトとなっております。とは言え全く奇抜というわけではなく、ヴィンテージホイヤー Ref.3147 Dato 12がベースとなっているようです。
いずれも力強い針や立体的なインデックスは美しく、これぞ高級クロノグラフといった様相です。
ちなみにブラック文字盤の新作は針と文字盤外周のカプセルの夜光が、ヴィンテージのヤケのように色づいているのが良い風合いです。
また、どちらも文字盤カラーと併せたパンチングスタイルのカーフスキンストラップが付属しています。
搭載するクロノグラフムーブメントは、お馴染みのホイヤー02ではありません。新機種となるTH20-00です。
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タグホイヤー曰く、「ホイヤー02を進化させた」とのことで、パワーリザーブ約80時間やテンプの28,800振動/時などといったスペックは変わっていないのですが、ローターが片方向巻き上げ式から両方向巻き上げ式となりました。
また、ローターの形状が変わっており、ホイヤー02のそれよりもしっかりとしているように感じます。巻き上げ効率を考慮してのことでしょうか。ホイヤー02のシースルーバックも好きですが、タグホイヤーのシールドのロゴを彷彿とさせるローターもかっこいいです。
100m防水と、実用性は変わらずなのも嬉しいですね。
国内定価は808,500円です。タグホイヤーのコレクションの中ではハイエンドな位置づけです。
特に限定モデルではなく、発売も2023年4月からということで、新ムーブメントの量産体制が整っているのでしょう。
最高にかっこよくも、正統派なクロノグラフ カレラであることは間違いありません!
2023年タグホイヤー新作②カレラ TH20-09 COSC クロノグラフ トゥールビヨン グラスボックス
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径42mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | ブルーまたはブラック |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | Cal. TH20-09 COSC |
パワーリザーブ: | 約65時間 |
機能
防水: | 100m |
定価: | 2,805,000円 |
同じく「グラスボックス」のカレラから、トゥールビヨン搭載モデルも新作として発表されました!
もっともこちらはブルー×オレンジのアズーロ・エ・マローネによって、レーシーな印象が強まったデザインを特徴としています。
ちなみにトゥールビヨンとは、機械式時計の精度を司る「調速機」と「脱進機」をキャリッジにまとめて、このキャリッジごと回転させる複雑機構です。キャリッジの回る様子から、フランス語で渦を示す「トゥールビヨン」と名付けられました。世界三大複雑機構に名を連ねることもあり、価格も超高額となることが珍しくありません。そのため一部の雲上ブランドで採用しているような機構でしたが、この趣味性溢れるトゥールビヨン人気は根強いこと。また近年の加工技術の発達も相まって、現在では低価格帯のトゥールビヨンも各社でリリースされています。
この「低価格帯のトゥールビヨン」について、高級ブランドの高級時計として先鞭をつけ、代表的な存在として語られるのがタグホイヤーです。2016年にタグホイヤーはカレラコレクションに100万円台のトゥールビヨンモデルを追加。現在は200万円台~となっておりますが、量産もされており、タグホイヤーの生産レベルの高さに驚きを禁じえません。
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なお、タグホイヤーのトゥールビヨンに搭載されたムーブメントは、ホイヤー02ベースのホイヤー02Tでした。
そして2023年、基幹クロノグラフムーブメントと同様にトゥールビヨンも「進化版」へと発展。この度搭載されたムーブメントキャリバーは、TH20-09です。
TH20-09は、やはりパワーリザーブ約80時間、28,800振動/時のハイビート機で、クロノメーター認定を受けています。シースルーバックでムーブメント鑑賞できる点も、健在ですね。
国内定価は2,805,000円と、トゥールビヨンとして考えればかなり良心的。
こちらは2023年5月から発売予定です。
2023年タグホイヤー新作③カレラ ホイヤー02 クロノグラフ
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径42mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | ブルーまたはブラック |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | ホイヤー02 |
パワーリザーブ: | 約80時間 |
機能
防水: | 50m |
定価: | 720,500円 |
お馴染みのホイヤー02搭載カレラもリリースされております!
