錨をトレードマークにもつユリスナルダン。数々の新機軸を時計業界に打ち立てる傍ら、デザインや装飾技法の美しさから美術工芸品とも称され、時計好事家たちから絶大な人気を集めるブランドです。
知名度こそロレックスやオメガといった定番ブランドに劣りますが、ユリスナルダンならではの創造力と開発力のもと、他社ではなかなか味わえない独創性を強みとして抱えています。
そこでこの記事では、ユリスナルダンについてご紹介するとともに、定番シリーズについてまとめてみました!
語れる時計が欲しいなら。ぜひユリスナルダンをお手に取ってみてはいかがでしょうか。
出典:https://www.facebook.com/UlysseNardinwatches/
目次
ユリスナルダンってどんなブランド?
いったい、ユリスナルダンとはどのようなブランドなのでしょうか。まず始めに、その歴史や非常に高度な時計製造技術についてご紹介いたします。
①歴史
ユリス・ナルダンは1846年にスイス ル・ロックルにて創業された老舗ブランドです。
2021年で創業175周年。なお、多くのブランドが二度の世界大戦やクォーツショックによって休眠を余儀なくされる中、ユリスナルダンはブランドの歴史を紡ぎ続け、一度たりとも歩みを止めずに今日まで時計製造を行ってきました。
創業当初から航海用のマリンクロノメーターの開発に尽力し、その高精度製品は日本を含む各国の海軍や船会社で航海の重要な役割を担う存在となりました。
※マリンクロノメーター…航海時、船に載せられていた時計のこと。正確な緯度・経度から船の現在位置をしっかりと把握するためには、波の揺れや海上の温度変化,そして湿気に影響されない高精度時計が求められた。
ユリスナルダンのマリンクロノメーターの精度・性能は当時頭一つ抜きんでており、世界中の博覧会やコンテストで賞を獲得してきた背景も持ちます。とりわけ1878年にパリ万国博覧会で金賞を獲得しており、19世紀当時からのユリスナルダンの、時計製造技術力を垣間見ることができるでしょう。
20世紀に入ってからは海軍向けに開発した「マリーン・デッキ・クロノメーター」が高い評価を集め、その名声を確固たるものとしました。
こういった歴史的背景から、今なおユリスナルダンはマリンクロノメーターのデザインをコンセプトにしているモデルが少なくありません。
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ちなみに懐中時計製造でも一家言持っており、明治天皇もユリスナルダン製品をご愛用されました。
しかしながら1970年に入るとクォーツショックによって一時は経営難に陥ります。これはユリスナルダンのみならず多くの機械式時計ブランドが直面した危機でした。休眠せざるをえないもの、クォーツ時計製造にシフトするもの…様々な悲喜こもごもが業界内にはありましたが、ユリスナルダンもまたそんなドラマの渦中におり、莫大な負債を抱えている状況でした。
しかしながら1985年、ロルフ・W・シュナイダー氏が経営に参画します。シュナイダー氏は高名なユリスナルダンの名を消してはいけないと考え、再建に打って出ることとなりました。
氏は「これまでにない時計を製造すること以外に、(ユリスナルダンを)復活させる術はない」と考え、今なお「最も複雑な機械式時計を生み出す」ことで高名な天才時計師ルードヴィッヒ・エクスリン氏とコラボレーションを果たします。
そうして完成したのが「天文三部作」です。
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これは「アストロラビウム・ガリレオ ガリレイ」(1985年)「プラネタリウム コペルニクス」(1988年)「テリリウム・ヨハネス ケプラー」(1992年)の三種の超複雑機械式時計から構成されるユリスナルダン渾身の三部作。
これらは簡単に言うと「天体」から着想を得た機構です。
とりわけ第一作目の「アストロラビウム・ガリレオ ガリレイ」は天文時計(太陽や月,星座等を文字盤で視認できる時計のこと)をリューズ一つで操作できる驚くべき逸品で、ギネスブックに登録されており、かつその中でもきわめて複雑と言われています。
この「天文三部作」によって再評価されたユリスナルダンは、以降、再び機械式時計界の風雲児として、その名を返り咲かせることとなりました。
現在のユリスナルダンはグッチを中心にイヴサンローランやバレンシアガ,ブシュロン
②ユリスナルダンの魅力;類まれな開発力と創造力
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ユリスナルダンの魅力は、何といっても類まれな開発力と創造力!これは機能にもデザインにも活きており、ユリスナルダンらしさに昇華されています。
