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正規店より並行輸入店で買った方が割安な高級腕時計ブランド10選
最終更新日:
並行輸入店の強み、それは何と言っても「価格」です。 メーカーのブティックおよび正規代理店はほとんど値引きができないため、少しでも安い時計を探すなら並行輸入店の一択でしょう。
しかしながら、全ての時計ブランドが「必ず並行店で買った方がお得!」というわけではありません。
価格面では安くとも実は並行差別の激しいブランドだった・・・
実は新品並行価格が定価超え、または定価に近かった・・・
このようなケースが存在します。
そこでこの記事では、東京銀座にある腕時計専門店GINZA RASINの2021~2022年新品小売価格を基に、並行輸入品の「割安率」を算出してみました!
この割安率が低いことに加え、ブランドのメンテナンス体制等も考慮したうえで、正規店より並行店で買った方が「お得」「割安」と言える高級腕時計ブランド10選をご紹介いたします!
※掲載する参考定価・相場は2022年11月現在のものとなります。当店の新品小売り価格を基に算出しております。
目次
主要ブランドの割安率とその概要
こちらの表は、当店で取り扱っている主要ブランドの平均割安率一覧です。
ブランド名 | 並行新品 平均販売価格 |
正規価格 (平均値) |
並行品割安率 |
---|---|---|---|
ロレックス | 2,567,323円 | 1,616,813円 | 158.8% |
オーデマピゲ | 5,279,000円 | 4,235,000円 | 124.7% |
チューダー | 427,315円 | 455,746円 | 93.8% |
ヴァシュロンコンスタンタン | 1,569,833円 | 1,717,833円 | 91.4% |
シャネル | 585,888円 | 766,795円 | 89.2% |
カルティエ | 471,947円 | 529,237円 | 89.2% |
IWC | 642,093円 | 754,106円 | 85.1% |
オメガ | 551,084円 | 704,350円 | 78.2% |
ジャガールクルト | 1,196,333円 | 1,619,200円 | 73.9% |
パネライ | 729,476円 | 996,233円 | 73.2% |
タグホイヤー | 287,822円 | 398,003円 | 72.3% |
ロンジン | 254,350円 | 366,656円 | 69.4% |
ブレゲ | 1,501,500円 | 2,188,460円 | 68.6% |
ハリーウィンストン | 1,783,467円 | 2,644,889円 | 67.4% |
ノモス | 177,371円 | 264,353円 | 67.1% |
ショパール | 405,000円 | 605,000円 | 66.9% |
ウブロ | 1,175,157円 | 1,791,334円 | 65.6% |
ゼニス | 859,000円 | 1,408,000円 | 61.0% |
ブライトリング | 431,644円 | 728,839円 | 59.2% |
ジラールペルゴ | 821,000円 | 1,434,600円 | 57.2% |
ブルガリ | 516,000円 | 910,967円 | 56.6% |
ハミルトン | 64,125円 | 122,625円 | 52.3% |
フランクミュラー | 555,059円 | 1,097,428円 | 50.6% |
オリス | 95,000円 | 237,600円 | 40.0% |
ユンハンス | 66,000円 | 170,500円 | 38.7% |
モンブラン | 180,000円 | 506,276円 | 35.6% |
当記事において、正規店と並行輸入店を比較した「購入時の価格面でのお得度」の指標として、割安率を用いました。
これは、以下の算出式に準じます。
割安率=【新品並行価格】÷【正規価格(定価)】×100
割安率が低いほど、価格面でお得な購入ができることを意味します。
冒頭でもご紹介したように、2021~2022年の当店新品小売価格の合計額を基に算出したものとなります。
なお、一覧の並行新品の平均販売価格は、販売金額の合計を販売本数で割った数値です。
正規価格(平均値)は、当店で販売したモデルの定価の合計を販売本数で割った数値です。
そのためモデルによって割安率はばらつきがあり、あくまで参考指標であることをご了承ください。
主要モデルの割安率とその概要
各社の平均的な割安率を見てみると、価格面だけでなく様々な「お得」情報が見えてきます。