ホイヤー02にとってはスタンダードでモダンな直径42mmサイズとなっておりますが、一方でアウターベゼルを持たないため、オールドクロノグラフらしい風合いをも持ち合わせます。一方でこちらは、タキメータースケールは印字されておりません。
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もっともこれは全く新しいデザインコードというわけではなく、2020年に登場したRef.CBN2010.BA0642等で既に人気を博していました。また、キャリバー16搭載カレラのような「エレガンス」も感じますね。
シースルーバックからは、お馴染みのホイヤー02をご鑑賞頂けます。
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なお、モデルの雰囲気に合わせて、このシリーズではローターがゴールドPVDとなっております(従来品はブラックPVD)。
国内定価は720,500円。かっこいいタグホイヤーが欲しい方にとって、良い選択肢になってくれることでしょう。
2023年タグホイヤー新作④カレラ キャリバー7 デイト
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径36mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | ピンク、シルバー、ブルー、グリーン |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | キャリバー7 |
パワーリザーブ: | 約56時間 |
機能
防水: | 50m |
定価: | 396,000円 |
36mmサイズのカレラに、カラフルなバリエーションが登場しました!ピンク、ブルー、シルバー、グリーンの計4色です!
もともとカレラは多彩なバリエーション展開を行っておりましたが、ここまでポップな色合いというのはなかなか見られませんでした。近年ロレックスのオイスターパーペチュアルやオメガ シーマスター アクアテラを始め、既存のベーシックなコレクションを楽しい色合いにする試みがトレンドインしています。高級時計というとブラックやシルバーのイメージが多いかもしれませんが、技術発達によってニュアンスカラーや美しさも大切にしたヴィヴィッドカラーが可能となってきており、高級腕時計の幅が広がっています。
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そして36mmカレラも、このビッグウェーブに乗っています!
レディースにジャンル分けされていましたが、36mmサイズということなので、男女問わずお楽しみ頂けるのではないでしょうか。
カレラらしい美しいサンレイ仕上げ(ピンクはスネイル仕上げ)が施された文字盤は、ユニークカラーなのにエレガンスも忘れていませんね。
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ムーブメントはキャリバー7とのこと。
従来カレラの3針モデルだとキャリバー5が搭載されてきました。また、キャリバー7はGMT針搭載ムーブメントで存在していたのですが、今後変わってくるのかもしれませんね。なお、パワーリザーブは約56時間と、キャリバー5が38時間であることに対して、大幅延長されています。
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シースルーバックから鑑賞できるのは既存のキャリバー5搭載カレラと同じくです。
国内定価はいずれも396,000円。
スペックアップした新キャリバーを載せているにもかかわらず40万円以内に収まっており、これはお買い得ですね!
ピンクカラーのみ2023年5月から、その他は即時販売となっております。
2023年タグホイヤー新作⑤アクアレーサー プロフェッショナル200 ゴールド
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スペック
外装
ケースサイズ: | 直径40mm |
素材: | イエローゴールドまたはローズゴールド |
文字盤: | ブルーまたはグレー |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | Cal.TH31-00 COSC |
パワーリザーブ: | 約80時間 |
機能
防水: | 200m |
定価: | 2,310,000円 |
2021年にフルモデルチェンジしたアクアレーサー。さらに翌2022年には小径薄型の200mモデル「アクアレーサー プロフェッショナル 200」がコレクションに加わりました。
なんと、そのアクアレーサーから、金無垢モデルが登場です!
アクアレーサーがどのようなコレクションか簡単に解説すると、2004年に誕生したダイバーズウォッチコレクションです。
もっともその歴史は、1985年に遡ることができます。この年「2000シリーズ」と題されるダイバーズウォッチコレクションをタグホイヤーは発表するのですが、200mという防水性、ねじ込み式リューズに逆回転防止ベゼル,ダブルセーフティーバックル付きのブレスレット,暗所での視認性を確保する夜光塗料・・・ダイビングに必要な機能を備えた、本格ダイバーズウォッチが2000シリーズだったのですが、これがのちのアクアレーサーへと系譜を引き継いでいったのです。
現在ではダイバーズウォッチの定番とも言えるアクアレーサーですが、前述の通り、2021年にモダナイズされて一新。
そして2022年に200m防水のアクアレーサー プロフェッショナル 200に繋がっていくのですが、ツール感の強いモデルも多いタグホイヤーから、金無垢モデルが出されたことに驚きです!
