世界で最も有名なクロノグラフと聞かれれば、「デイトナ」の名を挙げる人も多いだろう。登場は1963年、プロのカーレーサーのために開発され、ベゼルに時速400キロまでの平均時速を計測できるタキメーターを装備する。最新型116500LNはベゼルにセラミックを採用。持ち前のスポーティさはそのままに、よりラグジュアリーさを増すかたちとなった。
ムーブメントは先代と同様キャリバー4130を搭載するが、ヒゲゼンマイに耐衝撃性や耐久性にメリットがあるパラクロム合金を採用。もちろん高精度の証・スイス公認クロノメーター検査協会の認定済みだ。定価よりかなり実勢価格が高いが、それだけ評価されているということ。リセールバリューを考えるとむしろコスパは高い。
ケース径40mm。ケース厚12.4mm。SSケース&ブレス。100m防水。自動巻き。パワーリザーブ約72時間。
高級感ある光沢のセラクロムベゼルには、タキメーターインデックスが刻まれる。一世代前のモデルにあたるRef.116520ではブラックダイアルの人気が高かったが、本モデルではホワイトダイアルの方が人気が高い。
オイスターケースに加え、伝統的なクラウンリューズ及びクロノグラフのプッシュボタンがねじ込み式で、高い気密性を実現することができた。100m防水を確保している。
セーフティキャッチ付きのオイスターロッククラスプもこの時計の主役。ブレスレットを5mm延長できるエクステンションリンクも装備しており、優れた操作性が魅力だ。
時計の世界で最高峰のステータスを持つブランドがこの「パテックフィリップ」だ。歴史は古く、前身となる時計会社は1939年に創業された。ヨーロッパの王侯貴族に好まれたエレガントさが持ち味だが、今狙うならスポーティな「ノーチラス」がおすすめ。船の舷窓(船体の小窓)から着想を得たとされる楕円の優美なケースを持ちながら、立体的でシャープなフォルムによってカジュアルスタイルにもマッチする。もちろん、スーツとの相性も申し分ない。まさにTPOを選ばない至高の一本に挙げられるだろう。搭載するムーブメントキャリバー324 S Cは、COSCに匹敵する独自規格「パテックフィリップ・シール」認定であることから信頼性も高い。見た目も中身も最高の逸品だ。
ケース径40mm。ケース厚8.3mm。SSケース&ブレス。12気圧防水。自動巻き。パワーリザーブ最大45時間。
ムーブメントの21金ローターには、4つの百合の花をかたどった伝統の「カラトラバ十字」の刻印が施されている。
厚さわずか8.3mmのケースは、シャツのカフスを邪魔しない。リューズにも「カラトラバ十字」があしらわれている。
利便性に優れる、観音開きのバックルを採用。サテンとポリッシュを組み合わせたブレスレットは優美かつスポーティだ。
「パテックフィリップ」と並び、世界三大腕時計ブランドのひとつに挙げられる「オーデマピゲ」。当然歴史も古く、創立は1875年にさかのぼる。懐中時計の時代から高級機にふさわしいドレッシーなモデルを生み出してきたが、1972年、ステンレスケースのスポーツモデル「ロイヤルオーク」を発表し、世間を驚かせた。直線的なオクタゴン(八角形)ベセルにはビスがあしらわれ、ブレスレットもケースと一体化されるなど、これまでの高級時計のデザインの常識を打ち破ったモデルとなる。
その個性的なルックスは海外のセレブリティにも愛され、現在は全世界でその人気が不動のものとなった。「ラグジュアリースポーツ」という概念を生み出した、時計界に燦然と輝く、歴史的な名作だ。
ケース径41mm。ケース厚9.8mm。SSケース&ブレス。50m防水。自動巻き。パワーリザーブ約60時間。
ロイヤルオークのシンボルの一つが、エンボス加工されたグランドタペストリーダイアル。視認性に優れるだけでなく、上質な気品が備わることとなった。
ベゼルと同じく、ビス留めされた裏蓋はシースルーバックを採用している。美しく磨きあげられたムーブメントの仕上げを堪能できる。
細かいコマを連結したブレスレットは腕馴染みがよく、ルックスもスポーティ。バックルは観音開きで使い勝手に優れる仕様だ。
ロレックスのスポーツモデルの中では「デイトナ」「エクスプローラー」「サブマリーナ」の影に隠れていた感のあった「GMTマスターⅡ」。ところが近年は、人気が爆発し価格も高騰中だ。2018年にこのジュビリーブレスレットモデルがバーゼルフェアで発表されるやいなや、即売り切れのレアモデルとなった。
