男子ゴルフのアメリカツアーで5年ぶりにタイガーウッズが優勝を果たしました。
一時はランキングが1193位まで落ち、「引退してしまうのでは?」と懸念されていましたが、彼は見事に復活を果たしたのです。
尚、このニュースは時計界においても話題を生みました。
ゴルフを趣味とする方は高級時計好きが多く、実際当店にご来店いただく方もゴルフ好きの方が多くいらっしゃいます。
高級時計とゴルフは実に親和性が高いのです。
そこで今回はタイガーウッズの復活を記念し、彼がアンバサダーを勤めていたブランドやこれまでにコラボレーションを果たした時計をご紹介いたします。
時計とゴルフがお好きな方は是非ご一読ください。
出典:https://www.rolex.com/ja/every-rolex-tells-a-story/tiger-woods-rolex-watch.html
目次
タイガーウッズがアンバサダーを勤めていたブランド
タイガー・ウッズ選手は1996年にプロゴルファーとなり、21歳にして史上最年少賞金王となったゴルフ界の大スターです。
そんなウッズ選手が最初に公式スポンサーとして契約した時計ブランドはチュードルでした。
チュードルとのスポンサー契約
今でこそチュードルはロレックスと異なる独自路線を歩んでいますが、ウッズ選手と公式スポンサー契約を結んだ1998年当時のチュードルはロレックスの廉価版というイメージが強い時期でした。
しかし、絶大な知名度と人気を誇っていたウッズ選手とのコラボレーションによって、「チュードルってただ安く買えるだけでじゃなくて、カッコいい時計が多い」というイメージを植え付けることに成功します。
その一端を担ったモデルこそが「クロノタイム」シリーズとタイガー・ウッズ選手とのコラボレーション時計「クロノタイム タイガー」です。
左:クロノタイムタイガー 79280 ブラック 右:クロノタイム タイガー 79280P ホワイト×ブラック
クロノタイムタイガーのデザインは多岐に渡ります。
シンプルなシルバー・ブラック文字盤のモデルもあれば、白黒の通称パンダダイヤルも用意されており、中にはイエロー文字盤といった個性的なデザインのモデルも発売されました。
いずれもスポーティーさと実用性を兼ね備えた人気モデルです。
タグホイヤーとのスポンサー契約
大成功を収めたチュードルとの契約は2002年5月にて終了しますが、同年10月にはスポーツ界との結びつきがタグホイヤーとスポンサー契約を果たします。
タグホイヤーの狙いはウッズ選手をアンバサダーに起用し、「スポーティな時計を作るブランド」という印象をより強固なモノにすることでした。
契約後、タグホイヤーは大々的な広告にタイガー・ウッズを起用し、人気モデル「リンク」とのコラボレーションモデルを発売します。
このモデルは彼のイメージカラーである赤と革新的なタグホイヤーの時計技術を融合させた画期的な一本であり、普段ゴルフに興味のない人にも絶大な支持を集めました。
タグホイヤー リンク CJF211C.BA0594 タイガーウッズモデル
また、タグホイヤーはタイガー・ウッズとの共同開発にも乗り出し、ゴルフウォッチというゴルフに最適なモデルを開発します。
「ゴルフウォッチ」の特徴は軽量かつ優れたフィット感により、プロゴルファーが使用するために考え抜かれた設計であることです。プロゴルファーのみならず、プロテニスプレーヤーである錦織圭選手も愛用しています。
ケースは正方形に近い形で大きさも38mm弱と程良い大きさです。重さは55gととても軽く、クラブを振り回したとしても煩わしさは感じない重さとなっております。
文字盤を見てみると、中央からインデックスにかけて丸い凹凸があります。
これはゴルフボールをイメージしたギョーシェ彫りとなっており、ゴルフ好きにはたまらない仕様です。
通常の時計の仕様としては、正面から見て右側にリューズを設ける事が多いのですが、こちらのゴルフウォッチは左側に付いています。
その特徴として、ゴルフは繊細なスポーツでありますのでリューズが手の甲に当たる事を嫌う方が多く、煩わしさを感じさせないために左側に付けたとされています。
ゴルフをされる方はこの重要性が非常に良くわかるのではないでしょうか。
ロレックスとのスポンサー契約
自らのスキャンダルの連続及びそれに伴うゴルフの成績不振、持病の腰痛。
あらゆる悲劇に見舞われたウッズ選手は2011年にタグホイヤーとのスポンサー契約を打ち切られます。
当時のウッズ選手の状況はアンバサダーとして相応しいとは決していえない状況であり、今度時計業界とのスポンサー契約が行われることは難しいといわれていました。