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とは言え、スポーティーなデザインであっても、作りこまれた外装が自慢のタグホイヤーウォッチ。
金無垢モデルでもその技術が発揮されており、イエローゴールドまたはローズゴールド製アクアレーサーは、贅沢とスポーティーが共存しています。文字盤がグラデーションがかった手法も、エレガントな印象を強めていますね。
ねじ込み式リューズはブラックDLCコーティングされたステンレススティールで、裏蓋はチタンのDLCコーティングです。ちなみにクラスプもチタン製となっております。
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シースルーバックからは新しいムーブメントCal.TH31-00が臨めます。
アクアレーサーというとソリッドバックが主流で、ダイビングヘルメットのエングレービングも個人的には好きですが、新作は機械好きにはたまらない仕様なのではないでしょうか。
なお、このCal.TH31-00はタグホイヤーが、ラ・ショー・ド・フォンを拠点とするスイスの高級ムーブメント製造会社AMTとともに共同開発したとのこと。クロノメーター認定かつ約80時間のロングパワーリザーブを誇る高性能機で、冒頭でご紹介したカレラ同様、ロゴをかたどったローターが特徴的です。
国内定価は2,310,000円。
金無垢モデルのため他のアクアレーサーと比べるとハイエンドになっております。
また、タグホイヤーは正規オンラインショップも充実していますが、この新作アクアレーサーはタグホイヤーのブティックのみでの限定販売とのことです。
さらに付け加えると、ベーシックなキャリバー5を搭載した、ステンレススティール×コンビモデルも追加されました。
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レディース向けに30mmサイズのコンビモデルも出ています。こちらはダイヤモンドインデックスモデルとなっており、ラグジュアリーですね。
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国内定価はキャリバー5搭載モデルが638,000円。ダイヤインデックスモデルが588,500円です。
なお、Watches & Wonders Geneveに先駆けて行われていたLVMH Watch Week 2023での、タグホイヤー新作モデルも併せてご紹介いたします。
2023年タグホイヤー新作⑥モンツァ ホイヤー02 フライバッククロノメーター
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スペック
外装
型番: | CR5090.FN6001 |
ケースサイズ: | 直径42mm |
素材: | カーボン |
文字盤: | スケルトン |
ムーブメント
ムーブメント: | ホイヤー02 COSC フライバック |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約80時間 |
機能
防水: | 100m |
予価: | 1,672,000円(税込) |
往年のファン必見!モンツァがタグホイヤーに帰ってきました!非常にモダンでアヴァンギャルドなアップデートを伴って!
ご存知タグホイヤーは、モーターレースと非常に強い絆を作ってきたブランドです。
創業は1860年ですが、この黎明期からクロノグラフ開発に着手し、モーターレースに欠かせない同機構の発展に大きく寄与しました。
例えば1887年開発の振動ピニオンや1916年開発の世界初100分の1秒計測可能な機械式ストップウォッチ「マイクログラフ」。1933年発表の30分・12時間積算計を備えたダッシュボードクロノグラフ「オータヴィア」等々・・・名品を挙げると、キリがありません。
※振動ピニオン・・・簡単に言うと、クロノグラフのオンオフ制御パーツ。これによってスタート・ストップ操作のタイミングが飛躍的に速くなり、高精度な計測に貢献しました。振動ピニオンは現代クロノグラフでも多く採用されています。
1950年代~1970年代には、モーターレースにインスパイアした数々の名作をリリース。これらは今なおタグホイヤーを代表するコレクションであり、現代高級スポーツウォッチ市場を牽引する存在にもなっております。
モンツァは、そんな名作の中の一つでした。
F1イタリアグランプリの舞台として知られるモンツァ・サーキット。1975年に開催された同グランプリでのフェラーリの健闘を称え、翌1976年にタグホイヤーが製造したコレクションです。独特のフォルムに2カウンタークロノグラフが、レトロでフューチャー。1970年代当時のデザインに惹かれる方も多いことでしょう。
このモンツァは何度か復刻しており、とりわけ2000年代初期のエルプリメロ搭載モデルや、2016年のモンツァ誕生40周年モデルは記憶に新しいかもしれません。
現在はカタログからは姿を消していたのですが、2023年、アヴァンギャルドに復刻しました!