例えば、割安率が低く、定価と並行輸入価格に特に差があるブランドとして、フランクミュラーが挙げられます。定価のほぼ半額、を意味していますね。
「定価が高すぎる」という声もありますが、フランクミュラーは国内人気が際立って高いため、逆に海外での仕入れ価格が抑えられているのでしょう。
また、タグホイヤーも価格面ではオイシイ時計ブランドの一つです。並行割安率は平均72.3%と、定価の7掛け。つまり、定価の3割引きで購入できることを意味します。
しかしながらフランクミュラー及びタグホイヤー・ウブロ・ゼニス・ブルガリ等が属するLVMHグループは、明確な「並行差別」が設けられています。
並行差別とは正規店以外での購入モデルに関して、メンテナンス金額を高く設定したり、そもそもメンテナンスを受け付けなかったりする、といった類のものです。
ただ、定価の3~5割引きで購入できるとしたら、今後メンテナンスにかかる費用を鑑みても、並行輸入店で買った方がお得度は高いと言えます。逆に定価がそこまで高くないブランドだと、割安率が低くてもランニングコストがかかってしまったら、使い続けていくうえで足が出てしまう可能性があります。
また、アフターサービス制度をしっかりと設けている並行輸入店で購入することも重要となります。
一方で、カルティエやIWC、パネライといったリシュモングループは、LVMHと比べると並行割安率が若干高い傾向にあります。
それでも正規価格と比べると30%はお安くなりますので、やはり並行品の方がお得です。リシュモン系列はLVMHと異なりアフターメンテナンスで並行差別を設けていませんので、ランニングコストで差がないことを鑑みるとさらにお安く感じることでしょう。
なお、同じリシュモン系列のジャガールクルトやヴァシュロンコンスタンタン。そして独立系のショパール等も、並行輸入店への新品流通量がきわめて少ないブランドです。そのため販売価格・本数だけでは評価しづらく、もう少しデータを集めないと正確な数字を出せない可能性があります。
ちなみに、ロレックスが突出して平均割安率が高いこともご覧頂けるでしょう。定価の約158%と、プレミア価格で販売されていることが見てとれます。
これは、ロレックス需要が急騰しており、正規店でほぼ買えないと言っていいほど品薄(つまり定価で買えない)であることが原因です。なお、表はプレミア化していないデイトジャストやオイスターパーペチュアルも含んだ数値ですので、特に相場高騰が著しいスポーツモデルに限定すれば、さらに高い割安率を叩き出すでしょう。
並行割安率が高いから価格面ではお得度が低い、というわけではないことも付け加えておきます。
これは価値が落ちづらい・資産価値が高いことを意味しており、再販時に高値で売却できることを示唆します。
オーデマピゲや、ロレックスの弟分であるチューダーも高めですね。
チューダーは価格帯としてはタグホイヤーに近いのですが、それでいて高い資産価値を維持するというのは、稀有なことです。
まとめとして全ブランドの並行割安率を平均すると、並行輸入品は定価の72.7%の価格で販売されていることがわかりました。
正規店より並行店で買った方が割安なブランド①ウブロ
平均並行割安率:65.6%
それでは正規店より並行輸入店で買った方が割安・お得と言える高級時計ブランドを、ご紹介いたします!まず最初は、ウブロです!
1979年と比較的新しい創業ながらスイス老舗時計産業の一角に切り込み、今や世界中のセレブリティやスポーツ選手、有名人に愛用されているブランド・ウブロ。
とりわけ、2005年に誕生したビッグバンシリーズが大ヒット!今までにないデザイン・素材を用いたインパクト大の傑作時計を武器に、国内外で絶大な人気を博しています。
そんなウブロは高価格帯の商品が多く、正規店と並行店での価格差が非常に大きくなります。ブランド全体の平均割安率も65.6%と、非常にお得度が高いことがおわかり頂けるでしょう。加えて、並行相場としては新品・中古の価格差がそこまで大きくなく、つまりは値崩れしづらいと言う、消費者にとっては嬉しい側面もあります。
一方で、ウブロやゼニス・タグホイヤーが属するLVMH(ルイヴィトン・モエヘネシー)グループは、並行差別が設けられています。並行輸入店での購入モデルに関しては、メンテナンス料金を正規店購入個体に対して約1.5倍ほど高く設定しています。
もっとも、購入時の価格差を考えれば並行店の方が断然お得です。
正規店より並行店で買った方が割安なブランド②ブライトリング
平均並行割安率:59.2%
20万円台の入門機からハイエンドモデルだと100万円近くするブライトリングウォッチ。
割安率が非常に低く、多くのブライトリングユーザーは並行店で購入するケースが多いのではないでしょうか。 平均して正規価格の3~4割以上安く、ものによっては5割近い割安率を誇るものも!