航空会社のパイロットのために開発された、初代「GMTマスター」が発表されたのは1955年のこと。以降、基本デザインは踏襲しながらも、ムーブメントやスチールのクオリティを大幅に改良してきた。本作はセラクロムベゼルの質感が本当に美しく、傷にも強い。「長く愛せる傑作」との呼び声が高いことも納得だ。
ケース径40mm。ケース厚12mm。SSケース&ブレス。100m防水。自動巻き。パワーリザーブ約70時間。
GMTマスターIの生産終了以来、SSモデルにはなかった赤青ベゼル。ペプシの愛称で知られ、愛好家たちの心をくすぐる。
5連リンクのジュビリーブレスレットを装備。ドレスモデルに組み合わされることが多いが、スポーツモデルとも相性はいい。
強固な装着感を誇る、セーフティキャッチ付きのオイスターロッククラスプは最早お馴染み。サテンとポリッシュで磨き分けされた仕上げが、高級感を醸し出している。
百年以上の歴史をもった老舗がひしめく時計界において、1980年創業ながら、瞬く間にスターブランドの一角に昇り詰めたブランド、それが「ウブロ」だ。特徴は、新しい素材を巧みに組み合わせたデザイン力。例えば、こちらの「ビッグバン ウニコ チタニウム セラミック」は、ケースにはチタン、ベゼルにはセラミック、ストラップにはラバーを用いた。このように異なる素材を組み合わせる事により、唯一無二の個性を発揮することに成功している。
表と裏の両面から堪能できるムーブメント「ウニコ」は、330個もの部品を手作業によって組立てられた。ウブロの技術力の結晶というのも大きなポイントだろう。「人と同じ時計を持ちたくない!」という方に、まずおすすめしたいブランドがこの「ウブロ」なのだ。
ケース径45mm。ケース厚8.05mm。チタンケース(セラミックベゼル)&ラバーストラップ。10気圧防水。自動巻き。パワーリザーブ約72時間。
複数の素材を採用することにより、サイドから見ても圧巻の存在感を誇る。プッシュボタンひとつとっても造形にこだわりがみてとれる。
「ウブロ」が4年の開発期間を経て完成させた自社製造ムーブメント「ウニコ」を搭載。72時間と、ロングパワーリザーブを誇る。
ストラップには柔軟性に優れたラバーを採用している。サイドのプッシュボタンで、着脱が容易に行えるのも特徴だ。
1993年、「ロイヤルオーク」に新たに追加されたコレクションが「ロイヤルオーク オフショア」だ。ベセルが太くなり、ラバーストラップに留まらず新素材を果敢に採用することで、従来の「ロイヤルオーク」に比べグッとスポーティなコレクションが誕生した。
今回おすすめしたいのは、アクティブでありながら、ピンクゴールド&レザーストラップで大人の気品を漂わせるモデル。ゴールドと聞くとファッション上級者の特権と思われがちだが、ピンクゴールドならば肌色にも馴染むため主張しすぎることはなく、取り入れやすい。さらに、アリゲーターストラップのため、ブレスレットにゴールドが採用されたモデルよりは派手な印象がない。大人が着けても様になるスポーツウォッチをお試しあれ。
ケース径42mm。ケース厚14.6mm。PGケース&アリゲーターストラップ。100m防水。自動巻き。パワーリザーブ約50時間。
リューズとクロノグラフのプッシュボタンは、ブラックセラミックを採用。ブラックのアクセントが全体の印象を引き締める。
裏蓋はスケルトンを採用。22Kゴールドで製造されたローターには、2人の創業家の紋章が刻印されている。
アリゲーターストラップはハンドステッチが施される。ベルトはケースと同様の18K ピンクゴールド製で、ピンバックルを採用している。
2018年発売のジュビリーブレスレットモデルは紹介済みだが、3連のオイスターブレスを装備し、ブラック×ブルーベゼルを採用したGMTマスターⅡもおすすめ。ダークトーンの組み合わせはクールな印象を与え、装いをスタイリッシュに格上げしてくれること請け合いだ。
搭載するムーブメントも高い精度と実用性を誇る。自動巻きキャリバー3186も他のロレックス製ムーブメントに漏れずCOSCの認定を受けており、メーカー出荷時には日差がわずか±2秒の範囲内であるというから驚きだ。ケース素材に採用されるオイスタースチールは、従来のステンレススチールよりも耐蝕性・耐久性に優れた904Lと呼ばれるステンレス鋼が採用されている。スタイリッシュかつ実用性も抜群の「ロレックス」と言ったらこのモデルに決まりだ!