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一目見て、モダン・スポーティーであることがわかります。タグホイヤーは本当にレーシーなデザインが巧みだと、この新作を見て改めて感じました。
最も特徴的なのは、直径42mmのカーボン製ケースでしょう。
モンツァ由来のフォルムを湛えつつ、カーボンならではの外観や質感が、「新しいモンツァ」であることを思わせますね。カーボンはとても軽量な一方で耐久性に優れることも、特筆すべき点です。100mの防水性もタグホイヤーらしい実用性です。
なお、2016年の40周年モデルはブラックPVDコーティングがなされたチタン製で、こちらも素晴らしい出来栄えですが、2023年新作はまた違った顔立ちを見せてくれることとなりました。ちなみに新作モンツァのケースバックはPVDコーティングチタンです。
ブルーステッチが入ったファブリックストラップと相まって、特別感を醸し出します。
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スケルトナイズされた文字盤は、非常にメカニック。
一方で3時位置の30分積算計と6時位置のスモールセコンドのインダイアルはブルーがかった半透明になることで、メリハリある立体感を実現します。ブルーとレッドが共鳴しあって、いかにもレーシーなデザインです。デイト・針・インデックスには夜光塗料がたっぷりと塗布されているので、夜間にも視認性を発揮してくれることでしょう。
メモリはクロノグラフのタキメーターのみならず、パルスメーターにも対応。
12時~3時位置までにブルーのラインが入っていますが、ここで1分間あたりの心拍数を計測します。2016年版にも搭載された機能ですね!
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搭載する自動巻きムーブメントはホイヤー02 フライバック クロノグラフです。
フライバックとは、通常クロノグラフリセット時にはいったん針をストップさせる必要がありますが、これを取り払った機能のこと。「ストップ・リセット」の二度押しがなくなるため(しかも、通常この二つのプッシャーは離れている)、より正確な計測を行うよう配慮されているのです。
クロノメーター認定の高精度と最大80時間のパワーリザーブを兼ね備えているため、もちろんレースシーンのみならず日常使いでも真価を発揮してくれるモデルです。
シースルーバックから、デザインに最高にマッチするローターや仕上げを鑑賞できるのも素晴らしい点です。
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限定生産ではないようですが、特別モデルである証として、ブルーラインが入った特別ボックスと専用ポーチが付属するとのこと!カーボンを表現したボックスは、インテリアにもなりそうです。
国内定価は1,672,000円。
タグホイヤーの中では高価格帯ですが、カーボン製でしかもフライバッククロノグラフ搭載であることを鑑みれば、決して高すぎるということはないように思います。
2023年タグホイヤー新作⑦カレラ ホイヤー02 60周年アニバーサリーエディション
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スペック
外装
型番: | CBK221H.FC8317 |
ケースサイズ: | 直径39mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | グレー |
ムーブメント
ムーブメント: | ホイヤー02 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約80時間 |
機能
防水: | 100m |
予価: | 891,000円(税込) |
何度か言及している通り、2023年はタグホイヤーのフラグシップコレクション・カレラの誕生60周年です。
LVMH Watch Week 2023では、黎明期に製造されていたカレラ Ref.2447SNがリバイバルされました!
ちなみにタグホイヤー創業140周年にあたる2020年にRef.2447系が復刻されましたが、いずれも今なお古臭さのない、鮮烈な美しさを湛えていますね。
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ケース直径は39mmとモダン仕様となりましたが(オリジナルは36mm)、Ref.2447SNを踏襲し、サンレイ仕上げのシルバー×ブラックのパンダダイアルが採用されています(上の写真は160周年の際にリバイバルのもととなった2447S)。往年の「ホイヤー」ロゴや近年主流の「SWISS MADE」ではなく「SWISS」印字なのも、レトロテイストを強調します。
アウターベゼルを持たず、シンプルなバーインデックス・ペンシル針で収められているのも、往年のクロノグラフといった様相ですね。
夜光は現代らしくスーパールミノバですが、あえてエイジングしたような色づきを備えているのは、当時のトリチウム夜光を彷彿とさせます。
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装飾のないシンプルなリューズとプッシャーは美しく磨かれていることはもちろん、オリジナル同様に操作性の高さを感じます(実際にタグホイヤーのクロノグラフの操作性は抜群です)。
パンチング加工が施されたカーフスキンストラップによってエレガンスとレーシーが共存し、ビジネススーツにもカジュアルダウンしたファッションにもマッチするクロノグラフへと昇華されました。
デザインやディテールはオリジナルに忠実である一方で、スペックは最先端なのも、さすがタグホイヤー!
