デイトナ, WEBマガジン, 田中拓郎, ラグジュアリーモデル特集, ロレックス, パテックフィリップ, ヴァシュロンコンスタンタン, ブレゲ, グランドセイコー, ジャガールクルト, ランゲ&ゾーネ
50代、60代の男性にお勧めしたい高級腕時計8選
最終更新日:
男性としての魅力が成熟する50代、60代。
スーツやカバン、服、靴、財布など、持ち物に大きな様変わりを見せる時期だと思います。
今まで着ていた服が似合わなくなった・・。
自分の社会的地位に見合うものがほしい・・。
50代、60代の方にとって「外見を整える」のは、マナー以前のこと。服装や持ち物にお金をかけ、良いものを使用するということは、社会的なコミュニケーションを重視している表れでもあります。
身だしなみを意識する中で、最も個性を演出しやすいファッションアイテムの一つに「腕時計」が挙げられます。
その人自身のセンスや人柄、ともすればステータスをも表す腕時計。
50代、60代の方々は、どんな腕時計を身に着けているのでしょうか?
そこで今回は、東京・銀座にある高級腕時計専門店GINZA RASINのスタッフが、50代、60代の男性におすすめしたい腕時計を8つピックアップしました。
いろいろな経験を乗り越えてこられた本物の男にこそふさわしい時計です。
20代、30代の頃から使っているタグホイヤーやオメガ、40代で購入したブライトリングやIWCもいいけれど、「50代、60代の男性にしか似合わない本物の腕時計」をぜひご覧になってください。
目次
50代、60代の男性におすすめしたい腕時計① ロレックス デイデイト
時計の王様ロレックス。
その圧倒的なまでの知名度とステータス性は、年代問わず常に男の憧れであり、人気ブランドの定番であり続けてきました。
多くのコレクションを持つロレックスですが、50代、60代の男性に見合うロレックスはどれなのか?
シンプルなエクスプローラーIか、さわやかなサブマリーナ、クロノグラフの王者と呼ばれるデイトナ・・。
様々な選択肢がありますが、私がお勧めしたいのはデイデイトです。
デイデイトはロレックスのハイエンドラインとして1956年に発表されました。
日付・曜日表示機能が搭載された実用的なモデルながら、全ての素材にゴールドやプラチナが採用されるというゴージャスなコレクションです。
ロレックスのメンズモデルはオイスターブレスが一般的ですが、プレジデントブレスを備えていることも高級感に一役買います。
ロレックスの最高級モデルであり、「富と成功のシンボル」とも言われています。
ゴールドやプラチナは一過性の人気に左右されない安定した資産価値があることもポイントです。
プラチナ製デイデイト 118296 / ホワイトゴールド製デイデイト 118239
イエローゴールド製デイデイト 118238 / エバーローズゴールド製デイデイト 118135
もちろんロレックスらしく、腕時計としての性能・機能もトップレベル。
クロノメーター認定の自社製自動巻きムーブメントCal.3155(2015年以降はCal.3255に順次載せ替え)を搭載しており、精度・性能ともに非常に優れております。
現行モデルのケースサイズは36mmか40mm。
文字盤のデザインバリエーションが豊富ですので、とびきりゴージャスなものを選ぶもよし、シックなモデルを選ぶのもよしです。
デイデイトはロレックスきってのハイエンドだけあり有名人の愛用者も多く、梅沢富美男さんなど脂ののりきった50代以上の男性に愛用されています。
ここぞと言う時の大切なビジネスシーンのみならずフォーマルシーンにもマッチする、まさに大人の腕時計の象徴のような存在です。
50代、60代の男性におすすめしたい腕時計② グランドセイコー
かつて「おじさんの腕時計」なんて言われていたグランドセイコー。
実は根強い時計ファンが多いブランドで、「時計はグランドセイコーでなくてはならない!」といった方も多いです。
2017年、母体となるセイコーから独立し、メンズのみならずレディースを含む購入層の拡大や海外市場への積極的な事業展開を着々と進めています。
実際、メイドインジャパンの安心感も相まって、海外での評価も上々。
スプリングドライブ SBGA299 / 9S メカニカル SBGR259
ロレックス デイデイトとは異なり華美な装飾はありません。「最高の普通」というコンセプトがあるため、ぱっと見はシンプルな外観が目につきます。
持ち味は、なんといってもその品質。
その普遍性高いケースにはグランドセイコーのデザインアイデンティティでもある「ザラツ研磨」という下地処理が施されています。