ケース径40mm。ケース厚12mm。SSケース&ブレス。100m防水。自動巻き。パワーリザーブ48時間。
黒×青のツートンカラーは通称バットマン。これまでのロレックスとはまた一味違った、ファッショナブルな印象だ。なお、このベゼルデザインはGMTマスターIIの火付け役として名高い。
ジュビリーブレスレットも魅力的だが、やはりスポーツロレックスと聞けば3連リンクを思い浮かべる。鏡面と艶消し仕上げのコントラストがどこまでも瀟洒と言えよう。
ねじ込み式リューズと併せてロレックスの堅牢性の象徴と言えば裏蓋だ。内部の名ムーブメントをガッチリ守る仕様ながら、ボリューム感は抑えられている。
現在、相場価格ではホワイトダイアルに劣るものの、ブラックタイプも相当なプレミアムが付く超人気モデルだ。高騰した今の相場がいつ反転するかは分からないが、投資目的ではなく純粋にブラックダイアルに一目惚れしたのなら、買っても後悔しないモデルのひとつだろう。
ホワイトダイアルと同様に、最新型のデイトナは、ベゼルにロレックスが独自開発したセラミック素材「セラクロム」を使用。耐久性と美しさが大幅にアップした。ムーブメントは前の世代から実績のあるクロノグラフの名機、キャリバー4130を搭載し、1/8秒まで計測可能。ゼンマイを巻き上げなくても3日間動き続ける72時間のパワーリザーブを持つ点も日常使いでは大きなメリット。ステータス抜群で、資産価値も高いデイトナはいつか手に入れたい一本だ。
ケース径40mm。ケース厚12.4mm。SSケース&ブレス。100m防水。自動巻き。パワーリザーブ約72時間。
ブラックベゼル×ブラックダイアルで精悍な印象を漂わせる。ホワイトダイアルよりもスポーティーな印象が強い。やはりブラックにはどこか心惹かれる独特の魅力を感じるものだ。
デイトナにも、もちろん伝統的なクラウンリューズが光る。また、サイドから見ると上品な薄さであることがわかるだろう。自動巻きクロノグラフ・100m防水でこの薄さは見事と言う他ない。
ブラックのセラクロムベゼルが採用されたことにより、全体的に黒色由来のスマートでスタイリッシュな仕上がりが目立つようになった。収縮色効果で、引き締まった印象を持つことも特筆したい。
様々な素材をミックスさせ、伝統的な時計デザインに革新を与えてきたウブロの真骨頂を味わえるモデルが、この「ビッグバン スチールセラミック」だ。
仕様を見てみると【ケース:ステンレススチール、ケースサイド:グラスファイバー、ベゼル:セラミック、ビス:チタン、ストラップ:ラバー】と多種多様。これだけ多くの素材を採用しながら、それらを適した部分に使うことで完成度の高いデザインにまとめ上げたのは「さすがウブロ」と思わせる仕上がりだ。カーボン調の型押しダイアルはスポーティでオフスタイルに最適だし、ブラックベースのためスーツにもマッチする汎用性も大きな魅力の1つだ。
「ウブロらしさ」を堪能するのにうってつけの本モデルは、必ずチェックすべき逸品だ。
ケース径44mm。ケース厚15mm。SSケース(セラミックベゼル)&ラバーストラップ。100m防水。自動巻き。パワーリザーブ約42時間。
個性的なケースサイド。ポリッシュ仕上げのステンレススチールと、マットなグラスファイバーのコントラストがスタイリッシュ。
ベゼルとラグには「ウブロ」のイニシャルである「H」型のビスを使用している。タイヤのトレッドのようなストラップも特徴的。
ムーブメントは「HUB4100」を採用。ETA7750をカスタマイズし、美しい磨き加工を施されている。
スイスの名門ブランド・IWC。アメリカ人がドイツ語圏の都市シャフハウゼンで創業したブランドであることを知れば、その合理的な時計作りにも納得がいくだろう。
ポルトガル商人の要望から1939年に発表された「ポルトギーゼ」は、IWCで最も長い歴史を持ち、IWCの哲学を色濃く反映したコレクションと言える。過度の装飾を廃し、時計本来の役割である「時刻を知ること」を重視したシンプルで視認性の高いダイアルは、時計愛好家からは高級時計を代表する傑作と評されている。
上品なシルバーダイアルとブルースティール製の針の組み合わせは、誰が見ても爽やかな印象を持つこと請け合いで、クリーンな自分を演出するのに最適な一本だ。
ケース径40.9mm。ケース厚13mm。SSケース&アリゲーターストラップ。3気圧防水。自動巻き。パワーリザーブ約44時間。
やはり当モデルの最大の魅力の一つが青針だ。シンプルながら気品や風格を漂わせており、高級時計として完成されている。
リューズにはIWCの刻印が施されるが、クロノグラフのプッシュボタンは平坦でシンプル。実にIWCらしい仕上げだ。
優美な印象を加速させるアリゲーターストラップ。針やインデックスの色に合わせた、ダークブルーが採用されている。