とりわけ機能面において、2001年にシリコン製脱進機を用いた「フリーク」を発表したことは特筆すべき点です。これは、同社自身が「革命」と評価する逸品で、今なお同社のアイコニック・タイムピースといった存在です。
このフリークは、中央に軸をもつムーブメント自体が回転することで時・分を表示させるという、驚くべき機能を持った逸品です。これに加えてリューズを持たず、唯一無二のデザイン性を獲得するに至りました。
※フリーク
この個性的な機構やデザインもさることながら、さらに特筆すべきは「新しい脱進機」が採用されたことです。
脱進機は時計の精度を司る、きわめて重要なパーツです。一方で磁気帯びや温度変化,衝撃に弱く、ちょっとの外的要因ですぐに精度を狂わせてしまうといった弱点を有していました。
そこでユリスナルダンではフリークの脱進機に、シリコンを用います。
今でこそパテックフィリップを筆頭に、脱進機にシリコンを使うケースが増えつつありますが、これに業界で真っ先に目をつけたのがユリスナルダンで、以降、同素材のパイオニア的存在として語られることとなりました。
ちなみに2007年にはこのシリコンにさらにダイヤモンドをコーティングした「ダイヤモンシル」を。2019年にはコンセプトウォッチとはなるものの「フリーク ネクスト」において全く新しいシリコン製脱進機がリリースされました。これはシリコンで一体成型された「ユリス・ナルダン アンカー脱進機」にやはり全く新しいシリコン製調速機「フライングオシレーター」を搭載した超革新時計。
※2019年に発表され、業界を大きく湧かせたフリーク ネクスト(画像出典:https://www.facebook.com/UlysseNardinJapan/posts/2471507062860049)
なお、ユリスナルダンの「創造力」「開発力」は伝統的な意匠・機能にも活かされています。
フリークを見ると「なんだかすごい時計」と思ってしまうものですが、実はユリスナルダン製品の意匠は現代のトレンドを意識しながらも、クラシックあるいはレトロさが感じられます。
例えばフラグシップにあたる「マリーン」コレクションは、かつてユリスナルダンがその名を馳せるジャンルとなったマリーンクロノメーターがモチーフになっています。
ただ流行に乗せただけでなく、名門として伝統的な時計の美しさを追求していることもユリスナルダンの大きな魅力と言えるでしょう。
ちなみにこの「伝統的デザイン」についてユリスナルダンの粋を最も感じられるのは、「サンマルコシリーズ」ではないでしょうか。
当該シリーズにはいくつかのラインナップが存在しますが、特筆すべきは舐める文字盤が大変美しいこちらです。
2011年にユリスナルダンは、エナメルダイヤルの総本山「ドンツェ・カドラン」を買収しました。時計業界屈指のクロワゾネ技術を持つと評価されていたユリスナルダンの文字盤製造は、これによりさらに磨きがかかることとなります。
ちなみにクロワゾネとは、金属の下地に別の金属のワイヤーや帯をろう付けして線画を描き、その隔壁で区切られたそれぞれの部分に色付きエナメルを満たして焼成する技法を指します。ローマやビザンチン,あるいは明代の中国や日本でも広く使用例があり、一時は廃れたものの、19世紀に日本の優れた有線七宝に触発されたフランスにおいて復活されました。
線画の中に何度も何度もエナメルを流し込むことで色を重ねるため、美しく深みのある描画が可能となる一方で、一本いっぽんの製造に長い時間とコストがかかってきます。そのため年間製造本数はきわめて少なく、相場は中古であっても100万円超えが当たり前。ユリスナルダンはハイブランドに位置しますが、その中でも特にハイエンドラインとなっております。
このようにユリスナルダンはマリンクロノメーターの時代から変わらぬ「創造力」「開発力」を武器に、新しくも伝統的機械式時計の深みを味わえる、銘品の数々を世に送り出し続けてきました。
もっとも、大々的な広告を行っていない上、日本でのマーケティングに積極的ではないケリンググループに所属することから、ユリスナルダンの知名度は高くはありません。
しかしながら、確かな精度に高い実用性,そしてデザインの美しさ。
どれをとっても最高級の魅力を誇るユリスナルダンには根強いファンも多く、時計玄人が選ぶ時計として、業界内の存在感は増すばかりです。
ユリスナルダンの人気シリーズとお勧めモデル① マリーン
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ユリスナルダンは他のブランドでは決して味わえない最高級の機能美をもつ、雲上時計ブランドに匹敵する素晴らしい時計です。
フラグシップはこちらのマリーン。1986年、創業150周年にコレクションがスタートしました。
前述の通り、ユリスナルダンを有名たらしめたマリンクロノメーターから意匠を受け継いでおり、文字盤バリエーションは種々あるものの、クラシカルな印象をまといます。