これによって歪みのないフォルム、美しい質感、そして丁寧な鏡面仕上げとマッチして、高級腕時計らしい立体感を醸し出しているのです。
普遍的な外観とはうらはらに、内臓されるムーブメントは唯一無二。
ラインナップは基本的に三種類で、スイス・クロノメーター規格よりも高い精度基準をクリアした「メカニカルムーブメント」、機械式時計の常識を覆した「スプリングドライブ」、そしてクォーツを超えるクォーツと名高い「クォーツムーブメント」となりますが、いずれも時計本来に求められる価値を極限まで追求しているのです。
まさに実用時計としての極致。
出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/
50代、60代のメンズが身に着ける腕時計だと、薄型でドレッシー、革ベルトタイプのものが多いかもしれません。
グランドセイコーのオーソドックスなデザインもいいですが、クロノグラフ搭載機などのスポーティーモデルでも高い作りこみが見られるため、決して見劣りはしません。
華美な装飾や主張はない。
黙々と、しかし着実に自分の道を歩む、そんな大人の顔をのぞかせるブランドです。
クォーツは比較的手に入れやすい価格帯のモデルも多いので、日常使いできる高級時計をお探しの方におすすめです。
50代、60代の男性におすすめしたい腕時計③ ブレゲ マリーン
時計の歴史を200年早めたといわれるアブラアム=ルイ・ブレゲに端を発するブランド「ブレゲ」。
ブレゲの時計が持つ数々の逸話や愛用した歴史的人物、それを背負うだけの威厳ある美しさ、そして他ブランドには真似できない品格はとにかく「凄い」の一言です。
正統派の美しさを持つ「クラシック」シリーズも抜群の存在感を持ちますが、50代、60代の男性にお勧めしたいのはスポーティーで現代的な「マリーン」です。
マリーンはフランス海軍御用達の時計で、マリンクロノメーター(航海用精密時計)からヒントを得た伝統的なシリーズです。
しかし堅牢なケース、リューズプロテクター、またそれらを引き立てるスタイリングや仕上げなどが、今をときめく現代ウォッチと遜色ないデザイン性を有しているのです。
まさにエレガントとスポーティーのハーモニー。
マリーンはいくつかの系譜を経ていますが、基本スタイルは変わりません。
特に海を彷彿とさせる文字盤の波型ギョーシェやケースサイドのコインエッジは、素晴らしいの一語につきます。
反面、ラバーベルトを採用する、スポーツモデルらしくタフな作りこみをする、など数々の新境地に踏み込むシリーズでもあります。
ブレゲ マリーンII ラージデイト 5817BE/Z2/5V8 / 5817ST/Y2/5V8
ブレゲもまた個体数が少なく、入手困難なブランドの一つ。
高額なこともあり、購入される方は年配の方が多いです。また、今まで何本も高級時計を所有してきた時計上級者の方が多く愛用されています。
様々なバリエーションを持ち、人気が高いのはローズゴールドまたはステンレスモデル。
文字盤の色は黒、シルバー、ブラウン、スケルトンなど多彩です。
時計専門店でもあまり見かけることのないモデルですので、見つけた時が買い時です。
50代、60代の男性におすすめしたい腕時計④ ジャガールクルト マスター
ムーブメントの評価は時計業界随一といっても過言ではないジャガールクルト。
海外では質の良い高級時計として定番であり、時計愛好家やコレクターをはじめ、時計にお詳しい方からの支持が厚いブランドです。
理由としてはやはり時計本来の価値が大きく出るムーブメントに拠るところが大きいのではないでしょうか。
ジャガールクルトは「マスター1000アワーズコントロール」という独自規格のもと、ムーブメントを中心に1000時間にもわたって耐久性、耐水性、耐磁性等検査を経た腕時計のみ商品化しているのです。
その検査を最初に実施したとしてシリーズ名にちなんだのが「マスター」。
正統派のフォルムを有し、かつブランド理念であるムーブメントへの情熱を象徴するマスターコレクションはジャガールクルトを語るうえで欠かせないフラグシップなのです。
ジャガールクルトの、高い技術を証明するようなメンズマスターモデルをいくつかご紹介いたします。
トリプルカレンダー、ムーンフェイズ、パワーリザーブを備えたQ151842F(147.8.41.S)。
複雑機構を搭載したムーブメントの信頼性の高さもさることながら、絶妙な文字盤デザインで視認性の邪魔をしません。
パワーリザーブ表示(リザーブ・ド・マルシェ)とポインターデイトを搭載した“マスター ウルトラスリムQ1378420(176.8.38.S)。
自動巻きでありながら、ケースの厚みは10mmに満たないスタイリッシュな一本。
秘訣はやはりムーブメントにあり、緻密な設計と高度な技術により、この薄さを実現しています。