100m防水のケースに収まるムーブメントは、同社の基幹ムーブメントとなるホイヤー02。
出典:https://www.tagheuer.com/jp/ja/
パワーリザーブ約80時間を誇るこの自動巻きムーブメントは、シースルーバックから特徴的な肉抜きローターとともにお楽しみ頂けます。
こちらのボックスも特別仕様で、ジャック・ホイヤー氏の名言が記されているのだとか!
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国内定価は891,000円。
ただし600本の限定生産となっており、非常に稀少性の高い2023年新作となっております。
2023年タグホイヤー新作⑧アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ
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スペック
外装
型番: | WBP1180.BF0000 |
ケースサイズ: | 直径40mm |
素材: | チタン |
文字盤: | ブラック |
ムーブメント
ムーブメント: | TH50-00 |
駆動方式: | クォーツ |
パワーリザーブ: | – |
機能
防水: | 200m |
予価: | 368,500円(税込) |
2022年に登場した、ソーラーグラフの新作もチタン製アクアレーサー プロフェッショナル200から発表されております!
ソーラーグラフは、その名の通りソーラー充電式のクロノグラフです。
太陽光などといった「光」をエネルギーに駆動するソーラーウォッチ。シチズンやセイコーなどが有名で、あまりスイス高級時計メーカーが手掛けるといったイメージはなかったかもしれません。
しかしながら、使い捨て電池を必要とせず、光で駆動するソーラーウォッチはまさにサスティナブル!カルティエも近年では採用をスタートしましたが、2022年、タグホイヤーでもまたラインナップを開始しました。
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ソーラー式クロノグラフTH50-00が搭載されたのは、2022年に引き続いてアクアレーサー プロフェッショナル200。
タグホイヤーを代表するダイバーズウォッチであり、最先端のスペックを備えるのにうってつけの一大コレクションとなっております。
実際、逆回転防止ベゼルに200m防水と堅牢ながらスタイリッシュなチタン製40mmケースは、「最先端のオシャレダイバーズウォッチ」といった様相です。チタン由来の、精悍な外装がまた所有欲をくすぐります。
このアクアレーサー、アイコンとして文字盤に横縞が装飾されるのですが、ソーラー式になってもこれを崩していないことに驚きを禁じえません。
なぜならソーラーウォッチは、光をソーラーパネルまで透過させるために、透過率の高い文字盤素材を扱うことが多いです。そのため「文字盤デザインの自由度が低い」などと言われる個体もあったものですが、タグホイヤーは半透明の文字盤を使いつつも、アクアレーサーらしい高級感ある文字盤を実現しているのです(もちろん最近では、高級感溢れるソーラーウォッチも日本メーカーを中心にラインナップされていますが)。
さらに高効率なこのソーラーグラフは、なんとわずか2分だけ太陽光下に晒しておけば、1日の駆動を可能にするのだとか!
完全充電で6か月の動作を実現。再充電もスピーディーに行われ、時計が止まった際に10秒間ほど光に充てれば、再稼働するとのこと。またリューズ引き出しによってパワーセーブモードを発動させることも可能です。
現在ではソーラーウォッチは珍しくありませんが、タグホイヤーのそれはきわめて高性能であることがわかります。
なお、アクアレーサー プロフェッショナル200は6時位置にデイトが配されますが、ソーラーグラフは3時位置。光を効率的に透過させるための試みでしょう。
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ちなみにアクアレーサー ソーラーグラフを製造するために、タグホイヤーはラ・ジュー・ペレ社とパートナーシップを結んだと言うのだから、二重に驚きです。ラ・ジュー・ペレ社はスイス ラ・ショー・ド・フォンに本拠を構えるムーブメントサプライヤーです。2016年、同社を所有するプロサーホールディングとともに、日本のシチズン傘下に加わりました。
裏蓋には他のアクアレーサー プロフェッショナル200同様にコンパス模様がエングレービングされております。
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国内定価は368,500円。
ソーラーウォッチは扱いやすいため、初めてタグホイヤーをご購入になる方にとっても良い選択肢になるのではないでしょうか。
2023年タグホイヤー新作⑨コネクテッド キャリバーE4
出典:https://www.tagheuer.com/jp/ja/
スペック
外装
型番: | SBR8A80.EB0259他 |
ケースサイズ: | 直径45mm/42mm |
素材: | チタン |
文字盤: | ブラック |
機能
バッテリー容量: | 440mAh |
持続時間: | 数時間のスポーツセッションを行っても一日 |
充電時間: | 1時間半で100% |
機能
防水: | 50m |
コネクティビティ: | Wear OS by Google、心拍数モニター、Wi-Fi他 |
予価: | 313,500円(モデルによる) |
コネクテッドウォッチ(スマートウォッチ)市場にも殴り込みをかけたタグホイヤーの、最新世代「E4」に、新しい機種が追加されました!