もっとも、高精度マリンクロノメーター時代と変わらず、機能性も非常にハイスペックなコレクション。ユリスナルダンで迷ったら、まずマリーンをお手に取ってみてはいかがでしょうか。
マリーン クロノメーター マニュファクチュール 1183-126-3/61
ケースサイズ:直径43.0mm
素材:ステンレススティール
文字盤:シルバー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.UN-118
パワーリザーブ:約60時間
防水性:100m
シルバーダイアルにアップライトのアラビアインデックスが印象的な“マリーン・クロノメーター” 1183-126-3/61。マニュファクチュールのモデル名の通り、自社ムーブメントCal.UN-118を搭載しています。ちなみに何度か言及している、ユリスナルダンお得意のシリコン製脱進機を搭載したムーブメントで、高精度かつ高性能な名機として2012年の発表以来、ユリスナルダン人気を支え続けています。
12時位置にはパワーリザーブインジケーターを備えており、60時間のパワーリザーブに対応。12時位置には海軍に提供していた時代を彷彿とさせる独特なデザインのスモールセコンドが配されています。
針から目盛のデザインに至るまで、あらゆる点にマリンクロノメーターとしてのDNAが受け継がれており、ミリタリー好きな方からの評価も絶大です。
ケースには軽量感がウリなチタンを採用。ブレスレットには防水性に優れるラバーベルトが使用されています。
また、ケースバックはスケルトン仕様となっているため、美しいCal.UN-118の精密な動きを堪能することができます。
定価は100万円超えと決してリーブナブルなモデルとはいえませんが、それだけの価値は間違いなくあります。
マリーン クロノグラフ マニュファクチュール 1503-150-3/62
ケースサイズ:直径43.0mm
素材:ステンレススティール×チタン
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.UN-150
パワーリザーブ:約48時間
防水性:100m
マリーンコレクションが誇るお洒落なクロノグラフです。
モノトーンで安定感のあるダイアルデザインの中に、クロノ針のみ差し色の赤が効果的に使われています。
シンプルなスリーカウンターに立体的なアラビアインデックス、4~5時位置には控えめにデイト表示を装備。
オンオフ問わず使用できる万能なデザイン性も魅力的です。
ムーブメントはやはり自社製Cal.UN-150を搭載。スケルトンバックからはキャリングアーム式の美しいメカニズムを眺めることができます。
ナルダンらしいイカリを模したローターも非常にオシャレで、王道から少し外したクロノグラフを求めている方にとってうってつけのモデルです。
ケース素材はチタン、ストラップはラバーベルト。
100m防水も持ち合わせ、実用性に優れます。
マリーン クロノメーター 263-67-7M/43
ケースサイズ:直径43.0mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:cal.UN-26
パワーリザーブ:約42時間
防水性:200m
クラシカルな美しさとスポーティーな魅力を両立させた「マキシマリーン クロノメーターコレクション」。COSC認定の高精度ムーブメントを採用し、パワーリザーブ・インジケーターやオーバーサイズ・スモールセコンド、ラージデイト表示を備えた高性能モデルです。
ケースは迫力のある43mmステンレススティール。文字盤にはマリーンの名に相応しい鮮やかなブルーが配されています。
ケースバックはスケルトン仕様。cal.UN-26とユリスナルダンの刻印が刻まれたローターを眺める事ができます。
ユリスナルダンの人気シリーズとお勧めモデル② ダイバー
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ダイバーシリーズは海を知り尽くしたユリスナルダンが手がけるハイスペックダイバーズウォッチです。
独創的な針のデザインとクラシカルな意匠が特徴的で、高い防水性を持つことからアウトドアを趣味とする方から大きな支持を集めています。
ユリスナルダンとしては手頃な価格なのもポイントで、新品でも並行市場であれば50万円台〜購入することができます。
マキシ マリーン ダイバー 263-33-3
ケースサイズ:直径42.7mm
素材:ステンレススティール
文字盤:シルバー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.UN-26
パワーリザーブ:約42時間
防水性:300m
マキシ マリーン ダイバーとは、精悍なダイバーズウォッチにマリーンのレトロテイストを加えたシリーズです。