価格帯は今回ご紹介したブランドの中ではリーズナブルですが、上品なフォルムや絶妙な文字盤デザインは高級感抜群です。
50代、60代の男性におすすめしたい腕時計⑤ カルティエ タンクルイカルティエ
出典:https://www.watchesandwonders.com/en/geneva-2022/event/
タンクルイカルティエはタンクシリーズの原点となる普遍的な魅力を秘めたモデルです。
タンクソロやタンクマストもタンクルイカルティエからインスピレーションを得てデザインされており、カルティエ特有の美意識が味わえるコレクションとして知られます。
シンプルで合理的なアールデコ様式に、50代、60代の男性によく似合うモダンな雰囲気。
トレンドに左右されることなく身につけることができるため、一生モノとしても人気があります。
出典:https://www.cartier.jp/ja/
タンクシリーズはいずれもカルティエの定番として高い需要を誇りますが、タンクルイカルティエは知的な雰囲気を持つコレクションとして愛されています。
無駄を削ぎ落とした洗練されたフォルムに、美しく輝くサファイアカボションのリューズ。クラシカルな意匠を持つローマ数字と「レイルウェイ」の素晴らしさも他のモデルでは味わえない魅力です。
2022年W&Wにおいては3種類の新作がローンチされ、ますます注目度が高まっています。
50代、60代の男性におすすめしたい腕時計⑥ パテックフィリップ カラトラバ
出典:https://www.patek.com/en/home
人気や知名度はロレックスがナンバーワンですが、伝統、風格、圧巻のステータスといえば、パテックフィリップに追随できるブランドはありません。
オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンと並んで世界三大腕時計ブランドに数え上げられますが、パテックフィリップの凄さはその中でさらに郡を抜いているのです。
50代、60代ともなると経営者や会社役員に就く方もいらっしゃるかと思いますが、そんな方々の風格に呼応できるシリーズがカラトラバ。
スポーツモデルのノーチラスもいいけれど、パテックフィリップの伝統とステータスを象徴する存在としてカラトラバはワンステップ上の位置づけにあります。
初出の1932年から80年以上の歴史の中で多くの名作を生みだしてきましたが、初代から基本デザインは変わりません。
カラトラバのファーストモデルのRef.96は「機能がフォルムを決定する」「シンプルこそ美しい」といったドイツのバウハウス哲学のもとに製造されており、わかりやすい華美さはありません。しかし視認性高い文字盤に配されたバーインデックスにドフィーヌ針、流麗なケースラインとラグなど、全てが完璧なバランスで造形されました。
その意匠を連綿と受け継ぎ、「世界の丸形時計の規範」「永遠のクラシック」と称されるに至ります。
このエピソード自体が、もう若者では着けこなせない、大人の男性だけに許された魅力だと思います。
実際、中古品でも100万円を超える価格帯のため、愛用者は40代以上がほとんどです。
パテックフィリップは年間製造本数が少なく、手に入りづらいモデルでもあります。しかしそれは同時に、資産価値が非常に高いことも意味します。
カラトラバに限らずパテックフィリップの腕時計というのは日用品ではなく「芸術品」「資産」としての側面が大きいもの。
昨今のパテックフィリップ人気と合わせて、確実にプレミア価格をつけてきているのです。
もし100万円以上のご予算がある方は、ぜひ一度カラトラバを手にとってみてください。
そのどこまでも端正な顔と威厳溢れる意匠に引き込まれることでしょう。
50代、60代の男性におすすめしたい腕時計⑦ ランゲ&ゾーネ カバレット
パテックフィリップやブレゲ同様、ある程度の年齢を超えた男性にしか似合わない時計というのはやはりあります。
その一つとして挙げられるのはランゲ&ゾーネ。
ドイツきっての名門ブランドで、堅実な技法と考え抜かれた独創的かつ端正なデザインから、唯一パテックフィリップに追随できるブランドという評価を受けています。
ランゲ1がもっとも有名なコレクションですが、今回お勧めしたいのはレクタンギュラーケースが特徴的な「カバレット」です。
ステータスシンボルとなる腕時計が欲しいけど、でも遊び心も大切にしたい。
人と似たような時計は欲しくない。
そんなおしゃれな大人の男性にうってつけのシリーズです。
存在感あるフォルムながら、やや湾曲したケースが腕になじみ、高級時計らしい風格ある佇まいを見せます。
