「チタン製腕時計のおすすめはどれ?」
「チタン製の腕時計はステンレス製腕時計と比べてどうなの?」
近年様々な腕時計ブランドから販売されているチタン製腕時計が気になっている方や、チタン製腕時計の特性について知りたい方もいるのではないでしょうか。
まず結論からお伝えすると、チタン製腕時計は強度や耐食性に優れ、金属アレルギーにもなりにくい特性を持っています。
この記事では、チタン製腕時計のおすすめモデルをはじめ、チタン製腕時計の特性について解説します。
また、チタン製腕時計を扱う際の注意点や、お手入れ方法などについても紹介していきますので、購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
チタン素材のメンズ腕時計おすすめモデルランキング
ギリシャ神話の巨人「タイタン」から名づけられたチタン(元素記号:Ti)は、高い強度や耐食性、軽量という特性を持ち、航空・宇宙・医療など様々な分野で活かされています。
腕時計の素材としては、1980年にIWCが世界で初めてクロノグラフウォッチのケースに採用し、その後軍用ダイバーズウォッチにも用いられました。
現在では超高級腕時計ブランドのリシャールミルをはじめ、パネライやタグホイヤーなど様々なブランドで、チタン製の腕時計をリリースしています。
ブルガリ オクト フィニッシモ ローマエディション 日本限定30本 103766(BGO40TXT)

素材: チタン / TI
ケース:直径 40mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
ブルガリの「オクト」コレクションは、その名の通り8角形(オクタゴン)のフォルムが特徴的なデザインです。このシリーズは、従来のメンズウォッチとは一線を画す独自の造形美を持ち、時計業界においても革新的な存在となっています。
本モデルは、2017年に登場した当時世界最薄の自動巻き腕時計「オクト フィニッシモ オートマティック」をベースにした日本限定モデルであり、わずか30本のみが販売されました。
チタンという先進素材を活かしたオクト フィニッシモは、軽やかさと耐久性、そして独自のデザイン美が融合したタイムピース。日本限定30本という希少性も加わり、特別な一本として高い魅力を持っています。
ロレックスヨットマスター42 Ref.226627

素材: チタン / TI
ケースサイズ:42mm
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
ロレックスのおすすめチタン製腕時計は、ロレックスのグレード5チタン「RLXチタン」を採用したヨットマスター42 Ref.226627です。
RLXチタンを使用したヨットマスターは、非常に強度の高い素材でありながら、ロレックスの基準となるハイレベルなポリッシュ仕上げやサテン仕上げを施した、シックなカラーリングのモデルです。
ヨットマスターはロレックスのラグジュアリースポーツウォッチのなかでもハイエンドモデルにラインナップされており、同社では高い品質を実現させるためRLXチタン加工用の特殊な製造工程を導入しています。
ウブロ クラシックフュージョン オリジナル チタニウム 542.NX.1270.RX.MDM

素材: チタン / TI
ケース:直径 42mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
高級なラグジュアリースポーツウォッチで知られるウブロは、コンセプトに「異素材の融合」を据えており、注目素材のチタンも積極的に採用しています。
最高品質のグレード5チタンのみを使用したモデルは、ウブロのラインナップでは異彩を放つシックでダークなカラーリングが特徴で、人気もあります。
一度研磨するとわずかにブルーを帯びた魅惑的な輝きを得る、というチタン素材の特性を生かしたシンプルなクラシックフュージョンは、大きさに対する軽さもおすすめのポイントです。
グランドセイコー 9Sメカニカル 初代グランドセイコー リミテッドコレクション2017 SBGR305

素材: チタン / TI
ケース:直径 40.5mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
グランドセイコーの初代グランドセイコー リミテッドコレクション2017 「現代デザイン」では、グランドセイコー独自の「ブリリアントハードチタン」が採用されています。
ブリリアントハードチタンはグランドセイコーが独自開発した新素材で、グレード2チタンと同様の素材的な利点を持ったうえに、ステンレスよりも傷がつきにくいという特性を持っています。
さらに高い加工技術であるザラツ研磨で仕上げを施せるうえ、磨き上げることで白く輝くようなカラーを出すことも可能なため、ホワイトゴールドやプラチナのようなつややかさも表現しています。
チューダー ペラゴス 25407N

素材: チタン / TI
ケース:直径 39mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
チューダーのペラゴス 25407Nは、グレード2チタンを採用した本格的ダイバーズウォッチです。
ペラゴスとは「深海」という意味のギリシャ語からつけられた名前で、実際に高い防水性能や潮水に対する耐食性を誇ります。
加工しやすいグレード5チタンではなく、チタンという素材の優れた点がより活かされるグレード2チタン(純チタン)を使用しつつ、ダイアルやベゼルにも輝く仕上げを施した人気のモデルです。
ゼニス デファイ クラシック 95.9000.670/51.R584 中古 メンズ

