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100万円台のトゥールビヨン!タグホイヤー カレラ ホイヤー02Tの魅力に迫る
最終更新日:
「タグホイヤー カレラ ホイヤー02Tって何がすごいの?」
「カレラ ホイヤー02Tの魅力について詳しく知りたい」
トゥールビヨンといえば誰もが憧れる機械式時計の複雑機構です。
優れた精度はもちろんのこと、精巧で美しいその動きは多くの時計愛好家や著名人を魅了してきた歴史があります。
ただ非常に複雑な機構を職人が手作業で製作しているがゆえに搭載モデルの価格は高く、1000万円を超えるのは当たり前なのが現状でした。
しかし、その常識を覆すモデルがタグホイヤーから発表されたのです。
その名も「タグホイヤー カレラ ホイヤー02T “CAR5A8Y.FC6377″」。
このモデルはトゥールビヨンを搭載しながら「100万円台」という破格のコストパフォーマンスを誇ります。
そんなカレラ ホイヤー02Tの魅力について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
ホイヤー02Tは、時計界の常識を替えた歴史的モデルと言っても過言ではありません。
この記事ではカレラ ホイヤー02Tの魅力について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
トゥールビヨンについても解説しますので、複雑機構に興味がある方はぜひ参考にしてください。
出典:https://www.tagheuer.com/ja/ニュース/tag-heuer-carrera-heuer-02t
目次
トゥールビヨンとは?
トゥールビヨンは機械式時計の3大複雑機構の1つ。アラーム機能の「ミニッツリピーター」、うるう年までも自動計算してくれる「永久カレンダー」と並ぶ超複雑機構であり、ムーブメントの中にある「香箱」を回転させることで姿勢差による精度の誤差を解消することを可能とした画期的な機構です。
トゥールビヨンはまだ腕時計が一般化する前の懐中時計時代に天才時計技師ブレゲによって発明された機構です。懐中時計は持ち運びしている最中ポケットの中で同じ姿勢のまま保たれるため、重力が原因で時計の精度を司るヒゲゼンマイに微少なたわみが生じ、正確に時刻を刻むことが出来ませんでした。そのため姿勢差による精度の誤差を解消するトゥールビヨンは非常に有効だったのです。
そして、精度の向上以上に魅力的だったのはトゥールビヨンの「美しさ」です。トゥールビヨンは数ある時計の機構の中でも随一の魅力があり、18世紀に発明されて以来時計ファンの憧れであり続けてきました。
トゥールビヨンは熟練の職人が一つ一つ手作業で作り上げるため、この機構を作り上げることができるメーカーは多くありません。そのためトゥールビヨンは超一流時計ブランドの技術の結晶として、非常に高い価値を持っているのです。
クラシック トゥールビヨン 3358BB/52/986 DD00
現在も時計愛好家の憧れである雲上時計ブランドブレゲ。この3358BB/52/986 DD00はトゥールビヨンの美しさを全面に押し出したデザイン性が話題を博したモデルであり、定価は約1250万と非常に高価です。
タグ・ホイヤー カレラ ホイヤー02Tの登場
トゥールビヨンは1000万円を越えるモデルが当たり前の最高級機構です。
しかし「手の届く贅沢」というコンセプトをもつタグホイヤーは超複雑機構であるトゥールビヨンまでも遂に手の届くものにしてしまいます。
そのモデルこそがカレラ ホイヤー02T “CAR5A8Y.FC6377”。時計界の歴史を変える逸品の誕生です。
タグホイヤー キャリバーホイヤー02T トゥールビヨン CA8Y.FC6377R5A
ホイヤー02Tは2016年のバーゼルワールドで発表され、時計界に衝撃を与えます。
なんとこのモデルはトゥールビヨンを搭載していながら、日本での販売価格は約167万5000円(税抜き)という信じられない価格設定が成されていたのです。しかもホイヤー02Tのトゥールビヨンはチタニウム&カーボン素材という画期的な素材で作られており、近未来的デザインの複雑時計として発表されました。
スポーティーでスタイリッシュなトゥールビヨンはたちまち大きな話題を巻き起こし、時計界の常識に一石を投じたのです。
ホイヤー02Tは直径45mmのビッグケースにチタン素材を採用しています。チタン素材は金属アレルギーを起こしにくく、ステンレスやゴールド素材にアレルギーを持つ人でもホイヤー02Tならば身に着けることが可能です。さらにベゼルにはレーシングウォッチの象徴であるタキメーターを搭載。このデザイン性でトゥールビヨンを搭載しているという革新さに熱く心を揺さぶられます。
また、ホイヤー02Tはトゥールビヨンのみならずクロノグラフも備えているため、プッシュ操作にて時間を測定することも可能です。まさにホイヤー02Tは究極のスポーツウォッチといえるでしょう。