それもそのはず、カバレットにはケース形状に合わせた専用ムーブメントが搭載されており、ムーブメントの大きさにケースを無理やり合わせることなく、自然な流れのドレスウォッチとして仕上げることを可能にしているのです。
奇抜なデザインや派手なマーケティング戦略に頼らず、人気ブランドであることに固執せず、ただひたすらものづくりに打ち込んできたランゲ&ゾーネらしいシリーズです。
ヴァシュロンコンスタンタンやカルティエ、ゼニスなどにも見られるビッグデイトの先駆けとなった同社らしく、絶妙な位置づけにデイト窓があるのもいいですね。
ランゲ&ゾーネは時計製造の少なくない部分を手作業で担っているため年間生産本数が非常に少なく、国内在庫は常に品薄です。
中古品でも価格は100万円をゆうに超えます。
ランゲ1やサクソニアもまた素晴らしい時計だとわかっている、でもカバレットだけが持つ魅力に惹かれた・・・生産終了からかなり日が経っているにもかかわらずそんな声が聞こえるのは、それだけカバレットが銘品だから。
ドイツブランドらしく品質の良さもまた一級品のため、自分から子どもへ、そしてその孫へ・・・
家宝のようにいつまでも継承していける腕時計でもあります。
50代、60代の男性におすすめしたい腕時計⑧ ヴァシュロンコンスタンタン パトリモニー
出典:https://www.instagram.com/vacheronconstantin/
50代、60代以上の男性に最も似合うドレスウォッチを挙げるとしたら、デイデイトやカラトラバ、ブレゲのクラシック・・・
意見は分かれますが、私はヴァシュロンコンスタンタンのパトリモニーを提案させていただきたいです。
パテックフィリップと並んで世界三大時計に名を連ねるヴァシュロンコンスタンタンの、最高級ドレスウォッチラインとして名を馳せるシリーズです。
もちろんオーヴァーシーズほどのメインストリームではありませんが、パトリモニーは250年以上もの歴史を誇るヴァシュロンの伝統を強く受け継いだ正統派コレクションなのです。
2針、または3針のシンプルなクラシカルデザインに加え、無駄のない調和のとれたプロポーション。
デザインコンセプトは1957年に手がけていた伝統的なドレスウォッチのリバイバルです。
出典:http://www.vacheron-constantin.com/jp/
クラシカルでシンプルな見た目から、パトリモニーは古くから存在する伝統的コレクションのように見えますが、初出2004年と割と最近のモデル。
そのためデザインはクラシカルながら、内臓されるムーブメントや細部は最先端技術が駆使されているという、温故知新の極致のような存在です。
よくカラトラバと購入を迷われる方もいらっしゃいますが、パトリモニーはケースサイズ40mm前後とカラトラバよりボリューミー(もっとも、最近のカラトラバはモダンサイズの展開にも積極的ですが)。そんなところにも現代テイストが見てとれます。
もちろん雲上ブランドのため高価格帯にはなりますが、カラトラバより比較的手に入れやすく、中古の値段が抑えられることは事実です。
また、今流行りのスケルトンタイプを始め直径36mmのスモールモデル、薄型のエクストラフラット、レトログラードやムーンフェイズ、永久カレンダーを搭載したコンプリケーションなど、多彩なラインナップで展開していることも特徴的。
パトリモニーの王道・トラディショナル 43075/000R-9737
厚み僅か8mmのピンクゴールドケースに、完全自社開発の自動巻きCal.1120を搭載しています。
美術工芸品のようなパトリモニー 43178/000G-9393。
ドレスウォッチの最高峰のうちの一つに挙げられる理由は、内外ともに息を呑むような設計、デザイン、装飾がなされていること。
自動巻きで7mmに満たない超薄型ムーブメントを搭載しています。
ただのシンプルに落ち着かない、実は老舗の独創性とチャレンジ精神に溢れたコレクションなのです。
ちなみにヴァシュロンコンスタンタンは1755年創業と、実は260年以上途切れることのない世界最古のブランドです。
そのエピソードは会社を経営されている方々などから非常に好まれており、50代以上の男性にとっては最も思いを入れやすい一本ではないでしょうか。
まとめ
若者には出せない大人の魅力を備えるのは50代、60代。
そんな方々にぴったりな、内外ともに成熟した時計をセレクト致しました。
いずれも生涯のパートナーとして一生使い続けられるものばかりです。
ご自身に合ったベストの一本に出会えますように。
当記事の監修者
田中拓郎(たなか たくろう)
高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年