さらにこちらの263-33-3はステンレスケースにチタンとラバーのコンビブレスレットを組み合わせた使い勝手の良い一本。機能性重視になりがちなダイバーズウォッチですが、その中でもファッション性を失わないのはユリス・ナルダンならではですね。
針やインデックスからベゼルまで、あらゆる箇所が個性的なデザインとなっており、お洒落なダイバーズウォッチをお探しの方にとってうってつけのモデルといえます。
ムーブメントはCOSCクロノメーターに認定された高精度ムーブメントを搭載。
強固なケースに収め300m防水を実現しています。
海と結びつきの強いブランドであるからこそ、海を愛するダイバー達に是非身に着けて頂きたい一本です。
マキシ マリーンダイバー 266-33-3A/925
ケースサイズ:直径42.7mm
素材:ローズゴールド
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.UN-26
パワーリザーブ:約42時間
防水性:200m
ローズゴールド製の華やかなマキシ マリーン ダイバーです。
ゴールド製らしくずっしりとした重量感を味わえる一本で、特別なモデルをお探しの方にお勧めです。
なお、スペックは前述したRef.263-33-3と同一ですので、ハイスペックダイバーズウォッチとしてもお楽しみ頂けるでしょう。
ユリスナルダンの人気シリーズとお勧めモデル③ フリーク
フリークはユリスナルダン屈指のハイエンドモデルです。前項でもご紹介したように2001年にリリースされ、毎年のように改良を加えられ進化を続けてきました。
2017年に発表された「イノヴィジョン 」においてはシリシウムで一体成形されたデュアル・コンスタント脱進機を完成させ、フリークをさらなる高みへと押し上げています。
革新的な素材と技術を用いたフリークの価格はいずれも1000万円前後〜とかなりの高額です。
誰もが手にできるモデルではありませんが、機械式時計がお好きな方にとっては、まさにロマンの塊といえるモデルです。
ユリスナルダン フリーク ラボ 2100-138
ケースサイズ:直径45.0mm
素材:ホワイトゴールド
文字盤:ブラック
駆動方式:手巻き
ムーブメント:Cal.UN-210
パワーリザーブ:約7日間
防水性:日常生活用防水
時計製造における限界を超え続けるという決意から生まれた「フリーク コレクション」。
ムーブメント自体が中心を軸にして回転するため、文字盤・指針共に不在です。中央を接続部として2層構造になっており、下段のデッキで時表示を行い上段のデッキで分表示を行います。
こちらのRef.2100-138はトゥールビヨンを搭載した人気モデルで、ユリショック”セーフティ・システムと名付けられた、新世代の耐震装置が組み込まれています。
ムーブメントには手巻きキャリバーUN-210を搭載。
7日間のパワーリザーブも有し、実用性は申し分ありません。
フリークならではのアヴァンギャルドなデザインは、どのモデルを選んでも健在ですので、気になった方はぜひ他のフリークもお手にとってみてください。
ちなみにRef.2100-138の定価は11,912,400円。超高額モデルになりますが、中古であれば500万円以下で買うことも可能です。
ユリスナルダンの人気シリーズとお勧めモデル④ クラシコ
出典:https://www.facebook.com/UlysseNardinJapan/photos/
クラシコはその名の通りクラシックなデザインを追求したユリスナルダンらしい上品なラインナップです。
無駄なモノは一切加えないシンプルさを持ち、どんなシーンでも活躍するドレスウォッチとして高い評価を獲得しています。
エナメル文字盤やクロワゾネを用いた美術工芸品のようなモデルも展開されており、機械式時計の美しさを存分に味わえることも大きな魅力です。
ユリスナルダン クラシコ ポール・デイヴィッド・ナルダン 3203-900
ケースサイズ:直径39.0mm
素材:ステンレススティール
文字盤:シルバー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.UN-320
パワーリザーブ:約48時間
防水性:30m
2017年のバーゼルワールドで発表されたユリスナルダンの新作「クラシコ ポール・デイヴィッド・ナルダン」。ユリス・ナルダンの息子、ポール・デイビッドの名前を冠したこの時計は、1945 年の時計をモデルにして製作されたクラシックなデザインが特徴です。
ムーブメントには驚異的な精度を誇るアンカー脱進機を搭載した自社製 UN-320を搭載。
ベルトにはブラウンレザーを装備しています。
ユリスナルダン クラシコ エナメル サンタマリア 8150-111-2/SM
ケースサイズ:直径40.0mm
素材:ホワイトゴールド
文字盤:エナメル
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.UN815