裏面はシースルーバックとなっており、Cal.ホイヤー02Tの動きを眺めることが可能です。
尚、ホイヤー02Tはスイスクロノメーター認定をパスした高精度を誇り、雲上時計ブランドが作り上げるトゥールビヨンと何ら遜色のない精度を誇ります。
ベルトには金属でも革でもなく、ラバーベルトの表面にアリゲーターレザーを縫いつけた「ブラックアリゲーターストラップ」が備えられています。このストラップの特徴は表裏で違う素材が使われていることです。表面は美しいアリゲーターレザーによる高級感が演出され、裏側はラバーならではのしなやかな装着感が実現されています。また、肌に当たる面がラバーになっているため、汗や水分がベルトに染み込みません。
このベルトによってホイヤー02Tの洗練されたスポーティーな印象はより強固なモノになるのです。
グレート5 チタニウムケースの秘密
ホイヤー02Tは100万円台でトゥールビヨンを搭載したことに話題が集まってしまいますが、実はケースにも画期的な技術と素材が使われています。
その素材の名は「グレート5 チタニウム」。
前項でケースにチタンが採用されていると紹介しましたが、このチタンはただのチタン素材ではなく、「グレート5 チタニウム」という最上級チタンが使われているのです。
出典:https://www.tagheuer.com/ja/ニュース/tag-heuer-carrera-heuer-02t
グレード5チタニウムの特徴はとにかく「軽量」であること。複雑機構であるが故、どうしても時計が重くなりがちなトゥールビヨンモデルにこの素材を採用することで、長時間身に付けていても疲れない優れた装着感を実現することに成功しました。
また、グレード5 チタニウムは耐衝性も抜群。繊細なトゥールビヨン機構を故障から守ります。
ホイヤー02T ムーブメントの秘密
ホイヤー02Tが100万円台で購入できるようになった最大の理由は徹底的にコストを見直した結果です。タグホイヤーのもつ優れた技術力・品質・性能を結集し、最高品質の精度を保ちつつ最小限のコストでトゥールビヨンを作り上げることに成功しています。
■軽量なカーボンやチタンを採用することで各パーツの抵抗を減らし、コストを削減
■細かなパーツを直線的デザインにすることで、製造工程を簡略化
■スケルトン設計により、パーツ点数を抑えて大幅なコストカットを実現
しかもCal.ホイヤー02Tのトゥールビヨンは一本の軸で支えられる美しい「フライングトゥールビヨン」です。それだけでも凄いのにクロノグラフ機構まで搭載しています。
まさにCal.ホイヤー02Tは新時代のコンプリケーションムーブメント。他のどの時計ブランドにも真似できない逸品を作り上げてくれました。
出典:https://www.watchtime.com/wristwatch-industry-news/watches/
ホイヤー02Tは全てスイスクロノメーター検定協会(COSC)の認定を受けており、最高の精度が証明されています。尚、その検定の内容は以下の通りです。
試験は15日間。
対象時計を垂直・水平などの5つの姿勢差、3つの温度下に置き、日差を査定。日差マイナス4秒~プラス6秒以内、2cm以下のムーブメントはマイナス5秒~プラス8秒以内という基準の時計のみが合格とみなされる。
クロノメーター認定をパスしている時計はロレックスやブライトリングといった一流時計ブランドばかり。そして、その多くが100万円を超えるものです。
クロノメーターというだけでも高い価値があるのに、ホイヤー02Tはクロノグラフ、さらにはトゥールビヨンまで搭載させてしまったのですから、如何にこの価格が常識を逸脱しているのかが分るでしょう。
ちなみにホイヤー02Tを打ち出したのは現タグホイヤーCEOの「ジャン・クロード・ビバー氏」です。
クオーツショック後の休眠状態に陥ったブランパンの復興、アンバサダー戦略によりオメガを更なる人気ブランドとし、ビッグバンを生み出しウブロを一躍世界的人気ブランドへと押し上げた経歴を持つのがビバー氏。
ホイヤー02Tは時計界に革命を起し続けてきたビバー氏が、再び巻き起こした革命ともいえます。
出典:https://www.tagheuer.com/ja/ニュース/
まとめ
これまで高価すぎるがゆえに手に入れるのは難しいとされていたトゥールビヨン。しかしホイヤー02Tはそれを覆し、トゥールビヨンを身近なモノに変えました。
21世紀に入り自社ムーブメントの製造が当たり前になったように、もしかしたら今後トゥールビヨンも当たり前のように街中に溢れる日がやってくるかもしれません。それが良いことなのか悪いことなのかはわかりませんが、少なくともホイヤー02Tがトゥールビヨンの歴史を変えたことは間違いないでしょう。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。
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