一方でブライトリングは明確な並行差別を設けていることが非常に有名で、正規店で購入したユーザーのみを対象に無料でクラブ・ブライトリングに加入してもらい、メンテナンスを半額で行っています。 その手厚さにも定評があり、自社製ムーブメント搭載モデルについては5年保証、修理保証が2年。その他ムーブメント搭載モデルは2年保証、修理保証は1年間となっています(いずれも2012年1月2日以降の購入個体)。
平均並行割安率は59.2%と並行店だと正規店の半額に近い金額で購入が可能ですので、並行店で安く買ってメンテナンスにお金をかけるか、正規店で定価で買ってメンテナンス料金を安くするか、どちらか悩むことになります。
ただ、多くのブランドにも言えることですが、イニシャルコストの差額とメンテナンス時の差額を考慮した時、前者の差分を埋めるにはかなりの回数オーバーホールをすることが必要です。つまり、「価格」だけを考えるなら、割安率の高いブランドに関しては並行店で購入した方が結果としてお得、ということになります(正規店での購入にも、もちろん種々の価値を見出すことができますので、ここでは「価格」と限定させて頂きました)。
なお、腕時計専門店など腕時計に特化して販売しているお店では自社内にメンテナンス部門を設けていたり、外部の時計修理業者と提携したりしていますので、結果的に購入店舗を通してメンテナンスに出せばメンテナンス料金もお安くできるという一面もあります。
正規店より並行店で買った方が割安なブランド③オメガ
平均並行割安率:78.2%
ロレックスと並んで圧倒的な知名度を誇るオメガ。
平均的な割安率は今回ご紹介している他ブランドと同じくらいですが、並行市場での流通量が非常に多く、定価の2~3割引きが当たり前であること。 さらに、並行差別を設けていないことから並行店のお得度は俄然上位なのがオメガです。
ちなみにオメガ属するスウォッチグループ(他にロンジンやブレゲ、ハリーウィンストンなど)は並行差別を設けていません。
オメガは知名度・品質・デザイン性どれをとっても高く、万人受けする有名ブランド。 当店でもロレックスと並んで、二大トップセールスを誇ります。
品揃えの豊富さやアフターサービスの面などから、並行店での購入が賢い選択ではないでしょうか。
正規店より並行店で買った方が割安なブランド④タグホイヤー
平均並行割安率:72.3%
タグホイヤーはモーターレースを始めとしたスポーツと深い関わりを持ち、とにかくかっこいいデザイン、高い品質が広く男性陣から根強い人気を誇ってきました。
抜群の割引率、そして並行市場への豊富な流通量から、「最も並行輸入店で買うべき」と太鼓判を押させていただきたいほどです。
正規店で買うメリットとしては、アフターメンテナンスに並行差別を設けていることが挙げられます。 しかし、元々リーズナブルな価格帯から高級時計のエントリーとしても人気のあるブランド。 「一生の一本」というよりも、コレクションをしたりトレンドやシーンによって変えていったり・・・そんな楽しみがあるのがタグホイヤーの強みではないでしょうか。
ブライトリングのご説明の際にも書かせて頂きましたが、自社内にメンテナンス部門を設けていたり、外部の時計修理業者と提携している並行店では、しっかりとメンテナンスが受けられ、かつ料金もお安くできます。信頼ある店舗で購入していれば、アフターメンテの料金はそれほど気になさらなくても良いでしょう。
また10年、20年と使用せず、5年程度で次の時計に買い替えることをお考えの方はオーバーホールのタイミングで売ってしまえばよいので、メンテナンス料金に気を使う必要はありません。
それゆえ並行店での購入層が圧倒的に多く、最もおすすめとなるトップブランドと言えます。
正規店より並行店で買った方が割安なブランド⑤ゼニス
平均割安率:61.0%
オメガやタグホイヤー、ウブロ等と比べると「知る人ぞ知る」といったイメージの強いゼニス。
しかしながら時計通で知らない人はいないほど、その高度な時計製造技術については定評があります。とりわけ1969年にリリースした自動巻きクロノグラフ「エルプリメロ」(前述したモナコと同期になります)。当時から既に36,000振動というハイビートかつ0.1秒まで計測可能な高性能クロノグラフを携えていたというのだから、驚きを禁じえません。