高級時計市場はコロナ禍において成長を続けていると言われていますが、一方でスマートウォッチの市場シェアの拡大も、長年取り沙汰されてきました。
昔ながらのアナログまたはデジタル腕時計から、スマートフォンと連動できるスマートウォッチへと、ユーザーがシフトしてきている、と。確かにスマートウォッチは利便性が高く、また「腕時計はスマートウォッチ」といった方も増えてはいます。とは言え、高級機械式時計とはターゲット層が異なるといった点も指摘されてきました。
そんな中、高級時計ブランドを代表する存在でありながらも、自社でスマートウォッチ開発を積極的に行っているのがLVMHグループです。
とりわけタグホイヤーとウブロのスマートウォッチは数十万円~100万円超と、他のスマートウォッチと比較するとかなり高額であるにもかかわらず、当市場で大きな成功を収めてきました。
これまで培ってきた時計製造技術を活かし、高級スマートウォッチというジャンルを切り開いたがゆえでしょう。
タグホイヤーは、2015年に「コネクテッドウォッチ」としてリリースしました。2022年には「E4」として第四世代へと進化を果たしており、既存のファンやスマートウォッチユーザーを取り込んで、一大人気コレクションへと成長させています。
このコネクテッドウォッチに追加されたのは、グレード2チタン製モデル!直径45mmの、扱いやすいモデルが登場しております。
出典:https://www.tagheuer.com/jp/ja/
コネクテッドウォッチは、「カレラ」がベースとなっております。
そのためカレラ由来の複雑かつ美しいフォルムを湛えており、スマートウォッチにありがちな「ガジェット感」は取り払われていますね。
スティール製の回転式リューズやインターフェースナビゲーション用のプッシャーが、立体感を放ちます。他のタグホイヤー コネクテッドウォッチ同様に交換可能ストラップであるため、別売りストラップを購入することで、気分に合わせたデザインを楽しめるのも嬉しいところです。
なお、こちらはスポーツに特化した「スポーツエディション」とのこと!「トレイル&ハイキング」機能が加わったというのが、タグホイヤーの触れ込みです。
これはメインの距離表示を高度表示に変更することで、セッション中のユーザーをモニターできたり、コンパニオンモバイルアプリによって分析する際に利用できるというものです。その他セッション中の最低高度や最高高度を判別できたりと、トレイル&ハイキングに特化させられる一本となっております。
ゴルフエディションの、42mmサイズも併せてご紹介いたします。
出典:https://www.tagheuer.com/jp/ja/
もともとゴルフエディションは人気のコネクテッドウォッチでしたが、「フルショット トラッキング」機能によって、新作ではユーザーがウォッチを操作することなしにショットやパットが追跡され、自動でクラブに割り当てられるとのこと。
さらにパフォーマンスを学習することで、クラブの推奨値を提供したり、改善に役立つような提案をしたりできる、と(45mmサイズでも利用可能)。
さらにいっそう制御がしやすく、読み取りやすくなっているのだから、利便性には言うことなし。
なお、世界中の40,000以上のゴルフコースのハザードと距離を示す高解像度の20マップが含まれるとあって、タグホイヤーは「手首にぴったりのキャディ」と豪語します。
いずれも50m防水。
また各種センサや長持ちなバッテリーも搭載されておりますので、日常使いのスマートウォッチとしてもオススメです。
まとめ
タグホイヤーの2023年最新作をご紹介いたしました!
カレラ60周年モデルにアクアレーサー金無垢モデル。さらにはモンツァの復刻・・・いずれも2023年初頭から、ワクワクさせられる新作ばかりでしたね。
これだけ魅力的だと、新作の出回りが気になるところです。
今年もタグホイヤーから、目が離せません!
当記事の監修者
廣島浩二(ひろしま こうじ)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 主任
1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年