「ゼニスの型番にはどんな意味があるの?」
「ゼニスの型番の読み方について詳しく知りたい」
名機エルプリメロを作り上げ名を馳せた「ゼニス」。
世界屈指の技術力を持ち、デファイやエリート、クロノマスターといった数々の名作を世に放ってきました。
そんなゼニスの型番の読み方が知りたいという人は多いのではないでしょうか。
ゼニスは桁数の多い複雑なリファレンスナンバーを採用しているため、型番からモデル名やケース素材といった多くの情報を知ることができます。
ただ、他のブランドよりも法則性に一貫性がないため、判別する難易度は高めです。
この記事ではゼニスの型番の読み方を、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
ゼニスの型番の法則についても解説しますので、ゼニスの時計に興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
ゼニスの型番法則
ゼニスの型番は「03.2520.400/69.C713」のように数字とアルファベットで構成されており、「/(スラッシュ)」と「.(ドット)」で区切られています。
また、本体ケース裏蓋には「/(スラッシュ)」の前9桁が刻まれており、こちらはショートナンバーと呼ばれることもあります。
型番から読み取れる情報はケース素材、モデルナンバー、色や素材、文字盤コード、ムーブメントの種類やキャリバーの数字、ストラップコードなど。
一つひとつ読み解くことで、多くの情報を知ることができます。
ロレックスやオメガ、タグホイヤーといったブランドと比べると法則性に欠けますが、時計の大まかな特徴は掴むことができます。
ゼニスの型番法則 冒頭2桁の数字:ケースの素材
ゼニスの型番 冒頭2桁は「ケース素材」を表します。
冒頭でケース素材を示すブランドは少なく、ゼニスの型番の大きな特徴となっています。
主に使用されるのはステンレススティール「03」。
数字 | 意味 |
---|---|
01 / 03 | ステンレススティール |
11 | ステンレススティール(回転ベゼル) |
18 | ローズゴールド |
24 | セラミナイズドアルミニウム |
33 | チタニウム(ベゼルダイヤ) |
51 | ステンレススティール×ローズゴールド |
49 | ブラックセラミック |
95 | チタニウム |
96 / 97 | ブラックチタン |
デファイを中心にブラックセラミックを採用するモデルが増えており、それに伴いブラックセラミック「49」が冒頭2桁に使われるモデルが多くなっています。
軽量素材チタン「95」もよく見かけ、ステンレススティール「03」と合わせて近年のトレンドとなっています。
ゼニスの型番法則 3~6桁目の数字:モデルナンバー
ケース素材に続いて表示される4桁の数字が示すのはモデルナンバーです。
最初の3桁がモデルコードとなっており、末尾1桁はケースの大きさ、色や素材などの組み合わせ等によって変化します。
例えばデファイであれば「9000」「9002」、パイロットであれば「2430」「2240」などがモデルナンバーに使用されています。
モデル | モデルナンバー |
---|---|
クロノマスター | 0240 / 2530 / 2081 / A384 など |
デファイ | 9000 / 9001 / 9002 など |
エリート | 0125 / 2100 / 2020 / 3100 など |
エルプリメロ | 2150 / 2520 / 2080 / 3001 など |
パイロット | 2240 / 2430 / 2431 など |
ポートロワイヤル | 0540 / 0550 など |
クラス | 0500 など |
エクストリーム | 0515 / 0525 / 0527 /0528 など |
一定の法則性はありますが、こちらも絶対的なモノではありません。
なお、限定モデルは先頭の数字にアルファベットが用いられることもあります。
ゼニスの型番法則 7桁〜9桁目の英数字:ムーブメントナンバー
スラッシュの手前、7桁目〜9桁目の数字が示すのはムーブメントの種類です。
エリート Cal.679であれば「679」、エルプリメロ9004であれば「9004」が数字に当てはめられます。
以前は3桁が基本でしたが、現在は4桁のムーブメントが増えていることから、型番のムーブメントナンバーも4桁になっていることが多いです。
基本的にエルプリメロ系かエリート系のどちらかが搭載されていますが、 1/100秒を計測できるクロノグラフを搭載した新しいエルプリメロ21には新たに900×系のナンバーが与えられています。
ムーブメント | ムーブメントナンバー |
---|---|
エルプリメロ | 400 / 405 / 3600 / 4021 /4047 /4061 など |
エリート | 670 /679 / 681 / 691 / 0125 など |
エルプリメロ21 | 9004 など |
ゼニスの型番法則 11桁目〜12桁目の数字:文字盤の素材
/(スラッシュ)を挟んだ最初の2桁の数字が示すのは文字盤の素材です。
ゼニスは文字盤の種類が多いため、色や素材だけでなく「装飾との組み合わせ」によってもナンバーが異なります。
同じ文字盤カラーであってもインダイヤルによってナンバーが変わるなど、表記のバリエーションが豊富に存在するため、判別するのは難しいです。
例えば「01」の場合、「シルバー&ブラックカウンター」が採用されていることもあれば、「スケルトン&バーインデックス」「シルバー&オープンハート」が採用されることもあります。
ゼニスの型番法則 末尾4桁の英数字:ベルトの素材、ナンバー
ゼニスの型番末尾4桁の英数字が示すのはベルトの素材やサイズです。
最初の1桁ではベルトの素材を表し、残り3桁で色やサイズを表します。
よく見かけるナンバーとしてはアリゲーターストラップ「C」や、ラバーストラップ「R」。
メタルブレスレット(ステンレス・チタン・コンビ含む)は「M」が用いられています。
細かな区分けは行われていないため、この3種類を覚えておけば問題ないでしょう。
アルファベット | 素材 |
---|---|
C | アリゲーターストラップ |
M | メタルブレスレット |
R | ラバーストラップ |
末尾3桁のナンバーはバリエーションが非常に多く、確かな法則性は確認できませんでした。
色やサイズが一緒であってもモデルや仕様の違いによってナンバーが変化するため、全てを把握するのは困難です。
なお、型式の古い一部のモデルには先頭のアルファベットが省かれていたり、2桁のみのモデルも存在します。
まとめ
ゼニスの型番は1つのスラッシュと「.(ドット)」で区切った16桁の英数字で、ケース素材やモデルナンバー、ムーブメントナンバーといった情報が示されています。
冒頭がモデルナンバーではないため、やや分かりにくいですが、スラッシュより手前の数字を読み解けば大体のモデルの特徴が知ることが可能です。
なお、スラッシュ以降の項目については法則に一貫性がないため、覚えようと思っても中々難しいものがあります。
全部を把握するのは困難なので、ひとまずは「ケース素材、モデルナンバー、ムーブメントナンバー」をうまく活用してください。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年