このエルプリメロは多くの時計メーカーに供給されており、ロレックスのデイトナやタグホイヤーのモンツァ、パネライのルミノールクロノグラフ等、様々な名作の誕生に貢献しました。
そんなエルプリメロで高名なゼニスは、ウブロやタグホイヤーと同様に、LVMHグループに属するスイス時計ブランドです。
そのため、アフターメンテナンスについては、正規店購入と並行輸入店購入とで、明確な差を設けています。
しかしながら並行輸入店に豊富に出回っており、割安率は高級時計ブランドの中でもトップクラス。かなりこなれた価格でお買い求め頂けるでしょう。
ゼニスの製品は内外ともに緻密に作りこまれているため定価が高くなりがちな分、割引率も高くなる傾向にあるためです。
また、需要と供給のバランスが良いため、高騰しづらいというのも割安になりやすい要因として挙げられます。
なお、近年ではビッグバンによってウブロに成功をもたらしたジャン=クロード・ビバー氏がテコ入れしたことも手伝って、エルプリメロを鑑賞できるスケルトン仕様のモデルが増えてきています。
時計好きの中でも、特に「ムーブメントを眺めるのが好き」「機械式時計の機構に惹かれる」と言った方は、ぜひゼニスをご検討ください!
正規店より並行店で買った方が割安なブランド⑥シャネル
平均割安率:89.2%
老若男女に高い人気を誇るシャネル。
バッグや財布、香水も素晴らしいラインですが、時計好きなら何を置いてもJ12が出てくるでしょう。
J12は2000年に誕生した、時計業界の中では比較的新しいシャネルウォッチです。
しかしながらケース・ブレスレット全体にセラミックを用いるという、ありそうでなかった仕様で登場したことで、大きな話題となりました。
J12が出て以降、多くの時計メーカーがこぞってセラミック素材を時計に採用するようになったものです。
そんなシャネルは、並行輸入店での相場がお安めなのが嬉しいところ。近年では小規模メーカーのノウハウをM&Aによって上手に吸収することで、自社製ムーブメントの開発にも着手しています。にもかかわらず価格が大きく上がりすぎておらず、並行割安率は平均して89.2%ほど。
平均すると1割ほどの値引きではありますが、モデルによっては4割ほど安く買えるモデルもあり、お得に購入することができます。
また、シャネルは基本的にアフターメンテナンスで並行輸入店との明確な差を設けておりません(ただし「並行店で買った」と言ってしまうと、メンテナンスを受けられない可能性があります)。
さらに、シンプルな機構が多く、民間でメンテナンスしやすいというメリットもあります。
加えてJ12は頻繁なモデルチェンジをしないこともあり、人気機種の流通量も豊富です。
こういった背景から、並行輸入店での購入にお得感の強いブランドと言えます。
正規店より並行店で買った方が割安なブランド⑦フランクミュラー
平均割安率:50.6%
次にご紹介するのは、フランクミュラーです。
同名の天才時計師によって1992年に創業された新興メーカーですが、希代の時計製造技術と独創性溢れるデザイン力を武器に、トップクラスに人気の高いブランドとなっております。
フランクミュラーはどのコングロマリットにも所属せず、「フランクミュラー・ウォッチランド」という独自グループを築いていることも特筆すべき点です。
魅力的な製品と優れた経営手腕を武器に、時計業界で確実に存在感を示してきました。
そんなフランクミュラーは、きわめて並行割安率が低いブランドでもあります。今回ご紹介するブランドの中では、トップクラスと言ってもいいかもしれません。
要因は様々ですが、国内人気が高いため、海外仕入れの並行輸入店は価格差を利用しやすいことなどが挙げられるでしょう。
ただし、フランクミュラーは並行輸入店での購入個体の、メンテナンスを受け付けない場合があります。
そのため、提携修理工房を持ち、アフターサービス体制がしっかりとした並行輸入店で購入しましょう。
正規店より並行店で買った方が割安なブランド⑧ブルガリ
平均割安率:56.6%
イタリアを代表するオシャレブランド・ブルガリ。