しかし、そんな逆境に追い込まれたウッズ選手に救いの手を差し伸べるブランドが現れたのです。
そのブランドこそ、時計界の王者 ロレックスでした。
ロレックスが何故ウッズ選手と契約を果たしたのかは未だ明らかになっていません。
チュードルのアンバサダーとしてチュードルの知名度拡大に大きく貢献したこと、全盛期と比較するとかなりリーズナブルに契約することが可能だったことなど、憶測される理由は様々です。
ただ、ロレックスは「タイガー・ウッズの未来への挑戦を支援し、 ともに歩んでいきます」というコメントを確かに残しており、ウッズ選手が再び輝きを放つことを信じていたことは間違いありません。
実際にウッズ選手は見事復活優勝を果たし、表舞台に返り咲いています。
「絶望の淵から這い上がった男」という新たなる称号を得た彼は、今後ロレックスのアンバサダーとして再び市場に大きな影響を与えるようになるでしょう。
復活したタイガーウッズが大会で身に着けていた時計
タイガーウッズ選手が優勝を果たした大会は米ジョージア州アトランタのイースト・レイク・ゴルフコースで開催された第80回PGAツアーです。
この大会でウッズ選手は通算11アンダーという全盛期を彷彿させる見事な活躍を見せ、もう二度と手にすることはないといわれた優勝トロフィーを再び手にします
また、トロフィーを持ちあげた彼の左腕にロレックス ディープシー 126660が輝いていたことも話題を生みました。
オフシーズンはサーフィンをして過ごすことの多いウッズ選手。
ロレックスのアンバサダーとして、そしてサーファーとして。
ディープシーの最新モデルである126660はまさに彼にピッタリの時計であるといえます。
ただ、126660は17.5mm、重量200g超えのデカ厚時計です。プレイ中に身に着ける時計としてはすごく邪魔になると思います。
また幾らタフな時計としてしられているディープシーとはいえ、プロゴルファーのスイングをずっと受けていたら故障してしまうのは目に見えています。
考えてみれば当然のことですが、ウッズ選手はセレモニーやプレー最中でないときには着用し、プレー中は外していたようです。
タイガーウッズがコラボした時計
タイガーウッズ選手の復活に伴い、ウッズ選手が過去にコラボした時計の価値が上がることが予想されます。
この記事の締めくくりとして過去の人気コラボモデルをご紹介しますので、興味のある方は中古店で探されてみてはいかがでしょうか?
チュードル クロノタイム タイガーウッズ 79260 シルバー
ロレックス・デイトナをリスペクトしたチュードルのハイスペッククロノグラフです。クロノグラフのお手本とも言える完成度の高い外観と、ロレックスでは考えられないプライスは当時の時計マニアの間でとても話題になりました。
12時位置の30分計の下部には、TIGERの文字が印字されています。
デイトナが横目のクロノグラフであるのに対し、こちらは縦目のクロノグラフです。ホワイト文字盤にバーインデックスを配したシンプルなデザインは今尚時計ファンに愛されています。
79280 レッド / 79280 ブルー / 79280 グリーン
クロノタイガーとしては非常に個性が強い「メタリックな文字盤」を配したモデルです。ボルドーとも呼ばれているレッド文字盤、深みのあるブルー文字盤、ゴルフの芝をが表現されているグリーン。いずれも当時話題を生みました。
タグホイヤー プロフェッショナル ゴルフウォッチ WAE1116.FT6004
タイガーウッズのコラボモデルといえば、やはりゴルフウォッチは欠かせません。
人間工学に基づいてデザインされ、タイガー・ウッズとの共同開発により誕生したゴルフウォッチはバックルを排しケース自体にバックル機能を持たせてしまうなど、ゴルファーが実際にプレイ中に着用することを考えてデザインされています。
ブラック文字盤にシルバーインデックスを配した基盤モデルが最も有名ですが、爽やかなホワイト文字盤も人気があります。
いずれも現在は30万円以下で購入できるので、機能性を考えればお得です。
まとめ
この数年間大きな挫折を味わったタイガーウッズ選手ですが、2018年9月に見事復活を果たしました。
その結果を受け、過去に彼が関わったコラボ時計の価値が上がることが予想されます。
特に国内正規での取り扱いがはじまるチュードルのクロノタイガーの動向には是非ご注目ください。
現在タイガーモデルはまだ30万円ほどで購入可能なので、ウッズ選手のファン・ゴルフファンならば今のうちに購入しておくのも良いかもしれません。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。