素材: チタン / TI
ケース:直径 41mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
五芒星がトレードマークのゼニスが、創業当初の1865年から展開する「Defi」(挑戦:フランス語)は懐中時計の昔から頑丈なモデルで、チタン素材もまたデファイシリーズで使用されています。
ゼニスといえば高性能ムーブメント「エル・プリメロ」で知られていますが、チタン素材製のデファイ クラシック 95.9000.670/51.R584には更なる改良を加えた薄型の「エリート」が搭載されています。
頑強なチタンケースはステンレススチールのように明るい色合いで、薄型ケースとなめらかな仕上げで着け心地も抜群です。
ブランパン フィフティファゾムス バチスカーフ 5000-1210-G52A 中古 メンズ

素材: チタン / TI
ケース:直径 43mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
1735年に創業した最古の腕時計ブランド・ブランパンでは、人気のラグジュアリースポーツウォッチ「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」に非常に高品質のグレード23チタンを使用しています。
「50ファゾムス」は古い水深単位、バチスカーフは小型深海探査艇の名前で、フランス海軍特殊部隊コンバットダイバーからの要請により開発されたダイバーズウォッチです。
120時間という驚異のパワーリザーブを誇るムーブメントを搭載したケースは、チタンのくすんだ鈍色という特性をあえて活かし、モダンでスタイリッシュなデザインに仕上げています。
チタン腕時計のメリット
現在では様々なブランドで使われるようになったチタンには、腕時計に最適なメリットが数多くあります。
水濡れに強く錆びにくい
チタンは水に濡れても錆びにくいという特性を持ち、汗や雨、海水にも強い金属として知られています。
チタンは酸素に触れて酸化すると、塩化物イオンに対する耐性が強力になる面白い性質を持っているため、海水でもプラチナ並みに錆びにくいのです。
生活防水レベルの水濡れや汗でも錆びにくいだけでなく、海水と水圧というダメージを受け続けるダイバーズウォッチのようなプロフェッショナルツールウォッチにも最適です。
金属アレルギーが起きにくい
チタンは生体適合性が高い「生物に優しい金属」で、特に金属アレルギーを起こしにくい金属です。
一般的な金属アレルギーは、金属の表面が汗などに反応して金属イオンとなり、タンパク質と結合してアレルゲンに変化して、身体に取り込まれることで発症するとされています。
しかしチタンは酸化による強力な酸化被膜を金属表面に生成するため、金属イオンが汗などで溶け出しにくくなり、アレルギーが抑えられると考えられています。
他の金属よりも軽くて着けやすい
チタンは非常に軽い金属で、腕時計として加工されても重くならず、デカ厚ケースやフルメタルのブレスレットタイプでも着けやすい点もメリットです。
ステンレスと比較すると約60%ほど軽く、銅と比較すれば半分程度の重さしかないため、航空業界・宇宙開発では重さ軽減のためチタンを積極的に採用しています。
また、チタンは他の金属よりも熱伝導率が小さいという特性をもっており、肌に直接触れる腕時計では不快なく着用できます。
強度が高い
チタンは大変強度が高く、比強度(同じ重量当たりの強度)では鉄の2倍、ステンレススチールの3倍という強度を誇り、チタン合金は更にハイレベルジュラルミンよりも強度が増します。
さらに、引っ張られる力に耐える引張強度は、ステンレススチールの約74値に対してなんと約999値という強さを持ち、ロケット部品にも使用されています。
また、鉄やステンレススチールよりも熱に強く、さらに強度が高いのに柔軟性があり、しかも多少曲がっても元に戻るため衝撃に強いという、ユニークで利便性のある性質も持っています。
チタン腕時計のデメリット
チタンという金属には錆びにくくて強度が高く、金属アレルギーが起きにくいなど優れた特性がたくさんあります。
一方で、腕時計に加工する際にデメリットとなる性質について、解説します。
色味がくすんだ感じで輝きが出にくい
チタンはもともと灰褐色の金属で、ゴールドやプラチナ、ステンレススチールと比較するとくすんだ色味をしています。
さらに非常に強度が高い堅牢な金属ゆえに研磨が難しく、他の貴金属と比べて表面仕上げがしづらいため輝きが出にくいというデメリットがあります。
しかし、腕時計ブランド各社では様々な工夫を凝らしてチタン製腕時計の表面仕上げを行ったり、ダークで輝きを抑えた色味を活かしたデザインを開発したりするなど、デメリットをメリットに変えたモデルが数多く存在します。
加工コストが高く価格も高め
チタンは希少な金属で元々の単価が高く、さらに非常に堅牢なため加工が難しいゆえに製造コストも高くなってしまうという点も、デメリットのひとつです。
つややかな表面加工をはじめ、複雑で繊細な加工を施すことは大変な技術力を必要とするため、チタン製の腕時計はステンレススチールモデルよりも高額な「貴金属モデル」に分類されます。
生産コストがかかるため価格にも反映されてしまいますが、ダークで深みのある色合いや落ち着いたたたずまいなど、価格に見合う高級感ある仕上がりの腕時計が多くラインナップされています。
表面の傷は目立ちやすい