ジュエリーメーカーゆえに女性からの人気が圧倒的というイメージがあるかもしれませんが、実はメンズラインも豊富です。
とりわけ時計製造は1970年代という早い段階から着手しており、ブルガリブルガリやアショーマ、ディアゴノといった名作を輩出してきました。
また、ブルガリはジェラルド・ジェンタやダニエル・ロートといった名門ながら小規模な時計メーカーを吸収し、独自の時計製造技術を確立している大手ブランドでもあります。
そのため時計好きからの支持も厚く、老舗の多いスイス時計ブランドの中でも存在感を示しています。
そんなブルガリはハイブランドですので、定価は高くなります。
しかしながら並行輸入店での割安率は平均して6割ほどと、かなり価格を抑えての購入が可能です。
フラグシップのブルガリブルガリ等は新品流通量も豊富で、20万円~30万円台で手に入れられるものも。そのため20代・30代の機械式時計入門機としても人気です。
一方でブルガリはLVMHグループですので、アフターメンテナンスに並行差別があります。その点は留意しておきましょう。
正規店より並行店で買った方が割安なブランド⑨パネライ
平均割安率:73.2%
軍用時計をルーツに持ち、視認性や堅牢性といった「どんな過酷な状況でも時計本来の価値を発揮する」ことを大切にしてきたパネライ。アイコニックなデザインもまた魅力で、時計業界ではパネライファンを指して「パネリスティ」と呼ぶ用語が出回るほどです。
また、2000年代から一世を風靡してきた「デカ厚ケースブーム」の火付け役的存在でしたが、近年では小径薄型ケースもリリースするなど、確実にファン層を広げていっているブランドでもあります。
基本シリーズはルミノールかラジオミールとなりますが派生モデルが豊富で、素材・機能等に様々なラインナップがあります。そのため「自分だけのパネライを見つける」という楽しみもありますね。
ただ、パネライはカルティエやIWCと同様にリシュモングループです。
この二社とは異なり新品流通量が著しく少ないわけではありませんが、決して「非常にお得な割安率」とは言えないかもしれません。
しかしながら並行差別がないこと。加えて価値が安定しているため、売却時に大きな損をしづらいことから、今回「並行店で買った方がお得なブランド」としてご紹介いたします。
正規店より並行店で買った方が割安なブランド⑩IWC(インターナショナル・ウォッチカンパニー)
平均割安率:85.1%
日本でも人気が高く、ドイツブランドらしい質実剛健さが魅力のIWC。
IWCは近年意欲的に新作を打ち出しており、自社製ムーブメント搭載のハイエンドモデルが増えてきました。そのため、かつてに比べて「割安率がものすごく低い」というわけではありません。また、リシュモン系は並行輸入店になるべく新作が流通しないよう対策を採っていることも、割安率を高くしてしまう要因となっております。
でも、IWCを並行輸入店で買うべき理由がたくさんあります。
まず、比較的高価格帯の商品が多いため、数万円~数十万円の価格差が出てくること。時業界全体に言えることですが、特に近年は高価格帯に舵を切っており、その差がより顕著になっております。
そして最も大きな理由は、IWCの他カルティエ、パネライなどが属するリシュモンは並行店でも正規店でもアフターサービスに差別を設けていないことが挙げられます。
IWCは高機能・高品質な時計を作り続けてきているため、一生の一本として持つ方も多いように思います。
「長く使い続ける」ことを考えたとき、サポート体制に差が無いようなら断然並行店での購入がお得。そういった諸々の点を踏まえ、今回ご紹介させて頂きました。
まとめ
並行店で割安なブランドを10選紹介させていただきました。
もちろん正規店で買うメリットもありますし、正規店で「安心感」を買う、という方はいると思います。
しかし、どんな時計を買うか。 その時計とどう付き合っていくか。
大切な一本を買う前に一つの指標として「割安率」を出せば、自ずとこれから買う時計がどんな立ち位置なのか見えてくるのではないでしょうか。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年