「チューダーのカマボコケースってどんなモデルなの?」
「チューダー カマボコケースの魅力について知りたい」
近年急速にその知名度を向上させているチューダー。
フラグシップモデルであるヘリテージブラックベイ、デイトナを彷彿とさせるクロノタイムなど、どのモデルも幅広い世代に支持をされています。
そんなチューダーですが、ひと際ユニークな愛称を持つモデルが存在します。
それは「カマボコケース」というモデルですが、その魅力について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
カマボコケースは武骨で分厚く、男らしいルックスで大きな注目を集めているモデルです。
この記事ではチューダーカマボコケースの魅力を、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
人気モデル厳選5本の紹介もしますので、チューダーの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
カマボコケースはクロノタイムの古い個体に存在
チューダーのカマボコケースはクロノタイムの古い個体に存在します。
クロノタイムは1976年に誕生した自動巻きクロノグラフで、デイトナをリスペクトしたクロノグラフのお手本とも言える完成度の高い外観、そしてロレックスでは考えられない安価な価格設定から人気を博したモデルです。
現在は製造終了していますが、需要の高さから中古相場が高騰しており、当時30万円程度で売られていたモデルが現在は100万円を超えるなど、今尚注目され続けています。
クロノタイムは大きく分けると初期モデル・セカンドモデル・サードモデルに分類され、それぞれベゼルや文字盤に細かな違いが存在します。
■初期モデル 94xx系(1976年~1990年頃)
■セカンドモデル 791××系シリーズ(1990年頃~1995年)
■サードモデル 792××系シリーズ(1995年~2005年)
製造時期とリファレンスナンバーは上記の通りですが、カマボコケースは初期モデルである「94xx系」及びセカンドモデルである 「791××系」に存在し、ケース側面の形がカマボコを連想させることから「カマボコケース」と呼ばれています。
特徴は何と言っても武骨で分厚く切りそろえられたケース設計です。
チューダー クロノタイム 94210 カマボコケース
写真をご覧いただくと、現存する時計には見受けられないほどケース厚が分厚くなっていることが分かります。
スポーツウォッチであっても薄型設計となっているモデルが増えてきている中、これは貴重です。
カマボコケースと通常ケースの比較
カマボコケースだけを見ても厚みの違いが分かりにくいと思いますので、通常のケースと比較してみます。
まずこちらがカマボコケースではないクロノタイム。チューダー クロノタイム 79270は1995年に製造されたクロノタイムの最終モデルですが、現在のロレックスとほぼ同一のオイスターケースが使用されています。程よいサイズ感となっており、装着感が重視されています。
対してこちらはクロノタイムのセカンドモデルとして発売されたRef.79160。他のシリーズ同様ロレックスのパーツを流用し、実用度や機能面でもデイトナと遜色のない性能を誇りますが、ケースが太く厚いです。
そのディテールはまさにカマボコ型。
この厚さと個性に魅力を感じ、今尚カマボコケースを求める方は後を絶ちません。
左:通常ケース 右:カマボコケース
ケースバックから時計を眺めてみても、厚さは全然違います。
正面からでもケース横からでもケースバックからでも、その無骨なデザインを堪能することが可能です。
チューダー カマボコケースの価値
現在チューダー クロノタイムの価値は現在凄まじい高騰を果たしています。
数年前までの相場は高くても50万円ほどであり、リーズナブルな価格でロレックスと同じパーツが使われた時計を手に入れることが出来る”美味しいモデル”とされてきました。
しかし、ロレックスバブルとも言われる近年の人気高騰に伴いチューダーの価格も大幅に高騰。
特にヴィンテージロレックスに似ているデザインをもつクロノタイムは全てのモデルが以前の約1.5倍~2倍の価格に跳ね上がりました。
クロノタイムはロレックス相場に引き上げられているだけでなく、ヴィンテージデイトナの人気によって相場が上がっています。
価値が上がり続けるヴィンテージモデル(ロレックス)が比較対象となっているため、同じくヴィンテージモデルであるクロノタイムの相場もまだまだ落ちそうにありません。
また、クロノタイムの中でも初期モデルとセカンドモデルに該当するカマボコケースの相場は特に高騰しています。
状態の良い個体が減ってきていることもあり、今後も価値は上がり続けるでしょう。
カマボコケースの人気モデル5選
この記事の締めくくりとして、カマボコケースを配したクロノタイムの人気モデルを幾つかご紹介します。
どのモデルもケース自体は変わりませんが、発売年や個体によってデザインが異なります。
チューダー クロノタイム 94200
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.7750
[文字盤] シルバー×ブラック
[ケース材質] ステンレススティール
[重さ] 124g
[ケースサイズ] 縦 40.0mm
デイトナをリスペクトして作られたチューダーのハイスペッククロノグラフ「クロノタイム」。94200はその初期型にあたり、この個体は縦目のパンダダイヤルで製造されています。
日常使いに適したデザインとなっており、多種多様なバリエーションが存在するクロノタイムの中でも非常に人気のあるモデルです。
チューダー クロノタイム 94300
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.7750
[文字盤] ブラック×シルバー
[ケース材質] ステンレススティール
[重さ] 125g
[ケースサイズ] 縦 40.0mm
クロノタイム初期型 Ref.94300。ブラック文字盤、ステンレスベゼル、ロレックス竜頭、ロレックスオイスターブレスという人気の仕様です。コレクターから根強い需要があり、中古相場も年々上がっています。
チューダー クロノタイム 79180
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.7750
[文字盤]ブラック×シルバー
[ケース材質] ステンレススティール
[重さ] 124g
[ケースサイズ] 縦 40.0mm
この個体はクラスプにTUDORの刻印のあるオリジナル3連ブレス、リューズと裏蓋にはロレックスの王冠マーク、文字盤には“OYSTERDATE”の表記を持つクロノタイムのセカンドモデルです。
旧デイトナ116520のデザインに近く、近年評価を高めています。
チューダー クロノタイム 79170
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.7750
[文字盤] グレー×ブラック
[ケース材質] ステンレススティール
[重さ] 129g
[ケースサイズ] 縦 40.0mm
セカンドモデルの中でも少しマニアックなグレーダイヤルを配した個体。デイトナのステンレスモデルにはないカラーリングであるため、チューダーならではの個性を重視したい方にオススメです。
チューダー クロノタイム 79180 サテンベゼル/前期ダイアル
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.7750
[文字盤] ブラック×シルバー
[ケース材質] ステンレススティール
[重さ] 130g
[ケースサイズ] 縦 40.0mm
クロノタイムのセカンドモデルには前期型と後期型の2タイプが存在しますが、この個体はより希少価値の高い前期型です。ベゼルがサテン仕上げで、文字盤のカレンダーに枠があるのが特徴。カマボコケースの中でも個性的なモデルだといえます。
中古相場は100万円を超えており、クロノタイムの中でも特に価格が高騰したレア個体です。
まとめ
武骨で分厚く、男らしいカマボコケースは現在大きな注目を集めているモデルです。
ヴィンテージデイトナを彷彿させるデザイン性に加え、他のモデルでは味わえい力強さ。価格高騰に伴いステータス性も向上しています。
年々良い個体が減っており、店頭で見かけることも少なくなってきました。
希少価値が高まっているので、好みの個体を見つけた際には早めのご購入をオススメします。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年