なめらかに輝く高度なポリッシュ仕上げを施した場合、チタン製の腕時計ケースやブレスレットの表面についた傷が目立ちやすくなってしまうというデメリットもあります。
非常に堅牢度の高いチタンは、一般的な腕時計に使用される他の金属よりも傷つきにくい性質を持っていますが、高度に研磨されたチタンではかえって傷が目立ってしまうのです。
また純チタンではなく、より腕時計としての品質をアップさせるために使用されるチタン合金の一部には、柔らかく傷つきやすい特徴を持つものもあります。
重量感が欲しい人にはマッチしない
チタンは強度に対して軽い金属で、ゴールド素材やステンレススチールと比較するとかなり軽い着用感が得られます。
フルメタルモデルは重いと感じる方にはメリットですが、メタルのずっしりとした着用感が好きだと感じる方には物足りなさがあるかもしれません。
腕時計に重量感を求める方にとって、チタンの持つ軽さという武器は逆にデメリットになってしまいます。
チタン素材の腕時計の傷つきやすさは?
チタン素材は大変硬く強度に優れている一方、研磨などの仕上げが難しいとされてきました。
しかし、近年では様々な表面加工技術が進み、デザイン性が向上していますが、一度傷がつくと目立ちやすいとも言われています。
各ブランドの技術革新がしのぎを削る、チタン素材の腕時計について、傷つきやすさや仕上げという観点から解説します。
グレード2チタンとグレード5チタンの違いは?
チタン素材には様々なグレードがあり、腕時計には大きくわけてグレード2チタンとグレード5チタンという2種類が使用されています。
- 純チタンと呼ばれる素材
- 古くはチタン素材の主流だった
- 4種に分類される純チタンのなかで最もバランスに優れる
- 加工が難しい
- 64チタンとも呼ばれる
- アルミニウム約6%・バナジウム約4%を添加した素材
- 現在主な腕時計素材に使用されている
- 加工が比較的しやすい
- 航空・宇宙・医療業界でも使用されるメジャーなチタン合金
強度と耐食性のバランスに優れ、チタンの特性を最も高く発揮できる素材は純チタンのグレード2チタンですが、加工には高い技術力が求められます。
現在、腕時計素材としてもっとも多く使用されているものはグレード5チタンで、宇宙・航空・医療業界でもよく使われる素材です。
グレード5チタンは技術向上に従って高級仕上げも可能となり、素材としての優秀さもグレード2チタンに肉薄するようになってきています。
チタンはステンレススチールより傷つきやすい?
チタンは非常に強く軽量という腕時計にぴったりな特性を持っていますが、実は表面強度がそれほど強くないため、傷つきやすいという特性があります。
傷のつきやすさについては、強度としては劣るステンレススチールとほぼ変わらないとされています。
さらに一度傷つくと目立ちやすい性質もありますが、近年ではマイクロブラスト加工などの特殊技術を用いて、表面の硬度もアップできるようになっています。
より優れた素材のグレード23チタンも登場
グレード2チタンやグレード5チタンだけでなく、近年ではさらに優れた素材のグレード23チタンが、ブランパンの「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」などで採用されています。
グレード23チタン(Ti6Al4VELI)は、グレード5チタンを高純度にして特性を向上させた素材で、腕時計業界はもちろん医療分野でも活用されています。
今後ますます利用されていく可能性を秘めたグレード23チタンの特性についてまとめてご紹介します。
- グレード5チタンよりも高純度
- 鉄と酸素の使用量が少ない
- 低密度
- 耐食性は最高レベル
- 生体適合性が高く金属アレルギーが起きにくい
- 耐欠損性が高く欠けにくい
- 粘り強くしなる
チタン腕時計の手入れ方法
チタン腕時計は錆びにくいという特性がありますが、水でじゃぶじゃぶ洗ったり、汗や皮脂などがついても放置したりすれば傷みが発生する可能性があります。
特に腕時計は常に素肌と触れているため汗や皮脂が付着しやすく、ダイバーズウォッチは潮水に浸っている時間も長いため、正しいお手入れが欠かせません。
チタン製腕時計のお手入れ方法について、気を付けたい点を紹介します。
- ケースは使用したら柔らかい布でやさしく拭う
- ケースには水を直接かけて洗わない
- 水濡れした場合は柔らかい布で水気を拭って乾燥させる
- 汚れがひどい場合は柔らかいブラシで汚れをかきだす
- ブレスレットは中性洗剤と柔らかいブラシでやさしく洗う
- ベンジンや漂白剤は絶対に使用しない
ダイバーズウォッチは水に強いと思われがちですが、水道水の水を直接かけると水圧で内部に浸水する危険があるため、ケースの水洗いは避けましょう。
また、汚れが気になってきたら腕時計専門店に依頼して、メインテナンスやオーバーホールをおすすめします。
チタンの腕時計は軽くて快適!でも大切に扱おう
チタンは宇宙工学や医療分野で活用されるように耐食性や抗アレルギー性、強度に優れた素材で、腕時計にも盛んに採用されるようになってきた金属です。
非常に軽いためフルメタルでも快適に身に着けられるうえ、丈夫で錆びや海水にも強く、ダイバーズウォッチなどスポーツウォッチに多く使われています。
チタンは使用感に優れたおすすめの腕時計素材ですが、傷がつきやすいというデメリットもあるため、大切に扱ってお手入れも行うようにしましょう。