「タグホイヤーのロゴは何で緑と赤なんだろう」
「ロゴのベース型はいつから使われているんだろう」
タグホイヤーのロゴはホームベース状の型に緑と赤を使ったスポーティーなデザインです。
誰からも愛される同社のアイコンとして親しまれています。
タグホイヤー ロゴの出自について知りたい人は多いのではないでしょうか。
実はこのような配色になったのには理由があります。
この記事ではタグホイヤー ロゴの出自について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説しています。
ブランドの歴史やアイデンティティについても解説していますので、タグホイヤーに興味がある方はぜひ参考にしてください。
出典:https://www.facebook.com/TAGHeuer/
目次
緑と赤のカラーリングの理由
タグホイヤーは1860年にスイスで創業されたブランドですが、長らく「ホイヤー」という名称でブランドが運営されてきました。
当時はTAGという文字は無く、ロゴもモノクロなシンプルな配色となっています。
ホームベース型のデザインはもう既に確立されていたようです。
このロゴに変化が起こったのは1985年のこと。
クオーツショックにて存続が危ぶまれていたホイヤー社はサウジアラビアの投資会社だったTAG社によって買収されます。
TAG社の正式名称は「Techniques d’Avant Garde(TAG)」。サウジアラビア人の大富豪で実業家の「マンスール・オジェ」率いる技術集団であり、窮地に陥っていたホイヤー社に資金援助を行いました。
その結果、ホイヤー社は「TAG HEUER」として生まれ変わり、ロゴもモノクロデザインから緑と赤のデザインに変更されました。
こちらがTAG HEUERの新ロゴ。
緑と赤の2色を使ったデザインになった理由ですが、TAG社とHEUER社それぞれの国の国旗から色が取られたといわれています。
TAG部分はサウジアラビアの緑。
HEUER部分はスイスの赤。
モータースポーツが由来かと思いきや、サウジアラビアとスイスの国旗の色によってロゴの配色は決まりました。
デザインのブラッシュアップが行われる
1985年からタグホイヤーのブランドロゴとして親しまれた初期タグホイヤーロゴですが、2016年頃にブラッシュアップが行われました。
変更が加えられたのはTAGのフォント。
矢印の装飾が取り除かれ、シンプルなデザインとなりました。
以降、タグホイヤーはこのブランドアイコンを使い続けており、近年のイベント時や新作発表会ではこの新たしいロゴを至る所で見かけます。
出典:https://www.facebook.com/TAGHeuer/
以前のロゴも個性的で素敵でしたが、現在のシンプルなロゴの方がスタイリッシュな印象を受けます。
一部モデルには時計に緑赤のロゴが配される
タグホイヤーのロゴは色の存在感が強いため、時計には色味を取り除いたロゴが配されています。
しかし、フォーミュラ1を中心とする一部のモデルは緑赤のロゴがそのまま使われており、文字盤のアクセントとなっています。
タグホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ CAZ1010.FT8024
ブラックダイヤルに浮かぶタグホイヤーのロゴ。レーシングウォッチとして強い存在感を放ちます。
ロゴの位置は12時位置。各種インダイヤルに対し絶妙なバランスで配されています。
タグホイヤー フォーミュラ1 WAZ1111.BA0875
2016年より前に作られた個体には旧ロゴが配されている時計も。
今となってはこれもレアポイントの一つだといえます。
改めて旧ロゴを眺めてみると、やはりこれはこれでカッコイイです。
たかがロゴ、されどロゴ。
非常に細かな違いですが、タグホイヤーの歴史を感じさせてくれます。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴14年。