パワーリザーブ:約42時間
防水性:50m
サンタマリア 8150-111-2/SMはエナメルの上位技法となるクロワゾネを使った美術工芸品とも呼べる作品です。
クロワゾネ(技法)とは、図柄を非常に細密な金線で仕切り、仕切られた区画各々に異なる色のエナメルを流し込み、幾重にも焼き上げ気品溢れる色合いを出す伝統技法です。
こちらは、コロンブスが1492年に大西洋横断航海で使った“サンタマリア号”が文字盤に描かれたモデルです。
ムーブメントには“UN815”自動巻きを搭載。クロノメーター規格を有しています。
ユリスナルダンの人気シリーズとお勧めモデル⑤ エクゼクティブ
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エクゼクティブはこれまでのユリスナルダンとは一味違う現代的な意匠によって作られた最高品質の時計です。
シリコン脱進機の搭載、審美的なスケルトントゥールビヨンの開発など、最先端技術が用いられています。
ただ見た目だけを取り繕った時計ではなく、本当に良い時計として、30代・40代の時計玄人に愛されているモデルです。
価格はその分お高めになりますが、手にした時の満足度は桁違いでしょう。
ユリスナルダン エグゼクティブ デュアルタイム 246-00-3/42
ケースサイズ:直径43.0mm
素材:ローズゴールド×ブラックセラミック
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.UN-24
パワーリザーブ:約42時間
防水性:100m
近年のユリスナルダンは近代的でスタイリッシュなデザインのモデルにも着手しています。その象徴といえるモデルこそが、エグゼクティブ デュアルタイムです。
エグゼクティブ デュアルタイムには、タイムゾーン・クイックセッティング機構という便利な機能とシンプルで優れた操作性が備えられており、べゼル・プッシュボタンには、セラミックを組み合わせています。
様々な文字盤バリエーションが存在しますが、高級感に溢れるブラックフェイス&ローズゴールドの色の組み合わせは非常に人気です。
直径43.0mmの大型ケースが採用されていますが、ケース厚は意外にも抑えられた設計となっています。時計を横から見た印象も非常にシャープで、ゴールド×ブラックのコントラストも素敵です。
また、ケースバックはスケルトンバックを採用。18kローターを搭載した美しい自社製ムーブメントの魅力を堪能することができます。
ラバーストラップを装備したユリスナルダンらしいモデルなので、カジュアルシーンやアウトドアにもオススメです。
ユリスナルダンの人気シリーズとお勧めモデル⑥ サンマルコ
サンマルコは1990年代〜2000年代に一世を風靡した時計玄人を唸らす名作です。
鮮やかなギョーシェ彫りやエナメルをふんだんに活用した独創的な文字盤。さらにはクロワゾネを駆使したまるで絵画のような文字盤も展開され、ユリスナルダンの美しく上品なイメージを決定づけました。
現在は生産終了していますが、いまだに需要があり、数量限定モデルは高値で取引されています。
アカデミックなイメージを与える通な一本をお探しの方は、こちらも検討されてみてはいかがでしょうか?
ユリスナルダン サンマルコ クロノメーター 133-88-9
ケースサイズ:直径33.0mm
素材:ステンレススティール
文字盤:グリーン
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.2892-2
パワーリザーブ:約45時間
防水性:50m
ユリスナルダンを代表する“サンマルコ”シリーズ。深く鮮やかなグリーンのダイヤルは、ギョーシェの上からエナメルを丁寧に仕上げており、他に類を見ない美しさです。
エナメル文字盤はガラス質のエナメル粉末を文字盤の上に載せ、800度近くの熱で焼成を繰り返し発色させて作り上げます。
手間とコストが掛かるエナメル技法は現在使われることは稀ですが、陶器とも呼べるようなツヤのある質感は高貴な存在感を放ちます。
ケースバックにはイタリアの都市ヴェネツィアのシンボルである、聖書を抱え翼の生えたサンマルコライオンが刻印されています。
文字盤のみならず裏蓋からベルトに至るまで、全てにおいて美しい一本です。
まとめ
マリーンクロノメーターとして名を馳せ、独創的なデザイン性と高い技術力によって支持を集めるユリスナルダン。
玄人好みのブランドとして知られていますが、どのモデルも他のブランドでは味わえない最高級の美しさを誇ります。
エントリーブランドからステップアップしたい方は勿論、人と被らない時計をお探しの方にもユリスナルダンはオススメです。
是非この機会に一度ご検討くださいませ。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。